今回は、『はてな匿名ダイアリー』から転載させていただきました。
■PC遠隔操作事件が白日のもとにさらした、警察の自白強要
偽脅迫メール・犯行予告メールの実行犯が犯行声明を行ったお陰で、無実の罪をかぶった大勢の人々の冤罪が晴れた。
PC遠隔操作事件が果たした役割はとても大きい。
それは「警察が日常的に自白を強要している」という事実を白日のもとにさらしたことだ。
なにしろ自白強要の割合が、尋常じゃない。
13件の偽脅迫メールによって4人が逮捕され、2人が嘘の自白をを強いられた。
その割合、50%。とんでもない数だ。
あきれるというより、怖くなる。
しかも、無実の人間からでも、もっともらしい自白調書を作り上げられることが明らかになった。
「真実の動機」だとか「犯人しか知り得ない事実」だとかが、警察の誘導で簡単に作り上げられることが証明された。
よく、
「本当に犯人でない人間が、嘘の自白をするはずがない」
という信念を警察は語ってきたし、ミステリー小説等もそれを後押ししてきた。
(『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』などでも、事件の最後に行われるのは「犯人の告白」だ)
それを人々は無意識に信じていた。
事件の全貌を知っているのは、犯罪者と被害者だけで、部外者は推理、推察するしかない。
だから、裁判で無実が明らかになっても、上記の信念を完全に覆すのは難しかった。
(本当はやっているんじゃないか)と考えたり、あくまで例外だ、と思い込むことによって。
ところが、犯行声明がこれだけ明白にPC遠隔操作の実態を明らかにした以上、自白をした人々が脅迫メールを送ったとは考えにくい。
「真犯人による自白」以上に、「容疑者の自白」を信頼する人々の信念を崩すものはない。
そこに、この「自白」率の高さ。
警察が誘導すれば、本当に犯人でない人間でも嘘の自白をしてしまう、これが事実なのだ。
そして、私達の感情に与えた影響。
たしかにこれまでも、冤罪事件はニュースとなっている。
しかし、事件が発生してから容疑が晴れるまでに数年(時には十数年)を要するために、私達は感情の落差を経験せずに済んだ。
つまり、容疑者逮捕のニュースの第一報を聞いた時に私達の誰もが感じる、
「良かった! 犯人が逮捕された!」「ざまあみろ!」「警察はよくやった!」
という応報感情と、容疑者が無実だったことが分かった後の、
「警察は何をやっているのだ!」
という落胆との間にはタイムラグがあったために、喜びから落胆への振幅の揺れを感じずに済んだ。
ある意味、警察の自白の強要を受け入れていたのだ。
ところが今回、名の知れたアニメ演出家の犯行予告メール報道があり、その後すぐに犯人から犯行声明があった。
人々の応報感情は急激に冷え、持って行き場を失い、期待を完全に裏切った警察への不信感、自白の強要への嫌悪感は、これまでの比ではない。
警察の威信は、完全に地に落ちた。
よほどの改革や自己批判、反省を行わないならば、これから警察の作るもっともらしい作文を信じることは、もう、誰も出来ないだろう。
転載元:こちらは匿名投稿『はてな匿名ダイアリー』からの転載です。
画像:ごめんですんだら警察いらんわ!『flickr from YAHOO!』
http://www.flickr.com/photos/haramizu3/5862304853/
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