ノーベル賞に思う。(主に科学分野)

今回はcova nekosukiさんのブログ『猫の覗き見』からご寄稿いただきました。

■ノーベル賞に思う。(主に科学分野)

ノーベル賞をとる研究は、半歩からせいぜい一歩先行く研究ではないでしょうか。

どうしてそうなるかと言えば、生前に受賞が原則だから。

その人が生きている間に結果が出る必要があるから、どうしても二歩も数歩も先を行く研究は割を食うことになります。

余り先を行く研究は、十分に理解されなかったり、検証が容易でなかったりするのです。

アィンシュタインは有名な相対性理論ではなく、光電効果で受賞しました。

実際には、光電効果の理論的解明が、評価されたわけです。

光電効果そのものは、知られていても、従来の理論的枠組みでは説明できなかったのです。

アインシュタインの凄さは、見つけた当人でさえ仮説と思っていたプランクによって導入された量子を、実在と見なしたことでした。

この発想の柔軟性が、新たな理論に導いたのです。

アインシュタインの相対性理論もまた、自由な発想が可能にした理論でした。

彼の相対性理論の預言は、思考実験によって導かれたのであって、実際の実験は当時は不可能でした。

理論によって導かれた現象は、誰もまだ現実には見ていなかったのです。

当のアインシュタインでさえ、彼の心の中と書き上げた式の中に、あっただけでした。

でも、彼の相対性理論は今では量子論と並ぶ素粒子研究の二本柱になっています。

残念なことには、アインシュタインの相対性理論は量子論と、今一つ、相性が悪いのです。

そのため、多くの研究者はこの難問の解決に取り組んでいます。

なにしろ光速度に近い現象は、相対論的事情を配慮しないことには解明できないのですから。

もちろん、アインシュタインの光電効果解明の恩恵に、今日も多くの研究者はお世話になってることは言うまでもありません。

光学と電磁気学の接点では、光電効果は大活躍なのですから。

ノーベル賞とる研究って、最前線であることも必要だが、それ以上にやはり基礎研究に近いことやってるのです。

基礎研究的要素が強いほど、応用分野も広がるのです。

それとやはり、オリジナリティも、当然ながらいりますよね。

それと、それが出来る環境も、必要かもしれないですよ。

環境ばかりは、いくら人数が居ようが、予算を積もうが、それだけじゃ無理でしょうね。

ノーベル賞とった本人は、ほとんどが知らせに耳を疑っているくらいですから。

周囲はすごいからあの人とってもおかしくないと思ってる、当人は、すごい人一杯いるじゃないのなんで自分がと驚いているのです。

そういう人がとるんですよね。

なんで我が国がとれないと焦る国がいるでしょ。

ノーベル賞は、とろうとしてとれたのではないですよ。

貢献したからとれたのにね。

あなた貢献した、と聞きたいですね。

ノーベル賞受賞者は、賞を狙って研究してないですよ。

知りたいから、これ分かったら面白いことになるぞとわくわくしてるから、誰かの役に立ちたいから、先陣を切りたいから、やってるのです。

周囲があれ凄いぞ、ノーベル賞級だと見るようになるのは、ある程度形になってからなのですよ。

そんなものなのですよ。

執筆: この記事はcova nekosukiさんのブログ『猫の覗き見』からご寄稿いただきました。

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