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デコメール死亡「LINEの登場」を予測できなかったプロデューサーのお話
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デコメール死亡「LINEの登場」を予測できなかったプロデューサーのお話

2012-11-11 14:00
    デコメール死亡 「LINEの登場」を予測できなかったプロデューサーのお話

    この記事は、とあるサイトプロデューサーさんのブログ『サイプロ』からご寄稿いただきました。

    ■デコメール死亡 「LINEの登場」を予測できなかったプロデューサーのお話

    sm_20121104

    僕はデコメールサイトに関わっていたことがある。事業計画を作り、会社から資金を貰い、サービスを立ち上げた。後発ながらそれなりの規模まで成長させ、他の者に引き継いだ。

    立ち上げる際、適当なグラフを作る。ここで言う「適当」は難しいのだけれど、同じスピードでキレイな曲線を描いていくグラフなんて基本的に無く、市場変化だったり、サービスのアクションだったり、何かしらグラフを最低2ヶ所は曲げさせる。

    数字なんて実際は誰にも分からず、「意思」を反映した方が良いと思っている。もちろん、制度を高めるため、あらゆる数字を集めて、根拠は作る。

    そんな中、1点だけ悔いの残る・・・というか想定しなかったことが起こっている。僕は「メールは無くならない」という予想をした。装飾素材自体も

    イラストのデコメール

    絵文字

    デコアニメ

    と進化を遂げており、デコアニメは不発ながらも、メールがある限り、メールを装飾する「何か」は存在し続けるという予想もした。そして、次の「何か」が出た時に事業のドライブをかける(一気にシェアをとる)予定だった。。以前、友人のほぼ全てがデコメールを使用していた。

    今、現在どうなったのか。

    LINEというアプリが大流行し、デコメールの変わりに「スタンプ」が流行っている。現在もデコメールを使っているのは、ガラケーを使用しているわずかなユーザーのみ。今後デコメール市場は更に縮小されていくと思われる。

    何が悔しいかといえば、僕はLINEを全く思い浮かばなかった。本当に「全く」だ。正直、こんなに悔しいことはない。

    i Phoneでデコメールが使いにくいことは分かっており、デコメールを使いやすくするアプリを各社制作していた。当然、メーラーでシェアを取るという選択肢はあった。もう1つはスマホでのプロモーション手法があまり確立されておらず(費用対効果が悪い)、ランニングコストを抑えるために、コンテンツを自社で制作するのではなく、ユーザー投稿型でしばらく様子を見る作戦も考えていた。

    僕の思考としては

    ・スマホでデコメールを使いやすくするにはどうすれば良いか
    ・マネタイズが厳しいスマホの中でどうやってコストを抑えるか、もしくは費用対効果を合わせるためにどういったプロモーションを行うか

    を考えていたことになる。

    LINEの発想は後付けだが、「メールコミュニケーションをより良くする」といったもっと大枠の視点だったと思う。

    何が言いたいのかというと、僕の中に大前提としてある、「キャリアのメールアドレスを使う」という発想を、どうしても外すことができなかった。実際LINEもメールであり、「メールはなくならない」といった予想自体は合っているのだが、僕は「メール=キャリアのメールアドレス」といった発想だった。

    そして、ここに捉われているあまり、スタンプ等の機能も、「キャリアが仕様を変更しない限り実装できない」という考えだった。

    Gmailなり、mixiなりキャリアメールアドレス以外を携帯で使用していたが、どうも使い勝手が悪く、キャリアのメールアドレス以外は考えていなかった。

    これは久々に「悔しいなぁ・・」と思う敗戦でした。

    発想が遅れた要因としては

    ・自分の個人端末をスマホにするのが遅れた
    ・海外サービスのチェックが甘かった

    の2点でしょうか。メール等のツールは法人端末では実際に肌で感じることができず、自分の端末でないと直感的に閃かない部分が多いです。「スマホ使いにくいな。。。」と思っていて、ガラケーからスマホへの移行が遅れたことが、発想を妨げる原因になったと思います。

    「スマホへ市場が変わるのはチャンス」といった発想があれば、早く変えていたと思います。

    海外サービスのチェックは本当に重要で、海外で流行っている物が輸入、もしくは模倣されて国内で流行る場合が多々あります。グループチャット自体も海外で既にあったと思うので、存在を知っていれば、検討はしたと思います。

    LINEの「キャリアアドレスを使わない」「スタンプを使う」といった作戦(というか発想)と、資金を出した決裁者、成功させたプロモーション及び技術力には本当におそれいります。

    我ながらまだまだだなぁ・・・と思いました。もう少し頭を柔らかくしないとな。

    あなたは「LINE」の登場を少しでも予想していましたか?

    執筆: この記事とあるサイトプロデューサーさんのブログ『サイプロ』からご寄稿いただきました。

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