今回は日本報道検証機構『GoHoo』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/318691をごらんください。
■敦賀原発「地層ずれに口つぐむ」 原電が反論
【東京】 2013/3/23朝刊1面「レベル7 第十部 二年後の迷走(2):活断層あわや見逃す 敦賀原発怪しいずれ 原電口つぐむ」
●《注意報1》 2013/4/7 07:30
東京新聞は、3月23日付朝刊1面で、連載「レベル7 第十部 二年後の迷走」の2回目として「活断層あわや見逃す 敦賀原発 怪しいずれ 原電口つぐむ」の見出しをつけた記事を掲載しました。この中で、2012年11月下旬、原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理が日本原子力発電(以下、原電)の敦賀原子力発電所を現地調査の下見に訪れた際、同社社員が地層のずれの存在を知らせず、現地調査当日も自ら説明しようとしなかったなどと伝えました。しかし、原電は、ホームページ上で、地層のずれを島崎氏に見せ、現地調査当日も説明も行っていたなどと反論しています。
原電によると、この記事で取り上げられた島崎氏の下見は2012年11月26日に実施され、原子力規制委員会の有識者会合(専門家チーム)による現地調査は12月1~2日に行われています。同チームは12月10日の評価会合で、敦賀原発の直下にある破砕帯(断層)が活動層がある可能性が高いと判断。これに対し、原電側が公開質問状などにより反論する展開となっています。
記事は、問題の地層のずれ(せん断面)は島崎氏の下見の3日前に原電が確認していたとしたうえで、「原電は、島崎が下見をした際、ずれの存在を知らせなかった」と指摘。これに対し、原電は「下見の際には、当社からご案内をし、堆積物中のせん断面(ずれ)についてもご覧いただきました」と反論しています。
また、調査当日「専門家がずれの近くに差し掛かっても、原電は自ら説明しようとはしなかった」などと伝えた点についても、原電側は、現地調査当日、最初の机上説明や現場でもこのせん断面について説明を行っていたと反論しています。
『レベル7 第十部 二年後の迷走(2):活断層あわや見逃す 敦賀原発 怪しいずれ 原電口つぐむ』雲が垂れ込め、冷たい雨が風に吹かれて傘をたたく。初冬の福井・敦賀半島らしい荒れ模様の中、原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦(六七)が、日本原子力発電敦賀原発を訪れた。二〇一二年十一月下旬のことだ。
自身が率いる専門家チームの現地調査を五日後に控えての下見だった。
「当日はこの辺りを見ていただきます」。先導する原電社員が島崎を案内した。
1、2号機の東約二百メートルには、大きな活断層「浦底断層」がある。山肌が削られ、地層があらわになった七階建てビル相当の広大な斜面が広がる。地層を調べるための試掘溝もあちこちに掘られている。島崎が何かに気付いた様子はなく、原電社員は手際良く次の場所へと案内した。
実はその三日ほど前、原電開発計画室幹部の神谷昌伸(四六)は現地からある報告を受けていた。
「何か複雑な地層のずれが見つかった」
浦底断層の西側に掘られた試掘溝で見つかったずれは、後に敦賀原発の運命を左右することになる。
原電は、島崎が下見をした際、ずれの存在を知らせなかった。現地調査の前日、規制委を通じて専門家チームに配られた資料にもずれのことは記されていなかった。
調査当日、あらためて配られた資料に、ずれの線が書き加えられ、小さく「せん断面」と記されていた。専門家がずれの近くに差しかかっても、原電は自ら説明しようとはしなかった。資料を手に一つ一つ地層の状況を確認していった専門家は、ずれを見逃さず、「これは何ですか」と原電にただしたが、担当者は「わかりません。われわれはまだ(なぜこのずれができたのか)解釈ができていません」と言うのみだった。
チームの一員で、名古屋大教授の鈴木康弘(五二)が振り返る。
「原電は問題ない場所で(調査の)時間を使おうとしていた。問題のずれはわれわれが気づかなければ、そのままおしまいになるところだった」
専門家が新たに見つかった地層のずれに着目しないよう、原電は意図的に説明を避けたのか?そんな疑念さえわくが、神谷は「われわれの解釈がまとまっていなかっただけだ」と釈明する。(以下、略)
(東京新聞2013年3月23日付朝刊1面)
■ 「平成25年3月23日付 東京新聞(朝刊)1面「レベル7 第十部 二年後の迷走」の報道について(PDFデータ)」 2013年03月26日 『日本原子力発電株式会社』
http://www.japc.co.jp/news/other/2012/pdf/130326.pdf
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/japc.jpg
<参考>
■ 「敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」 『原子力規制委員会』
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tsuruga_hasaitai/
■ 「敦賀発電所敷地内破砕帯調査について」 『日本原子力発電株式会社』
http://www.japc.co.jp/tsuruga-chousa/list.html
執筆: この記事は日本報道検証機構『GoHoo』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年04月10日時点のものです。
■関連記事
広告だらけ、中身が無い、必死すぎ……秋元康ら豪華経営陣が新創刊した雑誌『DRESS』に厳しいコメント相次ぐ
マクドナルドの新メニューが凄い! ポテトLサイズ2個分に相当する重量級ポテトが登場のウワサ?
安倍首相のFacebookに韓国人・中国人が反日コメント するも、 何故かフランス人が論破した件
常識? 裏ワザ? 『とびだせ どうぶつの森』で見つけた使える小ネタ集