電子情報技術産業協会(JEITA)が、2014年1月分の移動電話国内出荷統計を発表した。読売新聞はこの調査結果に「ガラケー出荷、スマホを上回る……国内メーカー」と見出しをつけて報じたが、読者からは「『iPhone』と『GALAXY』が含まれない調査結果に何の意味があるのか」とツッコミが入りまくっている。
JEITAのリリースによると、1月の携帯電話国内出荷台数は201万5000台。内訳はガラケーが102万1000台、スマートフォンが92万4000台、PHSが7万台。スマホが前年同月と比べ0.5%の微増だったのに対し、ガラケーは27.6%増(読売の16.4%という数字は表組みを読み間違えていると思われる)と好調さが目立った。
ただし、この調査結果には、現在最も売れているアップルの『iPhone』や、サムスンの『GALAXY』といった、海外メーカー製スマートフォンは含まれていない。
そこで、海外メーカー製スマホを含む出荷台数の月次調査を探してみたが見つからなかったので、やや古くなるが、参考までにIDC Japanが発表した2013年第4四半期(10~12月)の調査結果を示す。
上図はガラケーおよびスマホのシェアをグラフにしたもの。アップルだけで4割、サムスンは「その他」に含まれてしまっているが、この2社だけで国内携帯電話の5割近くを占めるわけだ。国内上位4社(シャープ、富士通、ソニー、京セラ)が束になってかかって、やっとアップルといい勝負、しかもパッと思いつく国産スマホといえば『Xperia』か『AQUOS』ぐらいしかない現状で「ガラケーがスマホより好調」と言われても……。むしろ「国産携帯壊滅」と表現したほうが正しいのではないだろうか。
先の、海外メーカー製スマホを省いた調査結果をまとめたJEITAは、会員(私企業)からの会費の徴収と、IT産業に関連する調査資料の販売や戦略立案などで儲けている一般社団法人(天下り団体とも)だ。オシャレ(笑)な横文字の肩書を与えるとすると、「コンサルタント」とか「アナリスト」といったところか。しかし、“敵”を知らない情報を基に戦略立案をしたところで、一戦も危ういというものだ。
画像:JEITAおよびIDC Japanより引用
JEITA:http://www.jeita.or.jp/japanese/[リンク]
IDC Japan:http://www.idcjapan.co.jp/top.html
※この記事はガジェ通ウェブライターの「ろくす」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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