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弟にBL小説書かせてみた ~1作目~
2014-01-18 21:00220pt《まえがき》どうも、爆笑コメディアンズ秀作です。腐ってます。ホモ好きです。弟にBL小説を書かせてみました。読んでやってください。ホモォな性的表現が含まれますので18歳未満の方はご遠慮頂けたらと思います。また、誤字脱字などありましたらコッソリ教えてください。『アンインストール』 3時限目の講義が終わり次の教室へ向かおうと、蓮田優也は廊下を歩いていた。廊下には優也と同じように、大学生活に慣れ始めた学生たちが行き交っていた。
今までいたボロボロの2号棟とは打って変わって、次の7号棟は優也の入学と同時に完成したばかりだったので、清潔感のある綺麗な内装に心地良さを感じていた。7号棟へ入り、広々としたエントランスの突き当りのエレベーターに乗り込んだ。
自分一人だけのエレベーターで、優也はポケットからスマートフォンを取り出し、慣れた手つきでロックを解除すると、いつものようにアプリを開いた。
『Boys Connection』というゲイ向けのアプリだ。
自分の顔写真、身長、体重、好きなタイプといったプロフィールを登録し、GPSで近くにいる『仲間』を探せたり、条件検索で全国の気になった相手にメッセージを送ることもできる。
容姿に気を使い顔も整った優也には、しばしばアプローチのメッセージが届いていたが、メッセージのチェックは周囲の学生に見られないよう、いつもこうやってエレベーターやトイレの個室でしていた。
特にメッセージも来ていなかったのでアプリを終了し、携帯をしまおうと思った瞬間、携帯が震えた。
見覚えのない番号からだった。
東京に住み始めて間もない者としては知らない番号からの着信は若干怖いが、大学生活3ヶ月目の優也には、交換したまま登録し忘れた友人から着信が来ることもしばしばあったため、特に躊躇うこともなく電話に出た。
「はい、もしもし」
「もしもし、蓮田優也さまでいらっしゃいますか?」
若い男の声だった。丁寧な口調で彼は言う。
「○○ショップ東野原店の原と申します。昨日窓口で蓮田さまを担当させて頂きました」
「ああ、昨日の。どうも」
携帯電話のキャリアショップの店員だった。
昨日の大学帰り、サービスやプランの変更をしに大学最寄りの駅前にあるショップに立ち寄ったのだ。
「大変申し訳ありません。昨日お帰りの際にお渡しするのを忘れてしまった書類がございまして、お時間がある時で構いませんので、ショップの方にお立ち寄り頂けませんでしょうか?」
ショップ側のミスなのに足を運べとは面倒なことだが、優也は嫌な気分ではなかった。
なぜなら、昨日担当してくれたこの原という男がなかなかタイプのイケメンだったからだ。
身長は優也より5cmくらい高い175cm前後。20代前半くらいなのに落ち着いた雰囲気に感じたのは、スーツ姿だったからだろう。黒縁メガネの奥に見える奥二重の目が印象的だった。
「はい。今日、大学終わったら行きます」
相手が『同類』でなくても、またあのタイプの顔を目の前で見れるのならばラッキーだと思った。
「かしこまりました、お待ちしております。直接お詫びも申し上げたいので、ご来店されましたら私、原をご指名下さい」
もちろんそうさせて頂きますとも。
優也は心の中でそう呟き、電話を切った。
今から始まる講義がさっさと終われと願いながら、教室へ入っていった。
キャリアショップの自動ドアを入ると、清潔感のある清々しい空気が優也を包んだ。
正面には番号札を発券する機械があり、その奥には窓口カウンターがずらりと並び、手前のソファには順番を待つ客たちが座っていた。壁一面に新作の携帯電話やタブレットの見本が置かれ、自分と同じ 学生と思われる客が手に取っていじっている。
昨日見た光景とほとんど変わらない。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
発券機の横に立つ女性店員が作ったような綺麗な声で対応してくれる。
「あのー、なんか、昨日受け取り忘れたものがあるみたいで、原さんって方はいますか?」
「かしこまりました。少々お待ちください」
そう言い残し女性店員はカウンターの裏へ向かったが、窓口を見渡しても原の姿は見当たらなかった。
「あ、蓮田さま!」
右後方から声がしたのでそちらに首を振ると、2階へ続く階段の真ん中にスーツ姿の男が立っていた。
間違いなく昨日優也を対応した男、原だ。
原は足早に階段を駆け下り、若干緊張する優也のもとにやってきた。
「お待ちしてました。わざわざ足を運んでくださって、本当に申し訳ございません」
深々と頭を下げると、原の奥二重が申し訳なさそうに優也を見つめる。
「つい、ご契約内容の確認書をお渡しするのを忘れてしまいまして」
「ああ、いえいえ、全然大丈夫です」
原がゲイではなくノンケだとしても、仲良くなれるならなりたいという気持ちからか、優也も好印象を与えようと明るく振舞った。
「僕、そーゆー紙もらっても大事に保管できないタイプなんで、捨ててくれちゃっても大丈夫でしたし」
そうでもないのに優也はぎこちなく言った。
「いえいえ、こちらもお渡ししないわけにはいきませんので」
笑いながらそう言うと、原は階段の方へ手を向けた。
「それではお渡ししますので、ニ階へご案内します。どうぞ」
「あ、はい」
原に案内され後ろに付いて階段を上るが、思わずその後ろ姿を見つめてしまう。
ヘアワックスで動きをつけられた爽やかな黒髪を見て、彼が出勤前に自宅で鏡を見ながら髪をいじる姿を想像してしまい、ドキドキした。
「いやぁ、昨日蓮田さんが帰られてから書類に気付いて、焦ったんですよー」
苦笑いをしながら原がこちらを向いたので、慌てて視線を落とした。
二階へ上がると一階と同じように窓口カウンターとソファが並んでいたが、誰もいない。
「祝日なんかに混み合った時は、ここでも対応をしているんですよ。あと、お手洗いも二階です」
無人の二階フロアを不思議そうに眺める優也に、原はそう説明した。
「奥に応接室があるんでそちらにご案内しますね。まぁテーブルと椅子があるだけなんで、大して立派な部屋じゃないんですけどね」
新入生に校舎内を案内する先輩のような優しい態度に、優也の緊張はだんだんと解けてきた。
「他に聞きたいことはありますか?」
にこやかに言う原の態度から、ラフな質問もできそうな雰囲気ではあったが、まさか『男に興味はりませんか?』なんて訊けるわけがなかった。
「あ、いえ、、、」
しかし、若干気になっていたことを思い出し、できるだけさりげなく訊いてみることにした。
「あ、そういえばさっき、よく僕だってすぐにわかりましたね?僕ってそんなに特徴ありますか?」
「いやぁ、そりゃだって蓮田さん、イケメンですからすぐにわかりますよっ」
冗談と分かっていてもニヤけてしまう。
原は待合室奥の『お客様対応室』と書かれたドアの前に立ち、ノブを押す。身体を半分中に入れパチパチと蛍光灯のスイッチを押し、ドアを大きく開けた。
「さぁ、どうぞ」
「はい」
優也は聞こえるか聞こえないかくらいの小さな返事をし、ドアを押さえる原の前を通って応接室に入った。
無機質な真っ白い壁に囲まれたその部屋は想像より狭く、優也の住むワンルームとさほど変わらない。真ん中には長机が二つ付けられ、キャスターのついた背もたれのある青い椅子が並んでいる。隅に名前のわからない観葉植物が申し訳程度に置かれていたが、確かに応接室と呼ぶには貧相で、せいぜい『控え室』といったところだった。
原は優也を奥の椅子に座らせると、再びドアに向かう。
「今書類をお持ちします。あ、お茶もお持ちしますね。暖かいのと冷たいの、どっちにします?」
「あぁ、じゃあ、冷たいので。すいません」
たった一枚の書類を受け取りに来ただけなのに、お茶まで出されることにたじろいだが、原のフレンドリーなもてなしに親近感が湧く。
いいなぁ、性格も良さそうだしモテるんだろうなぁ。
優也はそう思い、原が彼女と並んで歩いている姿を想像した。
仕事以外の原の姿。スーツを着ていない時はどんな服装をしているのか、優也は原に似合いそうな服を想像し、脳内で着せ替え人形のように楽しんでいた。そのうち原の裸を想像してしまった自分に対し、鼻で笑ってしまった。
「お待たせしましたー。はい、お茶です」
原は小さめの紙コップに入った冷たい緑茶を優也の前に置くと、向かい側ではなく、すぐ隣の椅子に腰をかけた。
まさかの近距離に驚きながら、優也は原の手元に目をやった。
「じゃあ、忘れないうちに。こちらが昨日のご契約内容の確認書です」
紙には料金プランの変更、有料コンテンツの解除など、昨日手続きした内容が印刷されていて、改めて確認させると、ショップ名のプリントされた封筒に折り込み、優也に手渡した。
「すいません。本当は蓮田さんのご自宅まで届けに行こうかとも思ったんですけどねー」
「あは、そこまでしなくても。」
「本当に伺おうかと思ったんですけど、ほら、学校の用事とかデートとかでお忙しかったら申し訳ないですからね。お暇な時に立ち寄って頂く方がいいかなぁと思いまして」
「ははっ、デートって。僕、彼女なんていませんしぃ」
だってゲイだもん、と心の中で付け足した。
優也は以前から女子にアプローチされることがあったが、完全なゲイなので女子には全く興味がなく、いつも告白されても振っていた。
「え?蓮田さんモテそうじゃないですか!恋愛も充実しているのかと思いましたよ」
楽しそうに言う原に対し、僕の何を知っているのさ、と突っ込みたくなった。
「ぜーんぜんですよ。原さんの方こそ絶対モテモテなんじゃないですかぁ?カッコイイし、優しいし、お話しててもすごく感じがいい人だし・・・」
そこまで言って、自分の観点から相手を褒めていることに気付き、急に恥ずかしくなってしまった。顔が赤くなってしまったのが自分でもわかり、目の前の紙コップを頬に付けて冷やしたい気持ちだった。
「ふふ。ありがとうございます」
原は落ち着いた笑顔を見せた。
恥ずかしいのと長居するのも申し訳ない気持ちで、優也は冷たいお茶をガブっと飲み込み立ち上がる。
「あ、じゃ、どうも、ごちそうさまでした」
「ああ、はい。コップは置いといて良いですよ」
優也を見送ろうと原も立ち上がり、ドアの方へ先回りした。
「ところで、蓮田さん」
原がドアの前でこちらを振り返る。
「彼女いないって言ってましたよね?」
「は、はい?」
なぜ急にそんなことを訊かれたのかと、困惑した。
すると原は、奥二重の目を細め、優也に一歩近づいた。
「じゃ、彼氏は?」
「・・・へっ?」
原の唐突な発言に驚き、思わず裏声になってしまった。冗談なのか何なのかもわからず、固まってしまった。
「い、いませんよ!?」
困惑しすぎて否定の仕方がおかしいことに気付くまで時間がかかった。
「・・・いや、あの、ちがくて、、、」
うつむく優也の前に風が吹いたと思った瞬間。
唇が重なった。
原の両腕は優也の頭と背中を包み、柔らかくも強く締め付ける。
「んっ!!?」
驚きで目を見開いた優也の前には、黒縁メガネの奥の目を閉じて唇を重ねてくる原の顔があった。
鼻の下に、原の鼻息を感じる。
温かい。
優也だって18歳にもなる男。拒絶し、力づくで跳ね除けれることくらいできる。抵抗しないということが受け入れたという意思表示になってしまっていた。
それを理解してか、原の唇が優也の唇を擦りだし、しっとりとした柔らかい舌が入ってきた。
「んっ・・・」
今度は確実に嬉しそうな声を漏らしてしまった。
すると原の舌は更なる圧力で進入し、優也の前歯の裏側をなぞり始めた。
正直なところ、原に対し好感を抱いていた優也にとってみれば、むしろ思わぬ好機であった。直立したまま硬直していたはずの優也も、いつの間にか目を閉じて原の腰元にしがみつき、自分へと押し付けていた。
原は、二人の入り交じった唾液を吸い込むかのようチュイっと唇を離し、メガネの奥から優也を見つめた。
「は・・・原さん・・・なんで・・・」
「優也くんがゲイなのは知ってるよ」
「え?」
優也はもともと慎重な性格で、親は疎か周りの友人たちにも自分がゲイであるとバレないような行動をとっていたつもりだった。それがなぜ、たった二度しか会っていない原にバレてしまったのか、全く見当がつかなかった。
「・・・なんで・・・ですか?」
すると原は再び優也の顔に近付き、自分の額と鼻を、優也の額と鼻にピタリとくっつけた。
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