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家庭のニオイが子どもの集中力に影響!? P&Gと杏林大学名誉教授の共同研究で明らかに 
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家庭のニオイが子どもの集中力に影響!? P&Gと杏林大学名誉教授の共同研究で明らかに 

2016-12-19 17:00
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    普段は気にすることが多くはないと思われる、家庭のニオイ。とはいえ、リビングでの食べ物を料理した時に残るニオイや、体臭・汗臭、ホコリやエアコンのカビ臭など、知らず知らずのうちに部屋にこもっている不快なニオイで充満しているかもしれません。このほど発表されたプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)と古賀良彦杏林大学名誉教授の共同研究“家庭における不快なニオイが子どもの集中力に及ぼす影響”によると、都内の一般家庭22軒での調査で、100%の家庭にニオイがあり、そのうちの82%でニオイの分類ができる程度の強さだったことが判明。それがリビングで勉強する子どもの集中力に影響しているという結果になりました。

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    調査結果の発表会で、まず「ニオイは、視覚や聴覚よりも動物的な感覚。危険でないと判断されると安心してニオイを忘れてしまう」とその習性を語った古賀名誉教授。今回の調査では、子どもの集中力低下が指摘される中、99%の子どもがリビングでの学習経験があることを踏まえ、「気づいていない家庭の不快なニオイが子どもの心身に影響を与えているのではないか」という仮説のもと、脳科学と心理学の側面から多次元的に検討したということです。

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    リビングで判定された不快なニオイとして挙げられたのが、食べ物が酸化した油臭、体臭・汗臭、カビ臭など。これらのニオイは、生活している人のほとんどは気づいていないといいます。

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    実験では、P&Gの監修のもと臭気判定士が香料などを用いてニオイを再現。それシャーレに置いた布に塗っておきました。筆者も嗅いでみましたが、原液は想像以上に強烈で不快なニオイでした。

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    まず実験では、『VAS(バス)』と呼ばれる集中力を測るアンケートと、集中力をみることができる『内田クレペリン検査』での計算テストを、蒸留水だけを置いたニオイのない部屋と、シャーレを置いた不快なニオイありの部屋で実施。その両者の結果を比較しました。

    その結果、アンケートでは「やる気」「気持ちのおだやかさ」「集中力」など11の項目で不快なニオイがある時に数値が悪化。古賀名誉教授は「不快なニオイがあるとイライラしてしまい集中力が下がる。油臭で気持ちのおだやかさが下がり意欲を低下させている」と分析します。

    また、集中力のテストでは、特に汗・体臭があると点数が明確に下がるという結果になっています。特に小学校6年生に限ると平均マイナス4.7点下がっており、古賀名誉教授は「思春期に差し掛かるとより気になるのでは」と分析します。

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    さらに、6名の小学4・5・6年生を被験者に実施した脳波測定では、集中力の指標となる脳波“P300”が汗・体臭があると10.8%もダウン。

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    ニオイなしで計測した方が、不快なニオイありよりも明らかに“P300”が大きいということが測定されています。

    これらの結果を踏まえて、古賀名誉教授は「不快なニオイは主観的な集中力を低下させ、テストのスコアを低下させ、脳波“P300”を低下させることが明らかになった」と結論づけています。これは世界で初めて明らかになったとのこと。

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    発表会では、実際に被験者となった小学生2人とそのお母さんも出席。リビングで勉強する理由について「分からない時にはすぐにお母さんに聞ける」と話した松本くんは、アンケートとテストを受けた部屋について「最初入った時に変なニオイがあると感じたけれど、鼻が慣れて出るときには気にならなくなった」といい、試験の結果について横山さんは「あまり変わらないと思っていたのでびっくりしました」と語っていました。

    一方で、お母さんたちは「ニオイまでは気にしていなかった」「結果に驚いている。子どもたちのために良い環境を作っていきたい」と話しました。実際、実験の結果を受けて家庭のニオイケアに積極的になりたいという答えが99%となっています。

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    では、実際に家の中のニオイ対策をどうすればいいのか。レクチャーしたのは臭気判定士の富樫真生さん。「特に冬場の暖かい部屋ではニオイ分子の動きが活発になるので、ニオイ対策が重要になります」と強調しました。

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    富樫さんによると、家庭の不快なニオイの発生源はカーテンやカーペット、壁紙やソファーなどの布がほとんどで、布がニオイを吸い込んで吐き出しているのが原因だといいます。家によってニオイが異なったり、外出してから帰ってきてから違ったニオイを感じたり、掃除をしても不快なニオイがなくならないのは「布が呼吸しているから」で、カーテンなど洗うことのできない布製品からだといいます。

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    そのため、大きな布製品にはこまめに消臭・除菌スプレーをかけることがおすすめとのこと。表面が全体的にしっとりする程に十分スプレーをすることがコツで、カーテンやカーペット、ソファーなどは布がしっかり濡れるまで20回ほど均等にかけることが重要といいます。

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    家庭、特にリビングの不快なニオイが子どもの集中力を下げるということが分かった今回の調査。子どもがいる家庭はもちろん、リビングにいることが多いという人も、より消臭に気を配る必要がありそうです。

    ファブリーズ「実験 ニオイで子どもの集中力が変わるのか?」(YouTube)
    https://youtu.be/KnkHAQLfJBA

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