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『ミュージアム』大友啓史監督インタビュー「これでR指定無し。映倫の基準は興味深いね」
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『ミュージアム』大友啓史監督インタビュー「これでR指定無し。映倫の基準は興味深いね」

2016-11-12 01:30
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    “悪魔のアーティスト・カエル男”が創造する殺人美術館! 全3巻で完結しながらも、その過激な描写と緊迫のストーリー展開で目の肥えた漫画ファンを中心に話題になり、熱狂的な支持を受ける巴亮介作の超戦慄サイコスリラー漫画「ミュージアム」。

    『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督と主演・小栗旬さんがタッグを組んだ映画『ミュージアム』が、いよいよ11月12日より公開となります。今回ガジェット通信では、大友監督にインタビューを敢行。作品について、「このゴア描写で年齢指定無し大丈夫なの!?」などなど、色々とお話を伺ってきました。

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    ―映画、大変楽しく、スリリングに、震えながら拝見しました。まず驚いたのが「この内容でR指定無し?!」という所なのですが。

    大友監督:驚いたでしょ? 俺も最初はR-15だろうと思ってたから。でも観て、どうでした? 手加減してなかったよね?

    ―もう過激も過激でしたよ(筆者、全力でうなずく)。

    大友監督:小栗旬にも「生温いもの作ったら許さない」って脅されてたし(笑)、あの原作だったらR指定は確実だと思って思い切り作って、でも出来上がってレーティング無しって聞いてビックリしたよね。どうも直接的な表現が無ければ良いみたいですよ。『秘密 THE TOP SECRET』はPG12だったのね。死体があったとしても、そこに至るまでが直接描かれていなかったり、裸が無ければOKらしい。映倫の基準っていうのは興味深いね。

    ―私は原作も読んでいましたし、個人的にホラーやサスペンスもよく観るので、耐性はある方だと思うのですが、それでも結構キツかったので。もちろん褒めてます!

    大友監督:ありがとうございます。良かった。だから、ポスターには「危険」ってマークつけてもらったの。誰でもご覧になれますが、気をつけてくださいってね。原作がかなりキテる内容なもんで、最初はどうしようか迷ったんですよ。

    ―監督がコミックを読んで、実写化する際、一番懸念した点はどこですか?

    大友監督:デヴィット・フィンチャー監督の『セブン』なんかは、聖書をモチーフにしていて、そこにサスペンス描写が入る所がすごく面白くて受け入れられた部分だと思うのだけど、日本にはそういったバイブルが無いから。かなり迷いました。日本はもともと、アニメや漫画のカルチャーに影響を受けている人が多いと思うのですが、それを中途半端な気持ちやると、よくありがちなホラー気取りの作品になってしまう。そうはしたくなかった。

    ―「カエル男」も少し間違うと、コミック的すぎるキャラクターになってしまうかもしれませんものね。

    大友監督:そう。だからカエル男の造形にはかなりこだわった。原作の絵のまま実写化すると、ちょっと可愛くなっちゃうんだよね。お店とかで売ってるパーティグッズの着ぐるみみたいなさ。漫画はあのデフォルメさが不気味さを醸し出しているのだけど、実写にした時にもっとリアルなカエル感を出したいと思った。それで美術さんや造形監督とは何度もカエルの写真を交えて意見交換してね。目が横についててギョロッとした感じの。質感もちょっとぬめっとした感じというかな。すごく気に入っていますよ。

    ―カエル男の正体が妻夫木聡さんというのもサプライズでした。

    大友監督:まさかって感じでしょ。でも妻夫木君ってもちろんハンサムだし好青年だし爽やかなんだけど、なんていうかな、演じることに関してはイッちゃってる人だから(笑)。あの真っ直ぐな目が、こういう題材には映えるなと思って。後はある程度の身体能力が必要で、沢村刑事を演じる小栗君との身長差もちょうど良かった。映画の中では長い時間かけて特殊メイクした苦労のおかげで、映画でしか見れないカエル男になっていますので、お楽しみに。

    ―小栗さんの沢村刑事も素晴らしかったです!
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    大友監督:小栗君はこの映画で一緒にやる事になって、かなりの意気込みで役作りしてきてくれましたね。沢村刑事の役は、熱血漢だけれど家庭をないがしろにしがちな男。小栗君は家族とすごく仲が良いから、撮影期間中はあえて別に暮らす様にして、自然に出てしまう幸せな満たされているオーラを消す様にしていたそうです。

    ―素晴らしい意気込みですね。そんな小栗さんの役者魂があって、さらに監督から「こう演じて欲しい」とお願いする様な部分はあったのでしょうか?

    大友監督:そんなに特別なことは言ってないかな。普段は役に入りこんでもらうために色々仕掛けていくんだけど、この原作の場合、あまりにのめり込んでいくと実生活にも影響が出て来るというか、いきすぎてエンターテイメント性が薄くなってしまうかと思って。心身ともに健康な役者さんじゃないと、こういう作品は逆に思いっきり振り切ることができませんよね。イヤ〜なテーマであっても、ちゃんとエンターテイメントになるんですよ。

    ―なるほど、だから私も映画を観ている最中は追い込まれるくらいのめり込んでいたのに、観終わった後は「これ、面白すぎ!!」ってテンションあがってしまったのだと思います。最後に、ここだけは見逃すな!という監督のイチオシシーンを教えていただけますか?

    大友監督:ラストシーンかな。本当の本当のラストね(監督、仕草をマネするが、ネタバレになるので割愛)。あのシーンは脚本を書いているうちに思いついて入れて、自分でも「これはいけるだろ」と思った(笑)。カエル男が決して創作の中だけのキャラクターだけでは無くね、現代社会にはこういった事もあり得るんじゃないかという、そういったメッセージを伝えたい気持ちがあったから。

    ―今日は貴重なお話をどうもありがとうございました!

    【関連記事】映画『ミュージアム』のカエル男が編集部に“私刑”執行しにやってきた! 「さあ、お前の罪を……」
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