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猫太郎さん のコメント

 以前、「カエルが怖くて読むのが大変」と感想を寄せた者です。今回はカエル恐怖症もなんのその、声を上げて笑いながら読んでいました。小説でありながら、実はドキュメンタリーのようで、活字に刺激を受けることが最近は少ない私ですが、とてもわくわくしています。
No.6
108ヶ月前
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★ 【皆さんにお願い】 この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。 ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます) 『カエルの楽園』第二章        次の日、元老会議が行なわれました。  この日は朝からずっと雨が降っていたこともあって、小島の周囲には大勢のカエルたちが集まっていました。ソクラテスとロベルトもそこにいました。  会議の冒頭にプロメテウスが発言しました。 「昨日、南の崖を登ったウシガエルは五匹を数えました。これはハンニバル兄弟が確認しています」  元老たちの顔には明らかに動揺の色が浮かびました。 「もはや一刻の猶予もなりません。スチームボートとの協定を結ぶ必要があります」  いつもならすぐに反対の声を上げる元老たちも黙って聞いています。おそらく、ウシガエルが一挙に五匹も崖の上に姿を現したという事実を深刻に受け止めているからだろうと、ソクラテスは思いました。 「たしかにスチームボートはわたしたちを利用しようとしているのかもしれません。それは絶対にないとは言えません。しかしわたしたちもまたスチームボートを利用しようとしているのです。すべて自分たちだけが得をする約束事というのは、この世に存在しません。それはあまりにも都合のいい考え方ではないでしょうか。スチームボートが誰かに攻められたならば、わたしたちは彼を助けるために一緒に戦わねばなりません。その代わり、わたしたちがウシガエルから攻められたときは、スチームボートが助けてくれるのです。この恩恵は限りなく大きなものがあります」  元老たちはみんな考え込んでいます。 「みんな、騙されるな!」  
百田尚樹のテレビでは伝えられない話
ベストラー作家・構成作家の百田尚樹が、仕事・政治・プライベート等、様々なジャンルについて語ります。このメルマガでは、「メインコーナー」と毎回その週に報じられたニュースを切る「ニュースに一言」の二部構成でお届けします。