8月14日(日)の北海道公演を皮切りに8月25日(木)の大坂公演まで全国8都市で開催されたエステー主催の“2万人の鼓動TOURS ミュージカル「赤毛のアン」”。
記者は東京公演と福岡公演を取材した。
オーディションから合同合宿までのダイジェスト動画は5600分を超える総再生時間を数え、関心の高さを証明した形だ。
※参考記事
【動画あり】『ミュージカル・赤毛のアン』オーディションから合同合宿までを密着取材!見たい人にも出たい人にも全て見せます
http://getnews.jp/archives/1502680 [リンク]
本稿の写真は東京都福岡両公演のもの使っているが、特に区別はしていない。
ストーリーは同じだが公演地によりキャストが異なるのが特徴なので、見る環境も違えば観客の反応も違う。
まずは、東京公演のオープニングとカーテンコールの模様動画でご覧いただこう。
■“2万人の鼓動TOURS ミュージカル「赤毛のアン」”東京公演
https://youtu.be/gWsX4dNWEIU
昨年と多少の演出の違いはあるものの、基本的なストーリーは有名な赤毛のアンそのものなので、展開は誰にでもわかる。
しかし、小説やアニメーションと異なるのは目の前の演者さんの役柄に引きこまれてしまうことだろか。
昨年の公演でも笑い、涙を流し、感動を覚えた記憶が昨日のようによみがえってきた。
同時に、役柄のみならずその時代背景、情景、舞台に直接自分がいるような錯覚がミュージカルの魅力のひとつではないだろうか。
楽しい歌声と、じっくりと聴かせるセリフの繰り返しの中で観客は次第に舞台に引き込まれる。
また演者さんの特色を最大限に活かした演出は、他では絶対に見ることができないここだけのもの。
その一部は、福岡公演の動画でご覧いただくことができる。
頑張る子供をお応援したいというエステーの考えは、写真のようなちっちゃい子供がこの部分だけを何度も何度もぴったり曲と合うように練習していた成果によく現れている。
この写真の部分が、先に紹介した最高の演出部分のひとつ。
ダイアナが、いちご水と間違えてぶどう酒を飲んでしまうシーンだ。
酒臭いと大人が騒ぎ立てる中で、「消臭力」のCMソングをオペラ調で歌い上げるシーンはもちろん爆笑する場面。
こうして第一部は終了する。
第二部の幕開けは「観客の練習」からスタートする。
演者も、観客も、もちろん報道関係者も全員が参加するという前提になっているので、第二部の開幕シーンのお祭りで全員参加で踊らなければならない。でないと、参加証をもらえない決まりだ。
演者さんが観客席まで降りてきて一緒にミュージカルを作り上げている。
この観客参加型の練習や本番もなかなかあおり上手で、全員が楽しく参加していた。
しかし、このあたりから徐々に笑いが涙に変わる。
最終のシーンでは、観客席はすすり泣きの感動に変わり、閉幕となる。
それでは、福岡公演での囲み取材、オープニング、ハイライト、カーテンコール、ツアーズダンス、そしてオーディションから合宿、公演までを追い続けてきた飯島あやめさんのメッセージを38分30秒のダイジェストにまとめたので、ご覧いただこう。
■“2万人の鼓動TOURS ミュージカル「赤毛のアン」”福岡公演
https://youtu.be/pelIMbhGG9E
飯島さんは、合宿中は大学の試験が行われていたようだったが、東京公演の際に話を聞くと、「なんとかなりました!」と笑顔で答えてくれた。
福岡公演後のインタビューでは、札幌から福岡まできてあとは大阪を残すだけという状態で、「公演地によってお客さんの反応が結構違うことが驚きでした。場所によって盛り上がる場面が違うんですよ。土地柄ってあるんですね」と不思議そうに、しかしその顔は「やりきった、後は千秋楽を残すのみ!」という満足感に満ちあふれていた。
オーディソンでは緊張気味だった彼女も、本公演を重ねてプロのような充実した変貌を遂げたように思えた。
感動はどんなものであっても人の心を豊かにする。
それが動物であっても景色であっても、自己の体験であっても同じことだろう。しかし、人から与えられる感動はその暖かさが長く残るような気がした今年の取材であった。
※写真・動画はすべて記者撮影・収録
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか