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ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第十二回
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ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第十二回

2015-12-18 07:00
  • 14
【皆さんにお願い】
この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。
※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます)





『カエルの楽園』第二章
 
   
 次の日、元老会議が行なわれました。
 この日は朝からずっと雨が降っていたこともあって、小島の周囲には大勢のカエルたちが集まっていました。ソクラテスとロベルトもそこにいました。
 会議の冒頭にプロメテウスが発言しました。
「昨日、南の崖を登ったウシガエルは五匹を数えました。これはハンニバル兄弟が確認しています」
 元老たちの顔には明らかに動揺の色が浮かびました。
「もはや一刻の猶予もなりません。スチームボートとの協定を結ぶ必要があります」
 いつもならすぐに反対の声を上げる元老たちも黙って聞いています。おそらく、ウシガエルが一挙に五匹も崖の上に姿を現したという事実を深刻に受け止めているからだろうと、ソクラテスは思いました。
「たしかにスチームボートはわたしたちを利用しようとしているのかもしれません。それは絶対にないとは言えません。しかしわたしたちもまたスチームボートを利用しようとしているのです。すべて自分たちだけが得をする約束事というのは、この世に存在しません。それはあまりにも都合のいい考え方ではないでしょうか。スチームボートが誰かに攻められたならば、わたしたちは彼を助けるために一緒に戦わねばなりません。その代わり、わたしたちがウシガエルから攻められたときは、スチームボートが助けてくれるのです。この恩恵は限りなく大きなものがあります」
 元老たちはみんな考え込んでいます。
「みんな、騙されるな!」
 
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他4件のコメントを表示

 以前、「カエルが怖くて読むのが大変」と感想を寄せた者です。今回はカエル恐怖症もなんのその、声を上げて笑いながら読んでいました。小説でありながら、実はドキュメンタリーのようで、活字に刺激を受けることが最近は少ない私ですが、とてもわくわくしています。

No.6 108ヶ月前

まさかの展開でした。デイブレイク率いる大人や若者が遂に言論の暴力や実力行使で協定を破棄させてしまったのですね。彼らは今の既得権益を手放したくないだけであり、ほんとにナパージュの未来のことは考えていないような気がします。この先、救世主が現れるのか?悲惨なホラーになっていくのかドキドキしながら楽しみにしています。

No.7 108ヶ月前

日本には安保法制も整い優秀な陸海空の自衛隊もあります。
それらがないナパージュがどうなってしまうのか大変心配です。怖いのは日本もそうなる可能性がなかったとは言えないことです。ナパージュの今後、他人事とは思えません…。

No.8 108ヶ月前
userPhoto 百田尚樹(著者)

>>6
こんな物語がドキュメンタリーになっては困りますね^^
あくまでフィクションでありたいものです。

No.9 108ヶ月前
userPhoto 百田尚樹(著者)

>>7
国の未来を考えるのは本当に難しいものです。この物語にハッピーエンドが来るのか、それともホラーで終わるのか、今後をお楽しみください。

No.10 108ヶ月前
userPhoto 百田尚樹(著者)

>>8
そうですね。日本には安保法制があります。しかしこの安保法制を廃案に持っていこうとしている団体が組織があります。もしそうなったら、ナパージュとよく似た状況になりますね^^;

No.11 108ヶ月前

今BSジャパンの歌番組を聞いていたら、「海は広いな大きいな」で知っている「うみ」の童謡が、実は海外戦争を促す歌だったという、デイブレークの記事を出演者が話してました。全く意外だったので、デイブレーク(新聞)のネットを調べてみると、タイトルは「「戦争協力」の歌だったのか? 童謡「ウミ」」となっていますが、文中に名前入りで引用されている研究者は全て、それに否定的な見解を述べているようです(戦争協力という噂があるという前半部だけがタイトルになっている!)まあ、いわゆるデイブレークの数ある「・・・所作」のひとつですかね?このテレビの出演者みたいに、うろ読みでええ加減なことを喋ってはいかんぜよ。まあこうした所作のひとつひとつがカエル諸君には皮膚粘液のようにこびりついてるんでしょうね。あまり関係のない話題で失礼しました。

No.12 108ヶ月前

週に一度のお楽しみ♪
今週もまたとんでもない展開でしたね!! 
ハラハラしながら一気に読んでしまって、また「え?もう今週終わり?」とか思ってしまいました。。。
大変スイマセン・・・

ですが、ナパージュがデイブレイクやフラワーズの考えだけで出来ているわけではなく
気概のある元老や、それを後押しする国民も多数いることがわかって
少しホッとした感もあります。

それよりも・・・とうとう今週で現在の状況に追いついてしまいましたね!?
ということは次号以降は今後のわが国の予測ということになってしまいませんか???
この先ウシガエルの本格的な略奪が始まるのでしょうか?
それともスチームボートの大ナタさばきが始まるのでしょうか?
はたまた、ナパージュの国民が一致団結して危機自体に対処するのでしょうか?

ここから先は百田先生の予言者ぶりにご期待、ですね(笑)
ますます目が離せません!!

No.13 108ヶ月前

最近になって、ようやく気付いたのですがカエルの世界を描いているのは、「井の中の蛙」の諺からきているのでしょうか。鋭い読者の方は既に感じておられたでしょうが、ふと最近そのように感じました。ナパージュは「井の中の蛙」の集団なのかもしれませんね。

No.14 108ヶ月前

なんだかもうナパージュの蛙達は一度ウシガエル達に食い殺されればいいと思ってしまいますね。そうなれば痛快です。

No.15 107ヶ月前
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