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『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が5部作に拡大しても、エディ・レッドメインは心配しない
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『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が5部作に拡大しても、エディ・レッドメインは心配しない

2016-11-23 13:30
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    先日行われた映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のプレミアに、ハリー・ポッターの姿はなかった。しかし、米ワーナー・ブラザースが製作する新たな超大作で主演を務めるエディ・レッドメインは、緑色の小枝に似たクリーチャーであるボウトラックルのプラスティック人形を、タキシードの肩に乗せていた。後にレッドメインは、マンハッタンのクロスビー・ストリート・ホテルで卵とコーヒーを摂りながら「レッドカーペットでファンにもらったんです」と述懐する。「すごくリアルに見えましたよ」と話す彼は、それが映画のプロデューサーの1人をだましたことも明かした。

    これから数か月、そして数年間にわたり、ファンによるオマージュが増えることになる。J・K・ローリングによって描かれる新シリーズで、レッドメインは、ゴールドが大好きなフワフワの毛をもつニフラーや巨大なエルンペンなどの謎に満ちた動物たちでいっぱいのスーツケースと共に、ニューヨークを訪れる魔法動物学者ニュート・スキャマンダーを演じる。この役に向けて準備するため、オスカー受賞歴のある俳優は、アニマルトレーナーに学んだり、『ハリー・ポッター』シリーズの重要なシーンを見直したという。彼は「Youtubeの穴に沈んだ」そうだ。

    新シリーズはホグワーツが舞台ではないにもかかわらず、ワーナーがシリーズのために計画している全5作品には、いくつかの重複するキャラクターが登場することとなる。レッドメインは本誌に対して、本作のこと、ローリングとの出会い、そしてなぜジェームズ・ボンドを演じないのかについて語った。

    どうやって本作を知ったのですか?

    驚くほどトップシークレットなやり方で僕のもとに届いたんです。デヴィッド・イェーツが、まだ知られていないプロジェクトについて、僕と話したいと言っているという電話がかかってきました。僕たちは、ブラックスと呼ばれる、ロンドンのソーホーにあるパブで会いました。僕がそこに行くときには土砂降りの雨が降っていて、地下に行くと、デヴィッドがいて、たき火がありました。全体がダイアゴン横丁のような雰囲気を持っていましたね。彼は僕に、J・K・ローリングが脚本を執筆していることを話し始めて、ニュートとスーツケースについても語りました。僕はその時スーツケースを持っていたんですが、彼がスーツケースについて話すにつれ、僕は紳士的にスーツケースを引き寄せましたよ。自分のことが、役のために服装を整えてきた俳優の1人のように思えて、恥ずかしかったんです。

    脚本はいつ読みましたか?

    3か月で読みました。僕は安全上、文字通り脚本に鍵をかけなければならない作品に携わったことはありませんでした。そもそも、紙の脚本を渡されていないんですよ。まさに、「注釈が書ける脚本をくれ」という感じでしたね。

    家に持って帰ることはできなかったのですか?

    全くです。時々ですが、自分の脚本をこっそり持ち帰りました。

    オーディションは受けたのですか?

    いいえ、受けませんでした。でも、キャスティングされた後にこのホテルに来たんです。すべて異なる役のために、俳優のグループがいました。彼らは違うコンビネーションに挑戦していましたね。

    どうやってニュートを見出したのでしょう?

    本能的なことでした。本当に、下調べすら始めていなかったんです。僕は彼をとても排他的に、そして観察力があるように演じて、オーディションの2日目にやってきたときには、デヴィッドが「面白かったけど、訓練したらもっと力強く、幅広くなるぞ!」と言ったんです。僕は「ええ、そうなりますよ」というふうに答えました。でもそれは、実は僕が頭の中で思い描いていたニュートの姿とは全く違うものでした。J・K・ローリングはテストを見ていたのですが、彼女はもう少し排他的なキャラクターを好んだのです。

    あなたは、映画『博士と彼女のセオリー』と映画『リリーのすべて』という、2本のインディペンデント映画に出演し、極めて注意深いリサーチを行いました。本作ではどうだったのでしょう?

    動物の飼育係の方に会いました。動物の後を追う男性に会ったのですが、彼は奇妙なことを見せてくれたんです。動物を追うときには、絶対に物音を立てないようにします。一本の足を斜めに下ろして、彼はつま先立ちしていましたよ。

    どんな飼育係に会ったのですか?

    生まれたばかりのアリクイを扱い、餌を与える女性に会いました。アリクイをリラックスさせるには、くすぐるんです。僕はこういった細やかなことをデヴィッドに伝えて、「ニフラーがお腹の袋を守ろうとしたときに、くすぐるのはどうですか?」と提案することができました。

    『ハリー・ポッター』を見直しましたか?

    見直しませんでした。常に流れていたんです。魔法の杖を使うシーンなどは見ました。すべての俳優には、「いつか杖のシーンを演じてやる」といった感覚があります。僕にも杖のシーンがありましたが、緊張してしまいました。ぎこちなくなってしまったんです。杖をどう扱えばいいのか分かりませんでした。結局は、ダニエル・ラドクリフやレイフ・ファインズ、エマ・ワトソンの演技を見ました。それを盗んで、パクったんです。

    そうして気が楽になりましたか?

    奇妙なものです。あれ以上不思議なものはなくて、ネタバレしないように言えば、とあるキャラクターが電流の鞭でたたきつけるシーンがあるんです。まさに『フィフティ・シェイズ・オブ・ワンド(杖)』でしたよ。杖については、ひどい暗示を用いないと話しようがないんです。

    まるで、セックスのシーンのようだと。

    それはあなたの表現で、僕のではありませんからね。

    杖は自分で選んだんですか?

    ええ、そうです。美術担当と話して、ニュートについて長い議論を行いました。彼はシンプルな男ですから、派手じゃない、貝殻が底についた木製の杖にしました。商品化担当の人たちが、「彼がちょっとだけ惑わされたらいいのに」と言うんじゃないかと思いましたね。

    撮影ではグリーンバックが多用されましたか?

    いいえ。この映画が素晴らしいのは、多くの物品を実際に作ったことです。私は無に話しかける練習をしていましたが、例えばエルンペントとのシーンでは、映画『戦火の馬』に携わったスタッフが巨大な人形を作ってくれたんです。カメラのためにリハーサルをした後、人形は消えるんですが、僕はリハーサルしたばかりの記憶と感覚を持てました。

    J・K・ローリングとは、どれくらい一緒に過ごしたんですか?

    1時間ほど彼女とミーティングをしました。J・K・ローリングに会うと、すごく期待してしまうんですが、ニュートについてだけ話をしました。彼はJ・K・ローリングにとって私的なキャラクターなんです。そのことが僕の助けになりましたし、彼がどんな男なのかについての理解を与えてくれました。彼女が脚本を書いたとき、キャラクターは本のページから飛び降りました。

    そもそも3作品が作られる予定でしたね。

    3本ともう1本ですが、どうでもいいことですね。

    その後5本になりましたね。それだけ長くキャラクターを演じることに不安はありませんか?

    いいえ、なぜなら彼女が書いた人物を愛するでしょうからね。役者として、物語ることが夢であったとして、世界で最も優れたストーリーテラーの想像力の中で物語ることができるのなら、それはまさに望みのすべてです。シリーズが長く続いてほしいですね。

    どうやってシリーズが終わるか知っていますか?

    いいえ。本当に知りません。俳優によって、知っていることが違うと思います。僕たちは腰をすえなければならないのかもしれません。ある日、ローリングがセットにやって来て、彼女は2作目の脚本を書いていましたが、「何も言うことを許されていない」と言ったんです。でも、彼女は少しだけ話すつもりでいたようで、それはとても感染力の強いものでした。キャサリンと僕は撮影に呼び戻され、演じていたことを覚えているんですが、右にいるジョー(ローリング)に目を向けたんです。デヴィッドには「仕事に集中しろ」と言われましたよ。

    J・K・ローリングが映画を見た後に、彼女から何か聞きましたか?

    彼女は本編のファーストカットを見ていたのですが、ハートの目がついた顔文字をたくさんツイートしたんです。あれ以上に幸せを感じたことはありませんでしたよ。絵文字のツイートが僕をあれほど幸せにできるなんて、誰が知っているでしょうね。

    2作目の脚本は読みましたか?

    いいえ。しばらくは読みたくないという感じですね。

    観客が本作を受け入れてくれるか不安ですか?

    僕はいつも不安です。でも、それは『ハリー・ポッター』の映画や本をとても楽しんできた経験から生じる不安です。自分はその世界観の一部になるわけですが、新しい役にはなりたくないものです。そこで能無しが現れたら、台無しになってしまいますからね。
    しかし、新しい役を務めることにはユニークな点もあります。僕が脚本で好きな点は、暗闇や、スリラーとしての質、コメディ、ロマンス、そしてラストにハートがあることです。脚本を読んだときは、とても感情的になりました。熟練のタッチがあるのですが、そうすることは難しい。そういう意味で、脚本にあったものを、僕らが残すことができていればと思います。

    本シリーズのほかに、別のシリーズ物にも出演しますか?

    シリーズ物。その言葉が嫌いです。なぜかは分かりませんが、すごくビジネス的に聞こえますよね。僕にとっては、キャラクターが大事なんです。

    ジェームズ・ボンド役には興味がありますか?

    僕は絶対にジェームズ・ボンドを演じません。ジェームズ・ボンドを演じている姿を、僕自身が見たくないでしょう。ジェームズ・ボンドを見に行くこと、そして僕が憧れており、素晴らしい演技をするクールな俳優を見るのが好きなのです。まあ、絶対とまでは言いませんが、でも……ないですね。僕は誰をジェームズ・ボンドとして見たいと思っていると思います? 質問が違ってしまいますが。

    分かりました、では誰がボンドを演じているのを見たいですか?

    トム・ハーディです。映画『インセプション』を見て、彼はとても愛想のいい人だと思いました。でも、皆がそう見ているでしょうか? 分からないですよね。誰にも分かりません。僕はダニエル・クレイグが好きですよ。

    RSSブログ情報:http://getnews.jp/archives/1558467
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