TPPには反対と言わざるを得ない

今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~』からご寄稿いただきました。

※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/319805をごらんください。

■TPPには反対と言わざるを得ない
この数週間TPPについてめっちゃ調べて考えた末に自分の中で、結論が出ました。

ズバリ私はTPP参加に反対です。

理由は以下の通り。

●第一:TPPはグローバルな枠組みにはなり得ない。
→ TPPの目的は一言で言えば「アメリカ主導で世界の経済ルールを統一化するための第一歩」というところだと思う。もちろんそのルール作りの過程で日本が口を出すことも出来るが、どう頑張ったところでTPPは世界標準になり得ない。アメリカが強く希望する国営企業の公正競争条件や医薬品に関する知的財産のルールを中国やインドが飲むはずがない。TPPはどんなに大きくても、日米+EU+αの枠組みにしかなり得ない。
(この辺の詳細事情は先週のメルマガをご参照してください。*1)

*1:『うさみのりやのアメブロでは書けない話』
http://www.mag2.com/m/0001600153.html

●第二:TPPを推進しすぎるとその反発で中国、インド、ロシアという危険な組み合わせが生まれかねない

TPPには反対と言わざるを得ない

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)

http://px1img.getnews.jp/img/archives/04115.jpg

→ 特に中国を中心にBRICS諸国はTPPを先進国主導の貿易ルール作りの動きとして非常に警戒している。あまりTPPを押し進めて世界展開しようとすると、その反作用でBRICS諸国の結束を強めかねない。先日もBRICS開発銀行が発足したばかりだ。そしてその中心に居るのは中国だ。中国という人権を蹂躙する独裁国家中心の国際的な枠組みが出来上がるのは、世界にとって不幸である。

上の世界地図を見れば一目瞭然だが、ロシアと中国とインドは地理的にも非常に近接していることも考慮に入れる必要がある。最悪のシナリオとして、BRICS連合でアフリカを乱開発して搾取しまくるというケースも考えられる。別に中国に限らず、ロシアやインドだって、まだブラックな国だということを忘れてはいけない。

●第三:代替手段がある
→ TPPに参加しないことによりアメリカとの外交関係が悪化することや、アメリカ市場を失うことを恐れる懸念はよくわかる。ただ日本の立場からすればTPPに固執せずとも次善の案として、日米FTAでも結べば良い。農業の関税が問題だと思うなら、国内で議論して勝手に下げればいい話。それが自力で出来ない国なら日本はどれだけ情けないのか、という話。

ただ民主党政権が日米関係をぼろぼろにした現状では、日本がTPP交渉に参加せざるを得ない立場であることも良くわかるので、安部首相にはできれば面従腹背でTPP交渉に臨んでいただいて、裏でロシアやインドと交渉を進めて、最終的にはアメリカとの関係を保ちつつも、日印露あたりで中国を囲い込むようなダイナミックな戦略を立ててほしいと思っています。

ではでは今日はこんなところで。

執筆: この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年04月11日時点のものです。

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