2016年2月に公開された映画『ライチ☆光クラブ』。古屋兎丸が演劇を元にマンガ化し、ベストセラーとなった『ライチ☆光クラブ』は、大人になることを嫌悪した少年たちが結成する“光クラブ”と、彼らが創作したロボット“ライチ”、そして光クラブの希望となる美少女“カノン”の刹那的な時を描く物語。その独特の世界観を映画として再現するのは、『先生を流産させる会』や夏帆主演『パズル』など、学生を主人公にした過激な作品を手がけてきた内藤瑛亮監督だ。人気若手俳優を起用したキャストも話題となった今作が、8月3日にDVDリリースされている。
内藤「(今作を撮るにあたって)一番の楽しみに感じたのは、ロボットのライチですね。僕はフランケンシュタインが好きなので、人造人間やモンスターの純愛や人間の感情が芽生える話を撮ってみたいと、以前から思っていました。少年たちの鬱屈した感情なども僕が過去作で描いてきたことで、その延長線上にある物語でもありますよね。過去を踏まえつつ、新しい挑戦もできるかなと思いました」
“裏の青春映画”とも言える若者たちの屈折した感情を描いてきた内藤監督。そのきっかけはなんだったのだろうか。
内藤「若い頃にマリリン・マンソンなどが好きだったのですが、彼が反社会的なことや暗い感情を歌にして歌う理由って、世の中にそういう感情を抱いている人間が自分以外にもいる、孤独ではないってことを伝えたいからなんですよね。そういう意味では彼の音楽は救いになっているはずで、僕自身も救われたと思う。だからライチも、そういう思いを込めて作っていました。」
“光クラブ”の面々には人気の若手俳優陣がキャスティングされたが、紅一点となる美少女カノン役の中条あやみの起用も話題となった。
内藤「古屋さんが描く女性は人間離れしているような、お人形さん的なかわいさが、スタイルにしてもあると思うんですよね。原作から抜け出したようなスタイルやルックスの子がいいなあと思っていたので、中条さんは一目見て、そういう印象でした。カノンのキャラ造形に関わってくるので、本当にハマリ役だと思います。とはいえ漫画の中のカノンはずっと椅子に座ったままで起こっていることを全部受け入れちゃうので、それを生身の人間が表現すると不自然になるのかなとは思いました。なぜ逃げないのか? さすがに男の子たちを怖がるのでは? と。だから、ちゃんと意思がある女性にしたくて、映画版のカノンとして目指していくにも外見と内面が一致した人だなと思いました。」
内藤「ある種、童話の世界みたいだなと思っていて、ここでメタファーとなっているものは、皆それぞれ受け止め方が違っていて、その時の気持ちによっても違うと思うんです。改めて観直してみると、自分の気持ちとフィットするところもあると思うので、新たな発見があるんじゃないかなって思います。」
あなたはこの物語をどう捉えるか? 映画『ライチ光☆クラブ』は現在DVD発売&レンタル中。どうぞお確かめあれ!
公式サイト:http://litchi-movie.com/
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