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近年はマンガなどの題材も多い新作歌舞伎の世界。とりわけ『ニコニコ超会議2017』では昨年に引き続き中村獅童と初音ミクが共演する『花街詞合鏡』を上映。好評を博したことは記憶に新しいところです。

そんな中、朝日新聞が新作歌舞伎についての記事を掲載したのですが、映画監督や劇作家などが進出している現状について否定的なコメントを寄せた歌舞伎大向弥生会幹事で『歌舞伎四〇〇年の言葉 学ぶ・演じる・育てる』の著書がある堀越一寿氏がブログで「印象操作」と記しています。

新作歌舞伎、さらに進化 映画監督らが挑戦 マンガ・絵本が原作(朝日新聞デジタル ※全文を読むには会員登録が必要)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12937677.html [リンク]

この記事では、マンガや絵本などが原作に用いられるなど新作歌舞伎が多様化していることが紹介され、『花街詞合鏡』についても触れられているのですが、堀越氏のコメントを「新作歌舞伎に疑問の声も」として紹介。これに対して堀越氏はブログで「これまでの新作についてはどれも面白く、また役者の個性を活かしてうまく書けている。夢幻恋双紙の当て書きは見事だし、阿弖流為は鍛錬を積んだ歌舞伎役者の肉体の魅力を存分に発揮していた」と電話取材に答えたとしており、新作歌舞伎への不満は「ない」と明確に述べたといいます。

「演出が行き過ぎて現代劇と変わらなくなったり、イベント的になったりする恐れもある。鍛錬した歌舞伎俳優の魅力を生かした作品であってほしい」という文面は「ギリギリな表現」ながら許可したという堀越氏。それが新作歌舞伎全体を否定するような文脈で使われていることに対して、「印象操作に長けた朝日記者さんの手腕は見事」といい、「せめて二度と朝日新聞さんとは関わらないようにしたいと思います」とエントリーを結んでいます。

新作歌舞伎に否定的な意見を載せることで記事のバランスを取ろうとした意図が垣間見える今回の記事。取材した相手の立場や主張を曲げる文脈で用いることを続けていると、朝日新聞だけでなくメディア全体が「信じられない」という人を増やすことに繋がるのではないでしょうか。

朝日新聞さんの記事について(歌舞伎四〇〇年の言葉)
http://ameblo.jp/kabuki400years/entry-12274822235.html [リンク]

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