自動車の安全技術というと、近年はクルーズコントロールやレーンアシスト、自動ブレーキ、居眠り検知センサーのようなハイテクを駆使した予防安全技術が注目されていますが、一見わかりにくい車体構造自体の安全性も一昔前と比べると格段に進歩しているようです。

オーストラリアとニュージーランドで販売される車の安全評価団体ANCAPは、過去20年間の車両安全性の劇的な改善を実証するために、新旧車両の衝突試験の結果を発表しました。

【動画】ANCAP CAR-TO-CAR CRASH TEST: 1998 Toyota Corolla vs. 2015 Toyota Corolla(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=2bfau5HZ6ro[リンク]


試験車両はトヨタカローラの1998年モデルと2015年モデル。時速64kmで、日常的に最も起こる可能性が高い前面半分ずつのオフセット衝突試験を実施。衝突の瞬間、新型はハンドルと側面にエアバッグが展開。一方、1998年当時、エアバッグは標準装備ではなく990豪ドルのオプションだったため、この旧型車両には装備されていません。




結果は一目瞭然。ボンネットこそメチャクチャに潰れたものの他はフロントガラスに少しヒビが入った程度の新型車に対し、旧型車のフロントガラスはバキバキに壊れ、側面のドアや天井の後ろの方まで大きく歪んでしまいました。乗せられていたダミー人形を調べると、旧型車のドライバーは頭・胸・脚に致命的なケガを負うリスクが非常に高く、16点満点の評価点中、0.4点にしかならなかったのに対し、新型では12.93点を達成。見た目はほとんど同じクルマなのに、安全性にここまで差が出るとは!

ANCAPによると、オーストラリアを走っている車のうち、2000年以前に生産された車両は登録車全体の20%を占めますが、死亡事故に占める割合は33%に上ります。対照的に、20011年以降の新型車両は全体の31%を占めますが、死亡事故は13%しか発生していません。つまり致命的な事故の割合は、新型車よりも旧型車の方が4倍も高いというわけです。

物持ちが良いことは美徳とされますが、クルマの場合はあまり古いモデルに後生大事に乗り続けるのは考えもの。適度な時期に買い替えていくのが良さそうですね。

画像とソース引用:『YouTube』およびANCAPメディアリリースより
http://www.ancap.com.au/media-and-gallery/releases/new-analysis-fatality-rate-four-times-higher-in-an-older-vehicle-0e2f9e[リンク]

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