20秒ごとに変わる20枚のスライドを使った400秒のプレゼンテーション・スタイル。これが「PechaKucha Night」というイベントの基本ルールです。東京を拠点に活動している建築デザイナー、クライン氏(写真右)とダイサム氏(写真左)による企画で、2003年にスタート。今では世界600を超える都市で「PechaKucha Night」のイベントが行われています。
クリエイターが自分の作品や活動についてプレゼンする、ということが多いようですが、テーマの制限も参加者の条件もなし。旅の思い出や日常生活で発見したことを語る、といったプレゼンでもいいようです。建築家たちは話し出すと長くなるから、このフォーマットを考えた、というのが20枚×20秒の始まりだとか。
「PechaKucha」というのは、日本語の「ぺちゃくちゃ」に由来するもの。見ているほうもビール片手にプレゼンを見ながらぺちゃくちゃしゃべって楽しもうよ、という趣旨なのだそう。
2月にちょうど10周年、東京では100回目を迎えた「PechaKucha Night」に行ってみました。
アニバーサリーのイベントということもあり、会場である六本木の「SuperDelux」はすし詰め状態。参加者の約半数はノンジャパニーズという、ちょっと不思議な雰囲気。進行もプレゼンも、日本語と英語とどちらも使いながら、という感じでしたが、スライドを見ながらということもあって、英語に自信がなくても、ちゃんと付いていけましたよ。
ちょうど東京マラソン直前、ということで、サイバーランナー(?)のジョセフ氏は、マラソンにかける熱い思いを語ってくれました!
参加して感じたことですが、この20枚×20秒、というスタイルが秀逸。7分弱のプレゼンで20枚のビジュアルがついているので、参加者は飽きることなく話に集中できるのです。
おそらく話す側にとっても、20秒で変わるスライドがタイムキーパーの役割になって、間のびすることなく話せますよね。与えられた時間の最後のほうで「あと30秒」なんて言われて、肝心なことが話せず終わる、なんてプレゼンによくある失敗パターンを踏むこともなく、上手に進行できる。シンプルなのに本当にうまく計算されたフォーマットです。
公式サイトには過去の「PechaKucha Night」のアーカイブもあります。でも、実際に参加してみるのがおすすめ。会場が一体となってワイワイガヤガヤしゃべっている感じがとても楽しいし、20枚×20秒を体験することで、ビジネスのプレゼンのヒントもつかめそう。行かない手はありません!
六本木の「SuperDelux」では毎月1回。そのほか、長野や名古屋、沖縄など、日本各地でも開催されているようです。次回の東京は、3月27日です。
(文/ミヤモトヒロミ)