東京大田区にある羽田空港(東京国際空港)は、2010年に国際線ターミナルビルが完成して以来、世界に開かれた玄関口としての機能も強化され、今や面積・利用客数とも日本一の空港となっています。その羽田空港で毎月、無料の見学ツアーが行われていることをご存知でしょうか。地元の大田・品川まちめぐりガイドの会が主催しているこのツアーは誰でも無料で参加でき、知識豊富なガイドさんの案内を交えながら1時間ほどかけて国際線ターミナルを見て回ることができます。
新しい国際線ターミナルを巡る小一時間のツアー
2010年に開業した国際線ターミナルビルは2階が到着ロビー、3階が出発ロビー、4階が飲食店、5階は展望デッキを中心としたフロア構成となっています。ツアー待ち合わせ場所は5階のお祭り広場。展望デッキへ向かうエスカレーター付近でチラシを配っているので気付きやすいと思います。
展望デッキへの途中には子供向けのフライトシミュレータが。座席が動く体感型もあり、1プレイ200円~300円。最上級コースをクリアできたらレインボーブリッジだってくぐれるゾ?
海ほたるからスカイツリー、東京タワーまでを一望できる展望デッキへ。A~D、4本の滑走路が、高さ115メートル、世界で4番目に高い管制塔を取り囲むように井形に走っています。井形の滑走路を持つ空港は世界的にも珍しいそうです。海を埋め立てて作られたD滑走路は多摩川の流れを妨げないよう、一部が桟橋式になっているのだとか。ツアーではこのような豆知識も教えてくれます。展望台ではタッチ式の案内パネルで目の前の施設、機体や車両の説明を見ることもできます。
突然ですがここで航空会社のロゴクイズ! 全部わかるかな? 左上から、エバー航空、キャセイパシフィック航空、上海航空、アシアナ航空、チャイナエアライン、中国東方航空、ルフトハンザドイツ航空、中国国際航空、そして右下がソラシドエアでした。国内線が8割なので成田ほどの多様さはありませんが、最近はLCCも増えてきました。羽田空港には現在39社が就航し、1日に1100~1200もの便が離発着しています。年間利用客数は国内線と合わせおよそ7500万人で、これは世界第5位となっています。
世界の旅行者が認める5つ星のエコ空港
羽田空港は、航空業界を格付けするSKYTRAX社の“グローバル・エアポート・ランキング”において3年連続で5つ星を獲得。施設の利便性や清潔さ、物販や飲食のサービスが特に高く評価されています。他に5つ星を獲得しているのは仁川国際空港、チャンギ国際空港、香港国際空港など世界を見回してもごくわずかであることからも、羽田の便利さが分かるというものです。
筋雲をイメージした高い天井が印象的な3階出発ロビーは、ガラスをふんだんに使用して外光を採り入れる構造で、昼間はほとんど照明は点いていません。電力の1割を屋上のソーラーパネルでまかなうエコな空港です。1年中温度の安定した地熱を利用した冷暖房システムも採用。床の色は、3階がこれから飛び立つ空をイメージした青、2階は地面をイメージした茶色となっています。
手足を清める洗い場のある祈祷室も2部屋設けられました。イスラム系旅行者を中心に1日20~30人ほどが利用します。また、空港内にあるのは羽田だけという補助犬用トイレも。
2階到着ロビーからは京急、東京モノレール、各社バスで都心へのアクセスが容易。これこそが羽田最大の武器。ちなみに、『Youは何しに~』の取材班は羽田には来ていないそうです。出口のすぐ脇には、旅行先で余った小銭やお札をアマゾンギフト券などの電子マネーと交換してくれる『ポケットチェンジ』筐体も設置されました。
4階は飲食店と土産物屋が集まる“江戸小路”。本物の木材と漆喰で建てられたお店は歌舞伎や浮世絵などのモチーフを随所に取り入れ、メニューも和風が多め。なんでも外資系は入居できない決まりがあるそうで、どこにでもあるマクドナルドはここにはありません。代わりにモスバーガーが近々オープンする予定。行列の長さから推測する人気のお店ランキングは、1位うどん屋、2位がラーメン屋、3位が牛丼屋でした。
2014年に完成した“はねだ日本橋”は京都の宮大工が中心となって設計した全長25メートル、幅4メートルの総檜造りで、江戸時代の日本橋を2分の1の大きさで再現しています。出雲大社の式年遷宮と被ってしまったために檜建材の調達に難航し、奈良から切り出してきたのだとか。
この日はひな祭り前ということで雛人形があちこちに。これは浅田真央選手をモデルにした人形。どこにも説明書きはないけれど、ガイドさんは細かいところまで把握しています。次回は3月25日(土)に実施予定。出発までの時間つぶしや見送りがてら、小一時間のツアーに参加してみてはいかがでしょうか。
大田・品川まちめぐりガイドの会
http://machiguide.web.fc2.com/townguide/airport/airport.html[リンク]
―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: ろくす) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか