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STAP事件簿08 世間の参戦(1)「あり得ないコピペ」??(中部大学教授 武田邦彦)
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STAP事件簿08 世間の参戦(1)「あり得ないコピペ」??(中部大学教授 武田邦彦)

2014-04-14 16:00
    STAP事件簿08 世間の参戦(1)「あり得ないコピペ」??(中部大学教授 武田邦彦)

    今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

    ■STAP事件簿08 世間の参戦(1)「あり得ないコピペ」??(中部大学教授 武田邦彦)
    STAP事件では、相変わらず日本社会が情緒的で、リンチ的であることが露見した。マスコミの問題だけではない。

    それは、「コピペ」が「絶対にしてはいけない悪いこと」というのが前提で事件が進んだことでわかり、その大きな理由の一つが、学生や若い研究者、また文科系の人が「科学の執筆物の著作権と社会への貢献」という勉強も体験もないことが大きかった(未知が野蛮な社会をリードする)。

    「コピペが良いことか悪いことか」は「自然科学の著作物」の「権利と名誉」はどうなっているかによる。情緒的な判断や自分勝手な倫理は学問的ではない。

    1)18世紀まで「人間の知の活動」の成果は人類共通の財産として常に解放されていた。文学などを含む。学者にとっても自分の業績が人類共通の財産になることが誇りだった(例外はある・ニュートンに代表される)。

    2)ヨーロッパ社会の進展とともに、成果の権利について例外を設けたほうが良いということになった。

    3)例外は「著作権」と「特許権(意匠権などを含む)」の2つで、それ以外は「人類共通の知」ということで「公知」と言う名前になっている(公道、公海、公園などと同じ。断らなくてもだれでも使ってよい知)

    4)現在の日本でも同じで、例外は「著作権」と「特許権」だけである。でも、それはあくまで個人の利益のためではなく、社会の発展のためのベストな選択という意味である。

    5)多くの人が誤解しているが、「著作権」というのは「書いたから俺の権利」ではなく、「思想又は感情に基づく創作物で表現されたもの」に限定されている。

    6)通常の理科系の著作は、「思想又は感情」に基づいていないし、「創作物」でもないので、著作権はない。裁判の判例もそうである。

    7)「著作権がない著作物」は公知であるから引用は不要である(これも多くの人が間違っている。著作権法32条は著作物に限り引用が必要とされている)。著者は公知になって無断で利用してくれることを望んでいるはずである。

    8)論文を書いたり、ネットに出したりする行為は、もともと「公知にしたい」という意思の表れだから、どんどん無断で使ってよい。それが嫌なら論文やネットに書かなければよいので、自分の頭の中のものを知られたくないという権利は十分に保障されている。

    9)理科系の知の成果で、自分の権利にしたければ、特許を申請することができるし、論文を書かずに特許だけ書けばよい。その代り特許では「特許請求の範囲」という権利の範囲を明示して、その審査に合格する必要がある。

    10)「倫理」と言う点では、社会の認識と反対だが、無断で引用するほうが倫理的である。つまり「人類共通の財産」を認め「公知」であるという法律に従っているからだ。引用しなければならないというのは法律より村の掟を上位に置く思想だから危険。

    なぜ、人類の知の成果は「公知」が原則かと言うと、そのほうが人類全体が繁栄するからという理由と、人類が「自分、自分」というと争いになるので平和に向かうために「共通財産」をそのままにしようという考えがあるから、と言える。

    オリンピックも「勝つために参加するのではなく、参加するのが意義がある」と言われるのは、「国別対抗」などにならないようにしている。今でもIOC(国際オリンピック委員会)は「国別メダル数」などは出していない。あれは商業主義のマスコミが集計しているだけだ。

    私は論文を出したり、ものを書いたりする時には、「公知になって欲しい。多くの人の参考になれば」と思い、人類共通の財産を提供するつもりであり、決して「自分」ではない。

    学者は憲法で学問の自由が保障され、教授は身分まで守られている。その恩返しをするのは日本人として当然だ。もしお金や権利が欲しければ、特許を申請して論文を書かなければ良いのだから、これも簡単なことだ。

    ところでこれは数回後に欠く予定だが、「学校の先生がコピペはダメと言った」という学生の話を放映するテレビもテレビだが、「人類共通の財産を故意に使わせない」という先生の意図は「文章が下手だから訓練させる」ということであって、教育上の罰のようなものである。

    でも相当な先生でも、論文に権利があると思っているし、「引用しないと失礼」とか「他人の文章を利用するなんて!」という人がいるが、学者なのに論理的にものを考えず、直感的、村の掟優先する人がいるから、いざこざが絶えず、結果的に戦争になる。(人類共通の財産と言うことを理解できず、所有権ばかりを主張している)

    その人は公園のベンチに座るときに市役所に申請書をだすのだろうか? 公園のベンチも苦労して作った人がいるのだ。ずいぶん、わかりやすいと思うけれど、著作権法は法律だから自らの倫理観より社会的には優先する。

    コピペを批判する学者は「思想または感情に基づいて」理系の論文を「創造」しているのだろうか?

    執筆:この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2014年04月14日時点のものです。

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