こんにちは、マガジンハウスです。みなさんは、アップさせたい運気がありますか? 私はあります。金運です。金運を上げるグッズやおまじないなどがたくさんあることは知っているのですが、もっと前向きに取り入れられるものを見つけました! そう…食べるだけで運気を上げるという「開運飯」!
開運飯の生みの親、関好江さんは、ボルサリーノというコンビで活躍中の芸人さん。同じ芸人仲間にふるまってきた料理が、おいしさはもちろん、「運気を上げる!」と評判なんです。関さんの料理を食べてきた芸人さんをご紹介すると、その開運っぷりがわかるかと思います。藤井隆さん、博多大吉さん、椿鬼奴さん、トレンディエンジェルさん…。どうです、すごいでしょう? そんな魅力的な腕前の関さんが、初のレシピ本を作ったとのこと。あれやこれや伺いましょう!
―――関さん、初めまして! やっぱり料理上手な雰囲気が漂ってますね。本書を読むと、子どもの頃から民間伝承がお好きだったとありますが、何かきっかけはあったんですか?
関 「そういう家に育ったから、ですかね。母の実家の近くで、おじいちゃんおばあちゃんがうどん屋さんをやってて、私が風邪をひくと、母がいつもその店でネギを多めにしてもらうように頼んでくれてたんです。幼い私はそれを見て、『おっ?なんだそのネギは?』って気になって」
―――風邪にはネギがいいっていいますもんね。
関 「ええ。他にも、喉が痛いって言うと大根をハチミツに漬けたのを出してくれたりとか。そういうのを面白いって思う子でしたね」
―――興味の対象が、おばあちゃんの知恵袋的なものだったんですね。
関 「あと、私は基本、記憶が全部食べ物なんですよ。昔の写真を見ても、『あ、この時トウモロコシ食べた!』とか。久しぶりの人に再会しても、『この人、初めて会った時、すっごい銀杏食べてたな』とか(笑)」
―――名前より食べ物(笑)。
関 「そう。『あ、プリンが好きな人だ』とか。そういう記憶の仕方なんですよ、人も場所も」
―――食べ物に紐づけた記憶法って、なんかいいですね。そんな幼少期の関さんが一番好きだった食べ物は何ですか?
関 「小さい頃から今までずっとそうですけど、母のきんぴらがめちゃめちゃ好きです。うちの三兄弟、兄と弟も全員好きで」
―――さぞかし美味しいんでしょうね~。一般的なきんぴらとどこか違うんですか?
関 「結構、濃いめで辛いんですよ。鷹の爪もいっぱい入ってて」
―――関さんご出身は名古屋ですよね。名古屋って割と味が濃いイメージです。
関 「濃いですね、甘辛。食文化がちょっと独特なんですよね」
―――でもこの本には、名古屋っぽさはそんなに全面に出てないですね。
関 「そうですね。赤味噌使ったり、台湾ラーメンをアレンジしたり、はありますけど。というのも、楽屋に差し入れする時や後輩に食べさせたりする時、うちの事務所(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)は全国から芸人が来ているので、名古屋の味付けに偏らず色々と変えたりしたんですよ。うちの実家は、父親が濃い味つけの家で育ったから、母がそれに合わせようとして徐々に濃くしてって、そしたらみんな舌が慣れて最終的にめちゃくちゃ濃くなっちゃってたんです。それも私が、これはよくないって思って、今度はちょっとずつ薄くしてった(笑)」
この日出来立てのポスターを前にポージングする関好江さん。この本では、恋愛運、仕事運、金運、健康運、対人運、アップさせたい運気ごとに、関さんオリジナルの開運レシピが紹介されています。
―――初めて人にお料理をふるまったのはいつか覚えてますか?
関 「自分では、芸人になって芸人仲間がうちに遊びに来るようになってから料理を出すようになったと思ってたんです。でも、料理の仕事をさせていただくようになった時、学生時代の友人から連絡があって『昔よく好江ちゃん家で食べたよねー』って言われて、『あ、そうだっけ?』って(笑)。学生時代からやってたみたいです」
―――無意識のうちにふるまってた(笑)。もう、DNAに組み込まれてるんですかね。
関 「人に料理をふるまうっていうのは、子どものころの実家の影響もあるかも。近所の子が来ると『うちで食べていきなさい』って感じの家だったんで。あと家が通学路の途中にあったんですが、なんかうちに行くと麦茶がもらえるって小学校で広まって。気づくといつもうちの母親が全然知らない小学生に麦茶ふるまってました」
―――いい話ですね。その‟ふるまい”の遺伝子が受け継がれてるんですね。
関 「父親も、職人だったので、若い職人さんたちがうちでご飯食べてたり。人がいっぱいいるというのが自然だったんでしょうね」
―――私なんかは料理が苦手なのもあり、人に手料理を食べてもらうと手汗かいちゃうんですけど、料理上手な方って、人に手料理を食べてもらうと、やっぱり幸せな気分になるんですか?
関 「そうですね。でもまあ、相手によってはドキドキしますけど。『大丈夫かな?』って」
―――それは例えばどなたですか?
関 「(明石家)さんまさん…の時はすごくドキドキしましたね」
―――いきなりビッグネーム(笑)。召し上がってなんて?
関 「『うまい』って仰ってました。ホッとしましたね」
―――さっきも話に出ましたが、よしもとの芸人さんって、全国から集まってるじゃないですか。いろんな好みがあるだろうに、みなさんが「おいしい」って言うっていうのは、すごいなって思うんですよ。
関 「ありがたいですよね。それと不思議なのが、どの世代の方が召し上がっても『懐かしい』って(笑)。二十代の子にとっても、四十代の方にとっても、懐かしい味みたい」
―――今どき料理のレシピ本とはちょっと違う気がするんですよね…家庭料理の凝ったやつ、と言ったら乱暴かもしれませんが(笑)。
関 「いや、そうです。基本、醤油、酒、みりんでできてるんで(笑)。あと、赤味噌」
―――レシピは控えてるんですか?
関 「あの、控えてなくて(笑)」
―――じゃあこの本はどうやって作ったんですか(笑)。
関 「この本は…(笑)、自分でお料理作りながらお客さんとゲストの方とトークもしてっていうイベントをやってるんです。その時だけはレシピも配ってるんで、それと、あとは『どうしよう~』って必死に試作しました」
―――料理上手な方ってあんまり調味料とか量ったりしないですもんね。関さんの調理風景は拝見したことがないんですが、たぶんすごく手際がいいんだろうなと思います。
K(担当編集) 「すごいですよ。撮影に立ち合ったフードコーディネーターの方もびっくりしてました。この本の料理、全部で2日間で撮っちゃいましたもん」
―――おお、なんて効率のいい! 関さんのTwitterもすごくためになるんですよね。この食材はこういうパワーを持ってるから、こんな調理法で運気を上げよう、というのが、すごくわかりやすくつぶやかれてて。運気アップのために妙なものを食べるというノリじゃないのが好きです。
関 「ありがとうございます。私も薬膳を学んでいるのですが、いわゆる薬膳料理だとクコの実などちょっと手に入りにくいものも使うんですよね。だからこの本は、『これで健康運を手に入れるんだ!』とか力入れて食べるよりは、なんとなく、ランチ選びで『鮭にしよっかな、お肉にしよっかな』って迷った時に、『この後、合コンだから鮭にしよう』ぐらいのノリですね。
―――火のパワーを持つ赤い食材、そして若返り効果のある鮭ですね!(前のめり)
関 「そう(笑)。そういう選択ができるきっかけの一つになるといいなと思ってます」
薬膳インストラクターの資格も持つ関さんですが、料理は全くの独学だそう。とても明るくて優しいキャラクターゆえ、若い芸人さんが人生相談したくなるのも納得。
―――ところで、今をときめくトレンディエンジェルさんにも、下積み時代に差し入れされてたそうで。
関 「そうなんです。(写真を撫でながら)ほんとにねえ」
―――可愛いですか(笑)。
関 「はい、可愛いです♥」
―――例えば、まったく知らない芸人さんが、誰かの紹介でやって来たりすることもあるんですか?
関 「(森三中の)黒沢が、うちにすごく来るんですけど、知らない人をよく連れて来るんです。つい最近も、恋愛運と仕事運を上げたいという人を連れて(笑)」
―――よく当たる占い師みたいになってますね(笑)。ところで…こんな本を出したら、たぶん色んな人に聞かれることと思いますが、関さんご自身がアップさせたい運気はないんですか?
関 「ありますよ! いっぱいありますけどね!(笑) いま一番アップさせたいのは…やっぱりお仕事ですかね~~」
―――となると…?
関 「鶏肉ですかね(笑)。仕事がうまくいくと、全部うまくいく気がするんです」
―――あら、女性ってむしろ、プライベートが充実すると他もうまくいくと思いがちなんじゃないですか。
関 「え、そうなんですか? なんか…そうか…いま勉強になりました…だから結婚できないのか(笑)」
―――いつでもいい奥さんになれそうですよ。
関 「備えはバッチリなんですけどねえ。子供3人ぐらいいそうな感じなんですが、雰囲気的には」
―――ではそんな関さんがこの本の中で推したいメニューは?
関 「やっぱり<味噌おでん>ですかね、名古屋風の。これは自分でも大好きです」
―――味噌おでんは…対人運アップか。関さん全然必要ないですよ!
関 「芸人さんに聞いてもリクエストが一番多いんですよ~(笑)。しかしこうして本を見てみると、茶色いメニューが多いですね」
―――でもいま、茶色いお弁当とかおかず、流行ってるんですよ。おいしいものは茶色い。
関 「そうなんですか。(味噌おでんを見て)すんごい茶色い(笑)」
―――ド茶色ですね(笑)。
関 「これ、若手の楽屋にドーンってタッパーに入れて持って行ったら、みんなが『わーっ、カレーだ~』って大喜びで寄ってきて(笑)。違う違う、大根入ってるだろって」
―――でもこれ、楽屋に持ってったらすぐ売り切れちゃいますよね。対人運上げたいのに争いに発展したりしたりして(笑)。
関 「確かに、みんなで争うように(笑)。最後は味噌だれにおにぎり付けたりして、きれいに食べてくれました」
―――いいないいな、関さんの来る日に楽屋に行きたい!
今週の推し本
『食べると人生が変わる! 開運飯』 ボルサリーノ 関好江 著
ページ数:84頁
ISBN:9784838728824
定価:1,404円 (税込)
発売:2016.09.15
ジャンル:料理