「少子化は悪いことだ」という硬直的な考えの源流(中部大学教授 武田邦彦)

今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

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■「少子化は悪いことだ」という硬直的な考えの源流(中部大学教授 武田邦彦)
先日来、2か所(結構、レベルの高い会議だったが)で「少子化対策」という議題がでた。今後の「高齢化社会」に備えて「少子化対策」と「高齢者対策」を進めなければいけないということで細かい「対策項目」が提案された。

そこで私が1930年の「ピラミッド型人口分布=理想形と言われる」を示して、次のように質問した。

「少子化は悪いことだ」という硬直的な考えの源流(中部大学教授 武田邦彦)

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)

http://getnews.jp/img/archives/2014/05/p01.jpg

「この図にあるように、皆さんが理想形と言われる人口分布では、生まれた子供のうち、40歳になるまでに約半分の人が死にます。さらに65歳になる人は2割にも達しません。このような状態は長寿でもなく、哀しい社会ではないでしょうか」

「理想的な日本人の人生が「ピンピンころり」なら、人口分布は長方形になります。ピンピンころりの人生でできる人口分布で、日本社会がどうなるかを検討すべきです」

「日本は世界でもまれにみる人口密度が高い国ですから、このまま人口が減少して6000万人ぐらいになるのが世界的に良いと思いますが、なぜ現在の人口を保持しなければいけないのですか」

「生物が子供を作る原理はあまりよくわかっていませんが、集団の中で適正に子どもの数を調整するというのが現在の学問的結果ですが、人間の場合だけ当てはまらないという科学的根拠はありません」

この4つの質問に適切な回答はありませんでした。おそらくは「政府が言っているから」とか「年金問題があるから」、「女性が働きやすくなるから」などの理由とおもいますが、恥ずかしくて言えなかったようです。

にぎやかな子供が多いほうが良いのは確かですが、その国には人口減少の期間もあり、その時期にはやや子供が少なくなるので、もし人口の減少が適切ならば、なんとかその時期を切り抜けるのが適当です。

これまで「産めよ増やせよ」と言ってきたのは、「戦争で死ぬ兵士の数を確保する」のが第一目標でした。でもそれは現代では平和主義にも悖ります。現在の高齢者が健康で長生きをして、しかもピラミッド型の人口分布にするということになると、天文学的な人口密度になり、自然はすぐ破壊されます。

あまりに短絡的な議題が「重要な会議」で「真面目に議論される」のは気持ち悪い感じもします。また多くの機関や自治体で「少子化対策」をしていますが、思想や考え方はしっかりしているのでしょうか?

執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年05月23日時点のものです。

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