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生保患者診たくないんで、内科医辞める。
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生保患者診たくないんで、内科医辞める。

2012-11-29 15:30
    生保患者診たくないんで、内科医辞める。

    今回は、『はてな匿名ダイアリー』から転載させていただきました。

    ※続編と2本あわせて掲載させていただいております。

    ■生保患者診たくないんで、内科医辞める。
    最近ジェネリック義務付けとか話題になってるけど、そんなのは小さなことだ。
    問題は彼らの受診行動。病院でみる生保患者の素行は、とにかく目に余る。

    ●生保患者は時間外に来る
    俺の働いてる市の生保受給者は人口の1.5パーセント前後。うちの受診患者を無作為に調べてみても、大体そのあたりの数字に落ち着く。
    ところがこれが夜間だと、その割合がぐっと跳ね上がる。ちなみに先月の3連休は5/36、2/29、3/25(人)であった。
    「日中の外来に来てくださいねー」と言っても無駄。次にお会いするのはやっぱり時間外。

    ●生保患者は未明に来る
    午前1-5時あたりは元々患者の少ない時間帯である。生保患者はなぜか、この時間を狙ったかのように集中する。
    ちなみに一般人で変な時間に来る人は、ホンモノ(本当に病気がある場合)が多く、こちらも身構えてアドレナリンが出るのだが、生保だと軽症であることがほとんどで、仮眠時間を取られ体力が削がれる以上に気力が萎えること甚だしい。

    ●生保患者は救急車で来る
    時間外のうち救急車で来る人は1-2割だが、生保に限れば4-5割程度になる。
    救急隊から入電「○○○さん、△歳、男性、自宅で気分不良…」
    スタッフ間に漂う、ああまたあいつか、という空気。
    自宅で気分不良? たいがい酒酔いか過量内服、それかいつもの不定愁訴である。酔って転倒する奴も多いな。

    ●生保患者は軽症・無所見者が多い
    救急車から歩いて降りてきたって、それどんな冗談ですか。

    ●生保患者は何回も来る
    週に3回とか普通。日に二回もたまに。
    「あそこじゃ十分診てくれなかった」と日に複数施設をハシゴする者も。もちろん全部時間外なのは言うまでもない。

    ●生保患者は入院を迫る
    残念、それを決めるのはセンセイたちの仕事です。
    きついから入院させてくれ? だってあんた検査も診察所見も全部正常ですやん。

    ●生保患者は勝手に退院する
    以前救急外来から引き取った生保患者、次の日には勝手に帰ってやがった。
    病室に仲間を呼び込んで苦情が来たり、トイレで煙草吸ったりする者も。

    ●生保患者は何箇所も受診する
    生保が診察券を出すところを目にしたことがあるが、財布の中は「○○整形外科」「△△ハートクリニック」「××内科」…と診察券でパンパン。
    方々で鎮痛剤や向精神薬を過剰に処方されてるのは明白。
    以前、生保の医療費が3倍というニュースがあって、怪我や病気が多いからそのくらいは普通なんて言われてたけど、これだからお花畑は困るんだよねー。

    ここで、困った人が普通よりちょっと多いだけか、一部の人間が極端な悪さをしているだけで多くの生保患者は日中普通に受診してるんだろう?という声が聞こえてきそうである。そうであればよかった。

    俺の通常外来に来てる生保患者の大半が服薬もきちんとしてないし、予約した時間に来ないし、とにかく病気に対する意識が薄い。

    それを指導するのがお前の仕事だろ、って?ええ。頑張ってましたよ、これまではね。でももう飽きた。

    いままで何してたの、って感じの人ばっかだし。慎ましい難病患者、貧困患者、高齢者、なんてのは幻想。

    もうこいつらに必要な医療といったら、疫病の感染源にならないとか、不慮の事故で死なないとか、その程度っしょ。

    Y本病院みたいに囲い込んでカテーテルの実験台にしたとか、いいじゃん。もうどっかで囲い込んでくれ。そして外に出さないでくれ。

    俺が助けたいのは善良な人間なんだ。ちゃんとした人たちのためなら、当直明けの勤務だって頑張れる。でももう無理。

    てなわけで今年いっぱいで辞める旨を院長に伝えてきた。病理、放射線、臨床検査などの、診察のない部門での再出発を考えてる。

    俺自身最初は戦おうとしたこともあった。

    こっちにきてからも三人、悪質生保をブラックリスト送りにしたけど、物凄く大変だった。

    殴ってくれたら無条件で受診拒否なんだが、奴らその辺は上手いんだ。

    今の職場には世話になったし、感謝している。だから最後にもう一仕事、今も続く不逞の輩の受診をなんとかしたいと思う。

    最近、悪質生保の受診行動を福祉事務所や民生委員に通報すべく、資料集めを開始したところ。

    最近ニュースになってる、受診回数の制限は是非実施してほしい。救急車有料化、施設の指定も併せてね。

    俺が踏みとどまるのには、ちょっと遅かったけど。

    ■続・生保患者診たくないんで、内科医やめる。
    思いのほか反響があり、びっくり。
    個別の質問には答えないけど、いくつか代表的な意見に関して補足を。

    ●タイトルについて
    「色々あって内科医やめる、つうか生保うざい」とでもしたほうが正確だろうね。
    どうあれ、これまで俺が感じてきたモヤモヤの多くにからむのが生保患者問題であり、辞めるにあたっても最後に背中を押したのは間違いない。

    ●非医師だろという意見に対して
    これでどうかな。

    『どっとうpろだ.org』サイト

    http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3652048.jpg.html

    (※現在、このファイルは存在しません。)

    テキスト類は職場じゃなく家に転がってたやつだから、ちょっと古いね。

    まあ別に謝る必要ないです。ていうかこっちがすまんね。ディテールをぼかし、抽象化して書いたのは俺なんで。

    ●創作、釣りだろという意見に対して
    これは証拠出すの無理。まさか一件一件カルテの中身を張るわけにいかないし。m3.comであったね、医療訴訟のカルテを掲示して問題になったことが。
    ところで、福祉事務所に生保の行動を通報するためにカルテを抽出することは問題なのかな? 俺が今考えてることなんだけど。

    ●なんで患者の保険の種類が分かるの?
    これは電子カルテ化されてるので簡単。数秒もかからない。例えばスズキさんで検索するとこうなる。

    『どっとうpろだ.org』サイト

    http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3652050.jpg.html

    (※現在、このファイルは存在しません。)

    何個か代表的な苗字でやってみたけど、生保は地域住民に占める割合とそう変わらない。

    紙カルテの病院ならば、表紙(1号用紙とよぶ)に保険の種類が書いてある。そして、紙だろうが電子だろうが危ない患者の見分けはつくようになっている。

    紙の場合は表紙の隅を塗るとかね(例:赤は要注意、黒はブラックリスト)。最近病院で俺の扱い違わね?と思ったら自分のカルテ表紙をよく見るとよい。

    ●この文章主観だよね?
    その通り。生保の受診行動についてきちっとしたデータを出すなら、保険の種類をマスクした上で、マナーやら服薬コンプライアンス、アドヒアランスを定量化して、保険その他患者属性と一緒に多変量解析なんかしてみるといいのかな。それを多施設で。ちょっと無理な気もする。
    この文章はほとんどが俺の主観にすぎない。でも医療関係者なら大なり小なり感じてることだと思うんで、近くにいたら尋ねてみるといいかもね。

    ●科を変わるのがそんなに簡単なわけがないだろ?
    誰がすぐいっぱしに働くと言ったか。修練を最初からやり直すという意味だ。
    俺はまだ若手だしね。認定医とって、自分の外来持って数年。専門分野は勘弁してくれ。身バレしてしまう。
    転科すると給料はまた修練医レベルに落ちてしまうが、これまでの業務で感じた苦痛に比べたら大したことはない。

    ●その病院だけ辞めれば?内科諦める必要なくね?
    当直や救急のない病院に行けばいいのか。そうもいかない。俺は今、大学医局の所属だ。
    大学医局が用意する民間病院のポストは中核病院がほとんどだ。当直や救急のない病院などない。つまり悪質生保の来襲も避けられない。
    そして若手ごときが医局人事に逆らって関連病院を辞めるといったら、それは医局を辞めるってこと。
    いや実際もう辞めると言ってきたんだけど。院長よりも教授に事情を説明するのが大変だったな。
    さて、今後医局人事外の病院に就職しても、それなりの病院で修業しようと思ったら生保周りのいざこざは避けられない。
    こんな生活を50や60になるまで続けられる? 続けてなんになる?と思った時に、足が前に進まなかった。
    かといって検診医・バイト医になって内科っぽいことを続ける、というのも先が暗いと思った。
    自我崩壊せずに生きていくためには、もっと自分に合った分野でキャリア構築を最初からやり直すしかない。
    科が変わると、元の内科仲間の前では働きにくいかもしれないって? 他の地方に行けばなんということはない。
    俺、地元を離れた出身大学になんとなく残ってしまったクチなんで、単に戻ればいいだけなんだ。
    もう言っちゃうと、放射線診断医になることにした。地元の病院に今度専門医になった同期がいて、「うちで修業しろよ」と誘ってくれてる。
    元々学生の時から画像診断と内科で進路悩んでたしね。
    そうそう、臨床検査科についてだけど、技師だけじゃなくて医師もいるよ。少ないけど。
    病理と臨床検査は、どっちもずっと大学べったりじゃないと修練できないから、やめた。

    ●生保って病院経営的には優良顧客では?
    そうだとしても、彼らの素行がスタッフの士気に与える影響の方が問題で、生保患者の多量取り込みは中長期的には予後不良であると考える。
    あと、勤務医は自分の病院が経営的にヤバイことに関しては無関心。事務がどう思ってるかは知らんけど。
    部長クラスになると「おたくの部門回転率低いよ」みたいな突き上げがあるが、本質的に、勤務医には病院そのものに対する忠誠心はない。
    望む医療を実現したいとか、先輩のようになりたいとか、偉くなりたいとか金が欲しいとか、自分自身の価値観に拠って立つ人がほとんど。
    どうせ医局人事で転々とする身だしね。究極、働こうと思ったらどこでも働けるし。「逆に考えるんだ、病院がつぶれちゃってもいいやと考えるんだ」
    一般の患者には気の毒なことになるけど、日本はまだ病院多いからなんとかなるだろう。

    ●お前も食わせてもらってる立場だよね?
    まず税金で食ってると思ったら間違いで、病院の収入イコール人件費のメインは健保から。
    社会保険も広義の税と解釈しても、保険診療があるおかげで国際水準より安く医療を提供できて(させられて)いる。
    だから感謝しろと増長するつもりはないが、逆立ちしても食わせてもらっているという意識にはならない。
    現行の保険制度が崩壊したほうが病院の儲けは増えるよ。施設間の格差は広がるだろうけど、全体として医療費が増える。
    そこのところ、心に留めておいてほしい。

    ●生保患者なら慎ましくしろというのか
    まあその通りっていうか、当たり前だと思うのよ。せめて普通にしろと。
    俺は五体満足だし普通に教育受けて医者にもなれて、友達もいるし二親揃って元気だ。自分が幸運なほうだと自覚している。
    これがもし困窮した身になったら、生まれた環境が悪かったら、と想像すれば、そりゃ助け合いは大事ってことくらい分かる。
    そんな時に生保みたいな制度があったら、ああ、ありがたいなあって思うだろうよ。でも現状の生保患者の態度は、何ですかあれ。

    ●自身の労働環境問題と生保問題を混同している
    そうかもね。内科だけでなく、この国で前線部門で医者やるには色んな問題があるって、働いて分かった。
    日本では一次救急が機能しておらず、二次救急病院で〇.一~二.五次救急まで対応していること。
    本来は精神救急主体の症例まで一般病院に運ばれてしまうこと。薬出すだけ出して救急対応しないクリニックの存在。
    応召義務の理不尽さ。当直明けで普通に働かされてること。これらはそれぞれに解決しなければならない問題であると思った。
    でも俺は頑張ってたよ。誰かのために役立ちたいと本気で思ってた。嬉しい経験も、充実感も使命感をおぼえることも一杯あった。
    その裏で、いつも生保患者様がボディーブローを一発ずつくれていった。今じゃもう、何をしてもあいつらの顔がちらつくんだ。
    俺は最前線ではもうやっていけない。ここからは俺じゃない誰かが頑張ってください。全ての善良な国民の健康を祈ってます。

    転載元:こちらは匿名投稿『はてな匿名ダイアリー』からの転載です。

    画像:病院。『足成』

    http://www.ashinari.com/2010/06/06-337257.php

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