クッキーとは、ユーザーの閲覧先サイトと異なる広告事業者(サードパーティー)のサーバーが発行して、ユーザーのPCなどの中に作成するファイルのことですが、現在このクッキーをブロックするWebブラウザーが増えています。また、改正個人情報保護法(2022年4月1日施行)や改正電気通信事業法(2023年6月16日施行)などにより、プライバシー保護の観点からクッキーの利用が制限され始めており、2024年後半には全面的に廃止される予定となっています。
これにより、生活者のWebサイト閲覧履歴などに基づくターゲティング広告や、分析・効果測定が困難になるため、広告媒体社や広告主は、クッキーに依存しないデジタル広告戦略と施策の構築を急いでいるという状況があります。
こうした課題に対してロタメ社の提供するサービスは、ユーザー個人の閲覧履歴を追跡することなく、Webサイト来訪に関わる各種データの関連性を推定して統合することで、ユーザーの人物像を想定することができ、クッキーを使わずにターゲティング広告の配信や来訪ユーザーの分析が可能になります。今回、日本で初めて導入したサービスの特徴は下記の3つです。
1.個人情報を使わない
個人情報や、個人情報に関連する情報を用いないため、よりセキュアな状態での広告配信が可能になります。また、情報収集に関するユーザーからの同意を得る方法として、事前承諾に加え、通知・公表などの対応も可能に。すでにクッキー利用が廃止されたApple社のWebブラウザー・Safariでの利用も可能で、今後廃止予定のWebブラウザーでの利用も可能となる見込みです。
2.ユーザー像を仮想してターゲティングができる
ユーザーのWebサイト閲覧履歴を追跡することなく、ユーザーが提供を許諾した各種データ(Web経由・モバイル経由・インターネット回線に接続したテレビ端末の“コネクテッドTV”経由など)から、関連性があると推定した情報を統合して仮想ユーザーのIDを生成します。これにより、従来のクッキーを用いた配信のように、想定した見込み顧客への広告配信が可能になります。
3.Webサイト来訪ユーザーの属性を分析できる
Webサイトにタグを設置してWebサイト来訪ユーザーの情報を分析するとともに、IDごとに当てはまる「属性」を推定し、興味・関心等の複数の要素でユーザー像を分析することができます。
Webブラウザーからのブロックや法律整備により、サードパーティークッキーに依存しないターゲティング(追跡型)広告の配信・分析サービスの提供は急務とされてきたなか、DNPが日本初のサービス導入。今後どのように広まって活用されていくのか期待が膨らみます。