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JRで切符を無くしたときの規則
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JRで切符を無くしたときの規則

2012-11-24 14:00
    JRで切符を無くしたときの規則

    今回は壇 俊光さんのブログ『壇弁護士の事務室』からご寄稿いただきました。

    ■JRで切符を無くしたときの規則
    先日、新幹線の中で切符を忘れた。

    その際の窓口の対応は、切符買い直せの一点ばりであった。

    営業旅客規則にあるとか言うのである。

    参照 JR東日本

    第268条 (乗車券類紛失の場合の取扱方)

    1 旅客が、旅行開始後、乗車券類を紛失した場合であつて、係員がその事実を認定することができないときは、既に乗車した区間については、第264条・第266条又は前条の規定による旅客運賃・料金及び増運賃・増料金を、前途の乗車区間については、普通旅客運賃・料金を収受し、また、係員がその事実を認定することができるときは、その全乗車区間に対する普通旅客運賃・料金を収受して、増運賃及び増料金は収受しない。

    2  前項の場合、旅客は、旅行終了駅において、再収受証明書の交付を請求(指定券にあつては、同一列車の場合に限る。)することができる。ただし、定期乗車券又は普通回数乗車券を使用する旅客は、この限りでない。

    第269条 (再収受した旅客運賃・料金の払いもどし)

    前条の規定によつて普通旅客運賃・料金及び増運賃・増料金を支払つた旅客は、紛失した乗車券類を発見した場合は、その乗車券類と再収受証明書とをもより駅に差し出して、発見した乗車券類1枚につき手数料210円(指定券にあつては、320円)を支払い、再収受証明書に記入された旅客運賃・料金について払いもどしの請求をすることができる。ただし、普通旅客運賃・料金及び増運賃・増料金を支払つた日の翌日から起算して1箇年を経過したときは、これを請求することができない。

    要するに

    切符無くしたら、たとえ、不正が無くても、金を払ったことが事実であっても、もう一度金を払え、切符見つけたら、金を払い戻してやる。ただし手数料は引くけどな。

    ということである。だいたいどこのJRも同じような規定があるようである。

    そもそも、旅客規定は、こちらとの合意で決まったものではない。一方的にJRが決めたものである。えらい上から目線の規定である。

    今回、私の怒りの中心は、東海道・山陽新幹線ではきっぷ紛失時の払戻の取扱*1が定められているにもかかわらず、窓口の人が、そのことを知らせずに料金の支払いを求めてきたことがである。

    *1:「東海道・山陽新幹線におけるきっぷ紛失時の特別な取扱いについて」
    http://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/lostticket_shinkansen.pdf

    東海道・山陽新幹線におけるきっぷ紛失時の特別な取扱いについて

    ●東海道・山陽新幹線(東京から博多間)の指定券・グリーン券をクレジットカードで購入し、東海道・山陽新幹線をご利用中(新幹線改札内、列車内)になくした場合は、新幹線下車駅でご案内する指定の方法によりご申告いただければ、可能な範囲で、紛失されたきっぷの使用状況を確認いたします。確認の結果、なくしたきっぷが「払いもどしされていないこと」、「他に使われていないこと」が確認できれば、なくしたきっぷが発見されたものとして、所定の手数料を差し引いて払いもどします。

    これは、私のクレームに対して、上司が出てきてこのような取扱があることの説明がされたものである。

    この手続きの説明を受けずに払い戻しを受けられなかった者は、あの窓口担当の対応から見れば多数いるであろう。彼は取扱を知らない奴が悪いとでもいうのだろうか?

    上司は非常に丁寧な対応であった、その窓口担当は、その間、悪びれた様子もなく、もちろん、不正確な説明に対する謝罪も無かった。

    この経験は、私だけかと思ったら、宮迫氏のこんなの*2があった。

    *2:「雨上がり宮迫・新幹線切符紛失後に駅員への不満をツイート→炎上」 2012年11月12日 『NAVERまとめ』
    http://matome.naver.jp/odai/2133128822127740901

    宮迫氏は、現金で切符を購入したのであろうか。クレジットカードで購入していないことを願うばかりである。

    ところで、私は、この旅客営業規定自体、消費者契約法10条に反して無効と考えている。

    (消費者の利益を一方的に害する条項の無効)

    第十条 民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者 契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

    旅客営業規則の有効性を巡っては、不正利用に関する割増運賃に関する規定が消費者契約法10条に反するかが争われた裁判があり、裁判所は、規定自体の有効性は認めつつも、損害の期間を限定した判決をしている。

    参照

    「鉄道等の定期券中途解約のルールについて【中間まとめ】」 2010年8月23日 『特定非営利活動法人 消費者支援機構関西(KC’s)』

    http://www.kc-s.or.jp/upload/f10000118_1.pdf

    これは不正利用に関する裁判例である。

    不正利用も無いのに、紛失すれば、払い戻しや、2重役務提供の危険が無い場合まで、料金の2重取りを許容するのは、許されないと思うところである。

    ちなみに、この件、切符が見付かったということで、何事もなく終わった。

    但し、機会があれば、裁判所に規則の有効性を問おうと思っている。

    執筆: この記事は壇 俊光さんのブログ『壇弁護士の事務室』からご寄稿いただきました。

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