プラズマクラスター 効果に関するページ●何がいけなかったのか

既に報じられている通り、2012年11月28日に消費者庁からシャープに対して、措置命令が下った。

何やらものものしいこの処分、シャープ製の電気掃除機(EC-AX120 / PX120 / VX220 / AX200 / PX200 / VX300 / WX300)における広告の一部が「不当景品類及び不当表示防止法」に違反するというものだった。

具体的には、カタログでの表記上で問題があるとのこと。実際に指摘されたのは

「掃除機内部で浄化したクリーン排気にのせて高濃度7000『プラズマクラスター』を室内に放出。床と一緒にお部屋の空気まできれいにします。」、「ダニのふん・死がいの浮遊アレル物質のタンパク質を分解・除去」、「約15分で91%作用を低減します。(1立方メートル ボックス内での実験結果)」

……等の個所だ。

消費者庁によると

「これらの掃除機は、その排気口付近から放出されるイオンによって掃除機を使用した室内の空気中に浮遊するダニ由来のアレルギーの原因となる物質を、アレルギーの原因とならない物質に分解又は除去する性能を有するものではなかった」

との理由である。soujiki

●「効果なし」? 「詐欺」?! ネットでの風評
これを受けて「プラズマクラスター効果なし」「科学的な根拠なし」(読売新聞)という見出しを付けたニュース記事が飛び交い、ニュースまとめサイトの中には「シャープのプラズマクラスターが詐欺であることが消費者庁調査で発覚 アレルギー原因物質を分解除去するとカタログに表示→消費者庁「そんな性能ねーから」」(ハムスター速報)といった見出しを付けるものまで登場するに至った。

そうなると当然、『Twitter』などでも「プラズマクラスターそのものに効果がない!」という意見が散見するようになった。

シャープのプレスリリースを見るかぎりでは、掃除機のカタログ表記に問題があった、という読み解きができるのだが「プラズマクラスターそのものの効果がない」ような報道がみられる。多くの病院などでも導入されているこの機械、本当に効果がないのだろうか……?

●実際にシャープに聞いてみよう
まずはシャープのお客様相談センターに聞いてみることにした。電話をかけてみたところ、まずテープのガイダンスで説明が流されていた。やはり今回の命令における余波が相当大きかったようである。内容はこうだった。

お電話いただきましてありがとうございます。シャープお客様相談センターでございます。弊社掃除機に関しまして大変ご心配をおかけし誠に申し訳ございません。

このたびの件は掃除機の性能についてカタログ等での表示に関するご指摘であり、プラズマクラスターの性能自体の問題ではございません。また、対象となります掃除機以外のプラズマクラスター搭載商品には一切関係するものではございません。

どうぞ引き続き安心して商品をお使いください。詳しい内容につきましては、弊社ホームページでもお知らせしております。ご質問のあるお客様はこのままお待ちください。(テープ終了、オペレーター呼び出しへ)

要約すると、「掃除機性能のカタログ表記が問題」であり、「プラズマクラスター製品の性能は問題ない」ということである。

●ご心配をおかけいたしておりますがプラズマクラスターの性能には問題ございません
さらにシャープの広報の方にも電話で直接お話を伺うことができたのでまとめてみよう。

「今回はご心配、ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません。今回の問題はカタログにおける表記であり、プラズマクラスターそのものの性能における問題ではございませんのでご安心ください。」

――具体的な問題点について教えてください。

「プラズマクラスターで重要なのは“濃度”でございまして、濃度が一定に達すれば効果が現れるのです。空気清浄器などでは(原則的に)24時間稼働していますので部屋での(プラズマクラスターイオンの)濃度が高まるのですが、掃除機の場合、一日中回しているわけではないので、掃除機単体で部屋全体を満たすような濃度が一定に達するわけではないんですね。そういった使い方はされないと思いますので。そういったこともふまえまして、(カタログなどの)表現のほうが至らなかったことなど、処分について真摯にうけとめております。」

――プラズマクラスターそのものに問題はなかった、と。

「はい、プラズマクラスターそのものについては、ページなどでも紹介させていただいております性能に問題はございません。」「(効能における)調査なども(自社内だけの)ひとりよがりなものではなく、第三者機関に依頼をして調査させていただきました結果ですのでご安心ください。」

――プラズマクラスターを使う場合のポイントなどありますか?

「加湿器や空気清浄器などは、連続運転してあげたほうが、お部屋の中のプラズマクラスターイオンの濃度が一定に保たれるので、効果が出やすいという点でおすすめです。機種にもよりけりですが、電気代が抑えられるように設計されておりますので続けてご使用いただければと思います。」

「とはいえ、節電も必要ですので、(大量にプラズマクラスターイオンが出る)シャワーモードなどと併用しながら、ご利用いただければと思います。」

――ありがとうございました。

今回の件、要約すると、「掃除機だけではカタログに書かれているような、プラズマクラスター本来の効果が出にくいのだが、その部分を消費者庁に指摘された」ということになるのだろうか。

これから乾燥しウィルス性の病気が流行する季節に突入する。多くの病院や老人ホームでも愛用されている多くの製品の効果は「問題なし」ということで、少し安心できた取材だった。

実証データ |「プラズマクラスター」のご提案 :シャープhttp://www.sharp.co.jp/business/pci/feature/academic/

弊社掃除機のカタログ表示等に関する措置命令についてのお詫びとお知らせ | ニュースリリース:シャープ
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/121128-b.html


※画像はシャープ「プラズマクラスター」ポータルトップ、消費者庁資料より引用

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