こんにちは。桜の季節、春の新生活がスタートした人も多いかと思います。就職、転職、転勤などの節目では「これから働いていくと、どうなるんだろう?」と気になりますよね。
季節が変わっていくように、年齢とともに社会での立場や求められる内容も変化します。大きく4つに分けて、年齢ごとに変わっていく"働く上での立場と役割""加齢による心身の能力の変化""個人生活で起きる出来事のストレス"をまとめて紹介しましょう。
■新人(20~30代)
社会面
社会人として、年齢の違う上司や、違う環境からきた同僚らと協力して仕事をすることになります。職場での役割や責任に対して、「もっと自分に合った仕事があるのでは?」「こんなはずじゃなかった」という気持ちから"入社3年以内に離職"といった現象も起きます。
能力面
新しいことを吸収する力が最も高く、体力もあります。精神的に未成熟な部分が多いために、人間関係やコミュニケーションの面で問題を抱えがちです。心が折れやすい世代でもあります。
個人生活面
一人前の大人として「自立」することがテーマ。働くことを通じて、自分に何ができるかを知る時期です。「彼女と結婚しようか、どうしようか」など、異性との交際がストレスになることもあります。
■中堅(30~40代)
社会面
働き盛り。第一線でバリバリ仕事をする時期です。自分の仕事をしながら部下を管理する『プレイングマネージャー』の役割も兼ねるようになります。結果、仕事の負担が増え、ストレスが多く過重労働しがちな世代です。
能力面
新しいことを覚えつつ、経験を生かすことが可能になってきます。今の職場への不満からの転職や、ヘッドハンティングなどもある時期です。仕事の能力だけでなく、違う職場での人間関係や環境に迷うことも考えられます。
個人生活面
結婚や出産、転勤、転職など、人生の転機を迎える人が多い時。家庭がうまくいっていれば仕事のストレスが癒やされますが、家庭内不和があるとかえってストレスになる…というデメリットも。”産後の職場復帰”や”待機児童問題”なども含め、自分のキャリアや家庭との両立、働き方を再検討したりする時期でもあります。
■ベテラン(50~60代)
社会面
ベテラン世代として頼られる時期。本格的な管理職として、マネージメントのスキルを求められるようになります。管理職では「うまく指導・管理ができない」と悩む人も多く、新たなストレスとなります。先輩・上司としての指導的な立場と、自分の更なるスキルアップ・業績向上が課題です。
能力面
記憶力や新しいものを覚える『流動性知能』は、この世代から低下していきます。精神面では、仕事の疲れとともに、『中年期の危機』とも呼ばれる、精神的なむなしさを感じる時期と重なります。
個人生活面
家庭では子どもの進学や就職、住宅の購入、親の健康問題などが浮上してきます。体力も落ちるので、不摂生による生活習慣病やメタボなどもリアルな悩みに。女性は更年期もはじまります。家族の問題に取り組みつつ、自分自身の体調管理にも気をつけていきたい世代です。
■シニア(60代以上~)
社会面
定年制度の見直しや延長に伴い、「65歳を過ぎても働く」人が増えています。専門職などで自分の仕事を極める人、再就職、起業といった新たな人生をスタートさせる人も。超高齢社会となった日本では、『生涯現役社会』を実現することが必要となってきます。
能力面
新しいことを覚える『流動性知能』は低下しますが、今までの知識や経験を生かす『結晶性知能』は発達します。若い世代へのアドバイスや相談、技術やノウハウの継承なども大切な仕事になります。
生活面
体力・反射神経・免疫力など、体の機能が低下する時期なので、病気やけがなどに注意が必要です。家庭では、子どもの結婚や孫の誕生、伴侶や親族の病気や死などの体験に伴うストレスも。自分の死も含めた、体調管理や病気との向き合い方が重要です。
●『結晶性知能』は年を取っても衰えない
新しいことを覚えたり、環境に適応したりする能力を『流動性知能』、経験を生かした総合的な判断力を『結晶性知能』といいます。
流動性知能は30代をピークに60代まで維持され、その後は衰えます。一方、結晶性知能は60代に入っても上昇します。「年を取ったから新しいことができない」というわけではなく、むしろ年齢を重ねてからできる判断や理解がある、ということがわかっています。
年功序列や終身雇用制が崩れた今、どんな職業についても、先のことはわからない時代です。でも「経験を積むことは、年を取っても役に立つ力を身につけること」と思うと、困難なことも無駄ではないと思えるのではないでしょうか。春、新しい環境で戸惑う人も多いかと思いますが、体調に気をつけて、今のことに取り組んでいきましょうね!
参考:メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト
※イラストは著者作成
※この記事はガジェ通ウェブライターの「相澤マイコ」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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