3Dモデリングや金型成型、テストショットなどの複数の工程を経てようやく出来たスマートドールの肌、つまり“外皮”ですが、出荷する前にまだまだやる事が沢山あります!
外皮には“バリ”と呼ばれる不要な部分があり、僕らスタッフは、これらを手作業でひとつずつ切り取っています。主な使用工具は温風機ボックスとデザインナイフ。切り取り自体はさほど難しくありませんが、キレイな切断面で切るとなると話は別。とても神経を使う作業なのです。
■“外皮”のバリ切りは、熟練のワザが必要です!
担当は、まず外皮に不純物が混ざっていないかを目で確認し、不良品を選別していきます。次に、バリを切りやすくするため、温風機ボックスであたためながら手で柔らかさを確認し、個々のパーツに合った弾力性へと調節していきます。あたため方が不十分だとナイフを外皮に差し込む事が出来ず、逆にあたため過ぎると外皮がしなってナイフの軌道が狂ってしまうため、熟練したワザが必要なのです。
バリ切りは一発勝負!
ナイフの動きが止まった回数だけ切断面にギザギザが出来てしまうので、一定の速度を保ったまま一気に切り落とす必要があります。パーツは時間が経つと冷めて硬くなるので、スピードも肝心。パーツによってはナイフを差し込む角度や力加減も異なります。例えば、関節が入る部分は切り口が見えないよう内側に向かって斜めに切るなどです。
スマートドール1体ぶんに掛かる時間は、熟練した人でも約30分。僕が昔、父であるジミー・チューの靴工房で働いていた時に覚えたナイフの使い方がとても役に立っています。今、工房ではフル回転でドール製作にあたっていますが、バリ切りを行なえる熟練者が少なく、需要に追い付いていないため、スタッフの発掘には手間取っています(><) ご興味があれば、カルチャージャパンまでご連絡くださいね!
次回は、品質管理に大切な“検品”について、お話したいと思います。
※Ninja(忍者):英語圏のOTAKU用語で“プロフェッショナル”のことをNinjaと呼びます。
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