たとえば、ソフトバンクショップのような接客の場で力を発揮するのではないかと思う。Pepperは自立学習するので、携帯電話のプランにはやたら詳しくなりそうだし、うまくいけば接客する人員の削減にもつながる。とても簡単な説明しかできないかもしれないが、20万円でスタッフ1人を削減できるとなれば、1ヵ月で元が取れる。
ある程度までの接客販売はロボットで自動化できるようになりそうだが、これを「人件費削減のためのロボット」とうたわず、“感情を理解するロボット”と、何に使うのかわからないような感じでリリースしたのは、さすがソフトバンク、というか孫さん。こうすれば「人間の仕事をロボットが奪う」という反感を受けることなく、普及の可能性がある。そもそも「単純労働は人間はやらない」とハッキリ割り切るべきなのだ。
また、感情認識技術をロボットというハードウェアで出したという部分も興味深い。というのも、別にロボットにしなくても、Siriのようなものでも大丈夫なはずだ。しかし、ロボットにすることで話題づくりもできる。なによりもロボットが人間の手伝いをする未来に近づくことは、技術が世の中を便利にしていくためには必要なことといえるだろう。
■今週のガジェット■
『Pepper』
感情認識エンジンを搭載し、人の表情や感情を理解する、人間型のロボット。現在、都内の一部のソフトバンクショップにPepperが設置されており、会話などを体験できる。
↑開発者向けのサイトをオープン。今年度中にSDKを配布する予定とのこと。
発売 ソフトバンク(関連サイト)
直販価格 21万3840円(2015年2月発売予定)
■今週の近況■
オンライン書店の送料無料廃止って効果ある?
フランスで、オンライン書店での本の送料無料サービスを禁止する法案が可決された。定価販売されている書籍の送料を無料にすると実質的に割引販売されているのと同じということで、書店業界のロビー活動が実って規制が強化される方向になった。それほど、フランスは小売店の力が強い。しかし、送料無料がダメでも、送料を激安にしたり、ポイント割り引きをしたりとか、そんなサービスが展開されて、実質的には無力化するようなもする。
※この連載は週刊アスキー2014年8月5日号(7月22日発売)に掲載されたもので、堀江氏の意見をもとに編集・再構成したものです。
●関連サイト
堀江貴文ポータルサイト
『ホリエモンドットコム』
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