最新作『Blood Father(原題)』でメル・ギブソンが演じるキャラクターに近いケンカ相手を探しているのであれば、まず初めに彼の相手をするべきだろう。

ジャン=フランソワ・リシェが監督する本作で、ギブソンは長い間疎遠だった娘が突然、穏やかではない理由で自分の目の前に姿を現す、前科犯のタトゥー・アーティスト、ジョン・リンク役を演じる。

エリン・モリアーティが演じる彼の娘は、長い間父親と会っていなかったが、ディエゴ・ルナ演じるドラッグ・カルテルの統率者が彼女の命を狙おうとしていることから、突然、父親の前に姿を現す。

撮影の大部分をポスト終末論的な砂漠のセットで行った本作は、ギブソンが出演した1979年公開のアクションスリラー映画『マッド・マックス』を思い起こさせる。ギブソンは、本作で娘を守るために死闘を繰り広げた。『Blood Father(原題)』にはウィリアム・H・メイシー、マイケル・パークスらも出演し、ピーター・クレイグが脚本を手掛ける。

ジョディ・フォスターが監督した映画『それでも、愛してる』で、ギブソンが俳優としてのキャリアの方向転換を試みてから5年が経ち、また、公共の場でいくつかの失言をした。『Blood Father(原題)』は、ギブソンのキャリアの為に医師が手配してくれた処方箋かもしれない。『それでも、愛してる』の後、シルヴェスター・スタローンと共演した映画『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』を含め、たった3本の映画にしか、彼は出演していない。

批評家のオーウェン・グレイバーマンは、本誌ヴァラエティに掲載された本作に関するインタビューの中で、「汚れた小さな安物のアクションスリラーである本作は、彼がまだやれるということを見せるためのチャンスだ」とギブソンについて述べている。

RSS情報:http://getnews.jp/archives/1489683