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東京から約1時間!でも降りたことある?静岡駅周辺の知られざる穴場&グルメ巡り
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東京から約1時間!でも降りたことある?静岡駅周辺の知られざる穴場&グルメ巡り

2016-10-31 20:00
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    突然だが、静岡駅に降りたことはあるだろうか?筆者は一度も降りたことがなく、新幹線で通りすがるたび「大きな駅ビルがあって都会だな~」とだけ思っていた。今回は観光目的で行くことの少ない、静岡駅周辺(静岡県静岡市)の知られざる観光スポットとグルメを巡ってみた。

    意外!?マグロの水揚げ量日本一の清水港

    静岡駅から車で約30分ほど東にあるのが清水港。
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    清水エスパルスのお膝元らしく、サッカーボールやJリーガーの足型があり、まさに『日本のブラジル』といった感じ。

    実は、清水港は冷凍マグロの水揚げ量日本一。東名高速道路があり、日本の真ん中あたりに位置するアクセスの良さから、水揚げされたマグロは、一旦清水港に冷凍保存されたあと、清水市内や近郊の工場で刺し身などの食材に加工されて、全国に出荷されていく…というわけ。
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    その水揚げ量は国内の約50%を占め、刺し身以外ではツナ缶などの製造も盛ん。付近には『はごろもフーズ』はじめ、缶詰工場も多く存在している。マグロと言えば大間、三崎というイメージだけど、実は清水だったとは!
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    また、清水は人口あたりの寿司屋の数が多い町でもあるそう。エスパルスドリームプラザ2Fには、その名もズバリ『寿司ミュージアム』が。
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    普段何気なく食べている寿司の歴史や文化に触れることができる。
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    中には”鮪大明神”と書かれた神社も。おみくじも…
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    でも中はなぜか普通の花みくじ。マグロみくじを期待しただけにちょっと残念。
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    同プラザ1Fには、マグロの希少部位を扱う鮮魚店や、美味しいマグロづくしがいただけるイートインがずらり。
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    今回は『バンノウ水産』にて豪快八種盛り定食をいただく。可愛すぎるモデルは静岡市観光課の職員の岸本ゆうさん。
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    メバチマグロの赤身・中トロ・頭・頬肉に、ビンチョウマグロの刺し身とネギトロ。メバチとキハダマグロのネギトロに、サーモンたたき。豪華過ぎる…!
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    醤油に青のりを溶いて食べるのがオススメだそう。どれも美味しかったが、特にビンチョウマグロのネギトロにハマってしまった。独特のモッチリ感と、淡白な美味しさが普通のネギトロとはまた違って新鮮だった。

    まるちゃんがよく言う『清水次郎長』ってどんな人?

    清水といえば『ちびまる子ちゃん』の主人公、まるちゃんが住む町。おなじみのセリフの1つに「清水といえば?」「清水次郎長」。でも、清水次郎長ってどんな人か、あまり良く知らない人も多いのでは?
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    エスパルスドリームプラザから歩いて5分ほどのところにあるのが『末廣』。ここは次郎長が晩年に営んだ船宿を復元したもの。次郎長縁の品々と、エピソードがわかるDVDなどが視聴できる。
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    清水次郎長(本名:山本長五郎)は、米問屋を引き継いだ堅気の若者だったが、殺傷事件をきっかけに博徒へと転身。義理人情に厚い”街道一の親分”として、子分の清水二十八人衆とともに多くの武勇伝を残す。

    明治維新を機に、山本鉄舟や徳川慶喜などとの交流がはじまり、次郎長は地元の有力者として、荒れ地の開墾やお茶の貿易などに着手。
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    また英語教育の重要さにいち早く気づき、この『末廣』で英語塾を開く。激動の時代を生きた次郎長も、75歳で亡くなる頃には、普通の優しいおじいちゃんだったとか。
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    そんな次郎長を知ることができる『末廣』では、コスプレも可能!等身大の次郎長像に習って、記念写真を。
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    女の子が着ると可愛い。男気あふれる生き様を貫いた次郎長の、「強きをくじき、弱きを助く」渡世人生に浸ってみては。

    天武天皇、尊氏、家康、明治天皇まで!約1300年の歴史ある寺

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    『末廣』から車で10分ほど北へ移動し、興津エリアにある清見寺へ。約1300年前、奈良時代に天武天皇が蝦夷に備えた関所をここに設けた時、一緒に建てられた仏堂を始めとする寺だ。
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    お寺の境内を通るのは東海道本線。跨橋を渡ってお参りする。
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    寺の梵鐘は、秀吉が伊豆韮山を攻めた際に持っていって鳴らしたもの。現在は除夜の鐘の時にのみ鳴らされるそう。
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    室町時代は足利尊氏に尊崇され、戦国時代は今川氏に庇護された清見寺。家康が幼少期に駿府で人質時代を過ごした時、ここの住職に学んでいる。その後、徳川の天下となると、清見寺は朝鮮通信使や琉球使節のための施設として使われるように。
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    秀吉の朝鮮出兵からギクシャクした両国の中を平和に、という家康の狙いは、この寺で実現されたのだ。
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    家康が植えたと言われる臥龍梅(がりゅうばい)も、弱っているが花実ををつけるそう。当時はお寺の直前まで海で、三保の松原が見渡せた。使節団は、風光明媚なこの寺を愛し、学識のある住職との文学的な語らいに興じたという。
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    家康が隠居後に手入れした五木三石の庭や、足利尊氏が名付けた潮音閣からの眺めを楽しんだ使節団たちは、その感動を漢詩にしたためた。
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    総門の扁額の『東海名區』(朝鮮の東、日本で最も景色の良い場所)はじめ、多くの詩稿や扁額などが残されている。
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    韓流ブームから一転、冷え切ってしまった日韓関係とも重なる状況に、「日韓友好の証」として、日韓連名で世界記憶遺産への登録を申請中とのこと。うまく行けば、2017年にも登録の運びとなる予定だそう。
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    足利尊氏が名付けたという、潮音閣からのトワイライトタイム。西方浄土もかくやと思われる美しい後光。現在は潮騒ではなく、東海道本線の音が響く。
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    天武天皇の名を受けた仏堂からスタートしただけに、徳川家だけでなく天皇家とのつながりも深い。お寺の中には菊の御紋を頂いたご位牌がズラリ。緑色のものはなんと今上天皇のご健康をお祈りするものだそう。そんなの初めてみた…!
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    明治天皇はこの寺を度々訪れ、現在ではその玉座が再現されている。大正天皇は皇太子時代にこの寺の目の前の海で海水浴をされたとのこと。

    お寺には白檀などとは違う、独特の芳しいお香が焚かれていて、なんとも言えず懐かしいような、清々しい気持ちになった。奥ゆかしい佇まいと、下に通るJRとのミスマッチが楽しめるお寺だ。

    最後の将軍が過ごした場所で楽しむ静岡グルメ

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    来年は大政奉還から150年。駅前の家康像に挨拶しつつ、最後の将軍、徳川慶喜が過ごした屋敷跡の『浮月楼』へ。現在は結婚式場やイベント会場、料亭として使われている。
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    慶喜はここで31歳から52歳までの約20年を過ごした。船が浮かべられるほどの池もあり、十分に広いお屋敷だが、これでも前将軍のお住いとしては狭すぎるとか。
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    彼はここで2人の側室との間に21人もの子をもうけ、狩りに写真、自転車、清水港で投網と、自由な趣味人生を楽しんだ。明治以降は迎賓館や料亭として利用され、現在に至る。
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    『浮月亭』では静岡の自慢の食材を生かしたお料理が楽しめる。こちらは『静岡コース』。お料理もさることながら、静岡は日本酒をつくるのに欠かせない、静岡酵母の産地でもある。市内7蔵のうち、地酒3種を紹介しよう。
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    臥龍梅。清見寺の臥龍梅に由来するお酒。少し黄味あり。後味に酸味とキレがあり、個性的な味わい。お酒だけだと個性的なのに、不思議と食事しながら呑むと合う。静岡の食材とマッチするお酒。
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    喜平。華やかな香りがふわっと広がる!3つのなかで一番ソフトで飲みやすい。お酒が苦手な人でもこれなら大丈夫そう。最初は「クセがなさすぎる?」と思ったものの、お陰で最後まで手が伸びた。ちびちび長めに呑むタイプならこれかな。

    奥に写るグラスが正雪。名前は由比正雪から。口当たりは柔らかく上品で、スッキリ美味しい。日本酒らしい味わい。お酒をメインで楽しむならこれがいいなあ。

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    黒っぽいものは静岡はんぺん。イワシのつみれのように、魚をまるごと使うからだそう。その分、味がしっかりしてコクがあり、美味しい。

    静岡市民が愛するB級グルメ、静岡おでんはこれだ!

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    駅の繁華街には2つ、静岡おでんが楽しめるおでん横丁がある。
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    静岡おでんは、煮詰めた汁が真っ黒なのが特徴!でも特に味が醤油辛いというわけではないのでご安心を。
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    食べる時はだし粉(魚粉と青のりが入っている)をかけて食べるのが静岡流。静岡割りや地酒のおつまみにぴったり。
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    『ちびまる子ちゃん』で、駄菓子屋さんでおでんを食べられるというエピソードに驚いたひとも多いハズ。実際に静岡の駄菓子屋さんでは今でもおでんが食べられるらしい…!今度は是非駄菓子屋で食べてみたいなあ。

    神社?お寺?東照宮より上かもしれない”東海の日光”

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    静岡駅から車で10分ほどのところにあるのが、静岡浅間(せんげん)神社。神戸(かんべ)神社・浅間(あさま)神社と、大歳御祖神社の3社の総称で、駿河国で最も古く格式ある神社として尊崇の念を集めてきた。

    静岡の言葉の由来は、この神社のある賤機山(しずはたやま)が起源。古墳もあり、古い時代から人びとの生活の中心地であったことがうかがえる。

    華やかな色彩と荘厳な造り、重々しく厳しい雰囲気は、神社というよりお寺に近い。それもそのはず、元々ここには神と仏が一緒に祀られていたそう。その美麗さは古くより”東海の日光”とも呼ばれる。
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    火事の時に水を吹き出す火防『水呑の龍』。しかし寺は2度の火事で消失し、現在は幕末に修復されたものがベース。
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    珍しい、翼の生えた飛龍が飾る舞殿。観阿弥が最期の舞を舞ったとも。
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    柾目の立派な柱といい、総漆塗りの社殿の中で、ここだけが素木。
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    大拝殿。浅間造りの代表的な作りで、高さは約25m。なんと木造神社建築としては出雲大社本殿よりも高いというから驚き。その装飾も、社殿というよりは御殿のような壮麗さだ。

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    左が神戸神社、右が浅間(あさま)神社。
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    中には狩野寛信や狩野栄信が描いた天井絵や、それぞれの神社に縁深いモチーフの彫刻が。
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    龍が睨みを効かせ、
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    天人たちは笙や笛を吹いて舞う。彫刻や絵は最高の瞬間をその場にとどめたものとされ、ありがたいご利益が期待できるというわけだ。
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    大拝殿から神戸神社と浅間神社の本殿へ。江戸時代の人々の平均身長は男性でも155cm程度だったので、その目線から見て一番良く見えるように計算されている。
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    筆者はちょうど155cm程度なので目線としてはバッチリ。少し角度を変えると透かし彫りになっている部分や、手前と奥の間隔が変わり、精緻な作りがよく分かる。
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    キジや鶴、鳳凰など、生き物の姿は実に生き生きとしている。
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    『鳴きうずら』。あまりにもよくできたために、夜な夜な鳴いたという伝説があるそう。
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    本殿から降り、家康の持仏を祀ったという八千戈神社へ。
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    ここの見所は今にも飛び立ちそうな鳳凰。
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    扉は黄金の麒麟がしっかりと守る。キリンビールのあの麒麟のモデルになったという話もあるとかないとか。
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    ここには他の社殿とは違い、葵の御紋がついているのも特徴的。特に家康と関係が深いことを示している。
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    「俺は日光からこっちに来て、いま修復工事の指導をしてるんだけど、彫り物は日光よりこっちが上だよ」。そう教えてくれたのは、元・漆塗り職人の田村さん(82)。漆塗りの社殿はあちこち傷みがあり、平成の大改修が行われているそう。
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    「だいたい50人位を見てるけど、本当に出来る職人は1人か、2人だね。それもみんな年寄りだから。最近若い人も来たけど、やっぱり器ってのがあるんだな。イワシはイワシ、マグロはマグロってこと」。
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    魚の例えに静岡らしさを感じつつ、若くてもこいつはデキる!というのはどういう人ですか?と質問したところ「手首が柔らかいやつだね。俺らの仕事は、手首が硬いと肘を痛めるんだ。だから手首が柔らかいと長く仕事ができる」。まるでアスリートのような回答に脱帽。
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    浅間神社の3社と八千戈神社のほか、少名彦神社、玉鉾神社、麓山(はやま)神社も境内にあり、7社を一度にお参りできるのもポイント。御朱印めぐりをしている人は是非チェックを。
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    数々のお守りの中で、目を引いたのが『願い叶う守』。白い馬は家康が寄進した神馬がモデル。なんでも願いを叶えてくれるご利益があるそう。

    生桜えびとご対面!そしてあの大人気ケーキの本店へ

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    お昼ごはんは明治12年創業の老舗、天文本店さんの『葵弁当』。
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    贅沢な桜えびのかき揚げと、しらすご飯、マグロのお刺身に黒はんぺん。とっても静岡らしい。
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    今日は高波のため、桜えび漁が中止で取材できなかった代わりに、こちらで解凍した生桜えびを出していただいた。鮮度が命の桜えびだが、冷凍技術の工場により、ほぼとれたての鮮度が保てるようになったそう。それでも地元の方に言わせれば「もっと透明感がある桜色」とのこと。
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    生の桜えびはふっくら柔らかく、薄い殻のシャリッとした歯ざわりが楽しめる。桜えびはヒゲが長く、ヒゲ付きだと口あたりがモサモサするので、最近は取ってあるそう。
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    首都圏で桜えびのかき揚げを注文すると、出てくるのは大体野菜のかき揚げに、申し訳程度に桜えびが乗っている…という感じ。本場では桜えび100%か、それに近いかき揚げがいただける。筆者にとっては贅沢過ぎるが、地元の人にとってはこれが当たり前!
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    釜揚げしらすは湘南のものに比べて柔らかい印象。桜えびや、ご飯とのバランスがいい。
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    先程の生桜えびを薄く揚げたお茶漬け。揚げたことで香ばしくなり、お出汁に旨味が溶けて絶品。これだけ頂いたあとでもサラサラ入る。「呑んだあと、これをシメに食べたら最高!」静岡おでんで一杯やって、シメがこれとか…考えただけで素敵過ぎる。

    ごはんのあとには甘いモノ。「東京で人気の『キルフェボン』は静岡で始まったんですよ。近くにあるから行ってみますか?」……キルフェボンって、静岡なの?
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    あのプレミア感あふれるフルーツがぎっしり載った、出てきただけで女子がアガるあのケーキ屋さん、キルフェボンの本店がこちら。「最初は小さいお店だったんですけどねえ」。
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    キルフェボンらしい佇まい、イートイン付きの店内。キルフェボンはここから始まったのかと思うと感無量。女子らは色めきたち、男子らは「具体的に、このケーキのどこがいいの…」とボヤく始末。
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    キルフェボンのすぐ隣には『ななや』が。老舗のお茶屋さんの、7段階の濃度の抹茶ジェラートが人気。
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    茶葉や抹茶、やぶきた羊羹も。
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    ジェラートやパフェを食べるもよし、お茶のお土産を買うもよし。

    家康の居城、駿府城の歴史とお茶

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    午後から駿府城公園へ。家康の居城だった駿府城の本丸・二の丸が公園になっている。
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    戦国時代末期、家康が駿河はじめ5カ国の領主となった際にこの城を築城。また、江戸で将軍職を退いた大御所時代に居城した。駿府城の修復のため、全国の大名たちに号令した『天下普請』は有名。
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    しかし家康の死後、駿府城は急速に衰える。火事や地震に遭い、その度に再現されたが、早くに城主不在の城代が守る城となっていたために、ついに天守は復元されず。その後も守備的・事務的な機能のみが再建され、ダウンサイズされていく。まさに家康ありきの城だった。
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    現在は取り壊された天守台の発掘調査が進んでいる。地元の小中学生が体験発掘をしたり、現場見学会などが開かれている。
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    天守台の石垣の石。天下普請に協力した大名らが刻んだ印が見られる。
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    天守台を埋め立てたところを堀り、それらしい欠片を拾ってきて洗う。
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    瓦の模様が出てきたり。城マニアや歴史好きにはたまらないかも。
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    現在は東御門と巽櫓が復元され、中には資料が展示されている。
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    このL字型構造はとても珍しいそう。
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    駿府城公園内には、家康手植えのみかんも。現在でもちゃんと実がなっている。摘果された実を拾って頂いた。
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    普通のみかんより小ぶりで香りがよく、種がある。もっと酸っぱいのかと思っていたが普通においしい。
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    城なき駿府城公園に大名庭園風のものを、ということで作られた『紅葉山庭園』。
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    手前の池は駿河湾、奥には富士山、松の木は三保の松原…といった眺め。晴れた日に来たかった。
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    ここの立礼席では静岡自慢のお茶がいただける。
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    煎茶、抹茶、玉露から選べるが、筆者は京都の宇治、福岡の八女と並ぶ三大玉露の1つ『朝比奈玉露』を注文。3煎で”甘・渋・苦”が楽しめるお茶だ。
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    まず1煎目の”甘”。澄んだ黄色。とろけるように甘い…!これはホントにお茶なのか?と思うような旨味。
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    難しい2煎目”渋”。緑味が増し、お茶らしい味になってきた。
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    最後の3戦目”苦”。ゆず餡の最中とよく合う美味しさ。
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    静岡はお茶処として有名だが、どこでもここでもふんだんにお茶を振る舞っていただいた。ペットボトルもお茶、食事もお茶(冷茶含む)、そしてお茶漬け。もちろんどのお茶も美味しい。

    ”静岡でのドリンク=お茶”。これもちびまる子ちゃんで知ったことだが、あれは本当だったんだ!と感動。

    次郎長は73歳、家康は75歳、慶喜は77歳。この3人はみな健康長寿を全うしている。3者の健康は、お茶と、しらすや桜えびなどの静岡グルメ、みかんなどが支えていたのかなあと思わずにいられない。

    通り過ぎるのはもったいない、静岡の魅力

    今回始めて旅した静岡駅周辺。歴史あり、美味しいものも多いのに、知らないことが多すぎた。静岡に関する情報は一般常識か、ちびまる子ちゃん由来。筆者のような人も多いことだろうと思う。
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    それもそのはず、静岡市は実はとてもPRベタなのだそう。でも、今回観光してみて、その理由も何となくわかった。
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    静岡の人のガツガツしない気さくさ、美味しいものや豊かな歴史と自然で満ち足りている感じ、何より今でも徳川家の威光が降り注いでいる雰囲気。
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    ここの人たちは多分、それを空気として享受していらっしゃるのだと思う。頑張って広めたり、宣伝したりしなくてもいいところはいいところなのだから。
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    それでも静岡を旅した筆者は思う。静岡駅を通り過ぎるのはもったいない。駅を降りてすぐの所におでん横丁もあるし、清見寺や静岡浅間神社も数時間あれば十分楽しめる。清水港に行けるならぜひマグロや桜えびを味わってほしい。東京から『ひかり』で約1時間というのもありがたい。

    帰りの新幹線で、隣りに座ったサラリーマンが、チーカマっぽいのにわさび漬けをつけてビールで一杯やっていた。彼のように静岡を楽しむのもいいなあ、とちょっと羨ましく思った。

    (写真は全て筆者撮影)

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    (執筆者: 相澤マイコ) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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