語学留学といえば聞こえはいいが敷居は高い。
そこで、記者が3週間の滞在を、3回繰り返すいわば『分割留学』をしながら、時系列で語学留学の実際をレポートする『セブに分割留学!』。
第7回からは1週間の帰国を経て再度渡航して第2期目に突入。2学期と題してお届けする。今回のテーマは飛行機と観光。
分割ということは何度も往復しなければならないということになる。それだけ飛行機代がかかるのでいかに安く、かつセブだけではない都市での観光もしたいという欲望を同時にかなえる方法を考えて実践してみた。
いまどき旅行会社を探してみても昔のようにIT運賃(平たく言えば団体運賃)のばら売りなんて航空券はあまりない。よく注意して観察してみると、そのほとんどが航空会社の正規割引運賃だ。であれば、航空会社で直接購入しても大して値段は変わらない。
結局のところ、安い運賃を提供する航空会社はLCC(ローコストキャリア)ということになる。記者がいろいろ調べてみたところ、東京からセブまで直行便がある航空会社は数社あるが、どれも高い運賃だった。LCCなのにレガシーキャリア(従来のフルサービス航空会社)の正規割引運賃よりも高いというところもあった。
LCCの運賃は基本的に「1区間いくら」なので、トータルで安ければ結果的にストップオーバー(途中降機)になろうが、オープンジョウ(往路到着地と復路出発地が異なる航空券)になろうが何ら問題はない。
記者がセブに到着しないといけない日取りでは、セブへの直行便はないものの首都マニラに飛んでいるジェットスター・ジャパンとフィリピンの国内線を組み合わせるのが最も安い行程となった。そもそも物価が安いので国内線は安い。片道5000円台というのを見つけたので即予約。もちろん、LCCは予約時期により運賃が刻々と変わるので各社のメルマガに登録する等、プロモーション運賃の情報収集を怠ってはいけないのは言うまでもない。
仮に往路がそれほど安くなくても復路で安い運賃を見つければ、あるいはその逆であれば、トータルで安くなる。安い運賃の日まで待つ間に時間調整でマニラに滞在してもよい。実は記者も復路は時間調整でマニラで丸1日時間がある。
いずれにせよ、これで自動的にマニラに1泊することになるので、その気になればマニラ観光を楽しむことができる。
成田空港の第3ターミナルは、国内線も国際線も、到着も出発もすべて同じフロアという全国的に見ても珍しいターミナルだ。各地からのリムジンバスだと最後に停車するので少々時間はかかるが、最初に停車する第2ターミナルで下車して歩いても500メートルほどだ。鉄道利用の場合は、同様に空港第2ビル駅から歩いてもよいが、空港内無料シャトルバスを利用すれば、リムジンバスよりも近いターミナルの真下に到着することができる。これは、保安区域内にバス停があるので、シャトルバスしかターミナル下には乗り入れができないためだ。
3時間前からチェックインが始まるので、早めに搭乗手続きは済ませておきたい。旅慣れた人はギリギリなんてことはLCCには通用しない。締め切りを過ぎれば予約していようが運賃を払っていようが乗せてはくれない。それがルールだ。
早めに搭乗手続きを終えておけば、ターミナル内のフードコートで食事をとることもできるし免税店でゆっくり買い物をすることもできる。
ボーディングパスを手にしたら、国際線の方に進んで保安検査を受ける。
旅券は出国審査の時に限らず、搭乗時まで必要なのでボーディングパスと一緒にすぐに出せる場所にしまうとよい。
まず保安検査場で旅券とボーディングパスのチェックがある。出国審査も同様だ。
免税店での買い物では商品の輸出確認をするためにボーディングパスが必要。
搭乗時には旅券とボーディングパスが必要で、さらに機内に入ったところでCAにボーディングパスを提示しなければならない。
第3ターミナルの名税店は必要最小限。いわゆる売れ筋ばかりを並べてあるのでたいていの買い物には困らないだろう。
ちなみに、このターミナルで唯一のポケスポットが免税店付近にある。お好きな方はどうぞ。
ゲートへ進むと、日本人は少なくフィリピン人が多い。
この便のメリットは出発が19時50分なので、金曜日に少し早めに仕事を終えれば乗れるということだろう。留学者であればマニラで1泊してセブに向かうことになる。たいていは日曜日到着、月曜日入校というところが多いので、土曜日にマニラに到着して日曜日にセブに向かえば国内線のフライト時間は1時間ちょいなのでさほど疲れを覚えずに到着できる。
空港内の無料Wi-Fiは比較的高速なので、搭乗待合室で動画でも見ていればすぐに時間は経過する。
搭乗機はエアバスA320-200型機で機体記号はJA19JJ。
では、約4時間かかるフライトを離着陸だけ6分程度に編集したのでご覧いただこう。
■GK041 01OCT2016
https://youtu.be/o69uq0kRqXA
マニラに到着するのはほぼ定刻だったが、空港混雑の影響で管制官から上空待機を命ぜられ15分ほどディレイ(遅延)した。
前述のように当機の搭乗旅客に日本人は少ないため、入国審査の外国人レーンはほとんど並ぶことなく通過できる。
ちょうど記者の前の人が入国を終えた段階で日付が変わってしまい、入国審査官が入国スタンプの日付を変える作業をし終えてから記者の審査になった。
よって、結果論ではあるが滞在許可日数が1日だけ得したことになる。もっとも3週間の予定なので1か月1日になったところで実質的な得はないが、1日でも長く滞在したい人はタイミングシダ次第ではあるが覚えておくとよいのかもしれない。
預けた荷物を引き取って税関があるのかないのかわからないようなの場所を抜ければ自動的にターミナルの外に出る。
ジェットスターが到着するのは第1ターミナルだが、フィリピンの移動体通信会社が無料SIMの申し込みデスクを設置しているので、SIMフリー端末を持っている人は、せっかくなのでもらっておくとよい。ただし無料とはいっても、ごくわずかな通信料が無料になるだけで、それ以上はプリペイド式でチャージしなければならない。また、電話番号もフィリピンのものになるので日本と日常的に通信を必要とする人には逆に不便かもしれないので一考を要する。
フィリピンでの通信事情については、別稿で詳報する。
宿泊は、日系のホテルを選択した。
空港からタクシーで10分ほどの場所にある「ネットワールドホテル スパ&カジノ」に投宿した。
日本人が経営にかかわっているホテルだけあって、フロントスタッフは日本人には慣れている。常時ではないが、日本人スタッフがいる時間もある。
ホテル内の案内表記はそのほとんどに日本語が併記されているので、安心だ。
五つ星の高級ホテルではないビジネスホテル並みのこじんまりした上品なホテルだが、部屋の広さは日本のビジネスホテルの2.5倍はある。
ルームキーは非接触カード式で、外出するとエアコンの電源も落ちてしまうため、差し込み用にカードキーは2枚発行されるのがフィリピンのデフォルトか。
洗面台には必要最小限のアメニティが置いてある。
風呂がある部屋も珍しいが、実はこのホテルの5階にサウナ&スパがある。これを目的に来たといっても過言ではない。
残念ながら写真を撮ることはできなかったが、カジノとスパの専用エレベーターで上がると、ルームナンバーをチェックされ靴を預けてロッカーキーを受け取るのは日本と同じ仕組み。もちろん無料で利用できる。
大きなプールのような風呂と、高温サウナ、ミストサウナがあり、洗い場も日本のスーパー銭湯と同じ仕様。浴衣があるのには笑ってしまったが、フィリピン人スタッフが日本人以外の外国人に浴衣の「着付け」をしていたのは面白かった。
今回は往路だったので、旅の疲れをいやす程度に風呂につかったが、セブでは風呂に入ることのできる場所は少ない。
ホテル滞在であれば可能性はあるが、ドミトリーとなると絶望的だ。
長期間留学して、帰りにマニラによって思いっきりでかい風呂で旅と勉強の疲れをいやすことができればどんなに素晴らしいことか。本気でそう思った。
往路はただ休むだけで時間がないが、3週間後にもう一度滞在するので、その時に詳細はレポートしたい。
ホテルといえば朝の新聞サービス。外国では現地語の新聞か英字新聞と相場は決まっている。
日本の新聞は出そうにも衛星版が届くのがお昼になるので、物理的に間に合わないのかもしれない。
このホテルでは、日本人が滞在すると、当地の邦字新聞が各部屋に提供される。
朝早くに日本語の新聞を読むことができる。
宿泊料には前述のサウナ&スパと、2階カフェでの朝食料金が含まれている。
ちなみに、フィリピン人は写真が大好きだ。自撮りは日本の女子高生の比ではない。
カメラを向ければたいてい笑顔で応えてくれる。取材目的だというのは後で話したのだが、そんなことはお構いなしで、ちょっと声をかければスタッフがぞろぞろ集まってきてこういう写真になる。もちろん、人があまりいない時間までコーヒーを飲みながらで待ってからお願いした。
このカフェの店舗外(とはいってもホテルの中なので特に仕切りはなく物理的に離れているだけ)のエレベーター前のテーブル席は喫煙可能だ。フィリピンの飲食店でまともにテーブルに座って喫煙ができる場所はお酒を飲む店をのぞいて、ほとんどない。愛煙家には貴重すぎるカフェだろう。
朝食はバイキング形式で、焼きのりもあれば漬物もみそ汁もある。帰路に投宿すると感動ものなのだろう。
少し話は変わるが、記者の腕時計はソーラー電波時計だ。1万円もしない安いものだが、ワールドタイム機能がある。
また、メインの時刻をフィリピンと同じ時差である香港にすれば、中国の標準電波を受信する機能がある。ホテルの8階の自室で窓を開けてサッシの上に置いて手動受信させてみたところ、サービスエリア外であるにもかかわらず受信できた。
さすがにセブでは無理だとは思うが、クオーツ時計なので1か月でそんなに狂いはしないだろう。
マニラで時計のメイン時刻を変更すれば、なぜか不思議と心も新たになったような気がする。
なお、日本時間はワールドタイム機能でデジタル表示するように設定した。
ルームサービスはミニバーが主だが、ホテルにしてはそれほど高くはない。
もっとも、当地のコンビニの倍以上はするが、夜間に知らない場所で暑い中コンビニに行くよりも、こうしたサービスを利用するのも一つの手段ではある。
空港へのピックアップサービスもあるので、自分のフライトに都合のよい時間があれば利用するとよいだろう。
今回は、マニラ経由でセブ入りしたが、マニラは語学学校が多くないので、セブのように留学生がわんさかいて、場所によっては留学生慣れしているという環境にない。したがって、留学の成果を最も早く試すことができる場所はマニラなのかもしれない。3週間後に果たして記者の英語がマニラで通じるのか。実験してみたいと考えている。
※参考記事
【セブに分割留学!】1学期-1 ジャコウネコのフンコーヒーは美味いぞ!
http://getnews.jp/archives/1519806 [リンク]
【セブに分割留学!】1学期-2 試験の結果は予想通りのズタボロ…記者の英語力動画を公開!
http://getnews.jp/archives/1520299 [リンク]
【セブに分割留学!】1学期-3 日用品が熱い!ちょっと変わったセブでのお買い物
http://getnews.jp/archives/1523305 [リンク]
【セブに分割留学!】1学期-4 オンラインレッスンの裏側を探る!プロが見た国籍別特徴も公開
http://getnews.jp/archives/1524024 [リンク]
【セブに分割留学!】1学期-5 シーフロントは本当にビーチリゾートだった!
http://getnews.jp/archives/1525250 [リンク]
【セブに分割留学!】1学期-6 山口大学・学部丸ごと留学という挑戦!
http://getnews.jp/archives/1526200 [リンク]
※写真・動画はすべて記者撮影・収録
取材協力:フィリピン政府観光省
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか