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枝野元官房長官「政策判断で間違っていることはない」 民主党公開大反省会発言ダイジェスト
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枝野元官房長官「政策判断で間違っていることはない」 民主党公開大反省会発言ダイジェスト

2013-05-13 23:04
    2013-05-04 21.39.24

    2013年5月11日に都内で開かれた民主党公開大反省会。既に各メディアでの記事が報じられていますが、今回は出席した菅直人元首相、枝野幸男前経済産業大臣(元官房長官)、長妻昭元厚生労働大臣の三名の発言について抜粋してお届けします。

    ※詳細発言は動画をご覧下さい。

    民主党公開大反省会(2013年5月11日)

    ●菅元総理「震災で政治休戦すべきだったのに、そういかなかった」

    --総理をもう一度とすれば?

    総理はやりたくない(笑)。政権の時には民間の人を参与でお願いしたんですよ。派遣村の湯浅誠さんや、国家戦略室にも民間の人を採用した。やはり日本の内閣は官僚と政治家しかいない。民間が来た人が中枢にいるのは非常に意味がある。もっと活かす内閣を最初からきちんと意図して作りたい。政権交代の直前に古川君とイギリスに行きまして、ブレアのポリシーユニットが官僚と民間が半々。それを一つのモデルで、人を集めるのに数ヶ月かかった。次のチャンスがあれば全部人選しておく。

    --自民党とどれくらい仲がいいのか?

    震災が起きた頃には、本来あれだけのことがあれば政治休戦するのが普通の判断だと思いますが、残念ながらなかなかそういかなかった。いろいろな人を通して谷垣さんにそういうことを申し上げたのですが、結局のところ解散を優先するというのが当時の自民党のスタンスでした。政権を通した野党ということでは、お互い経験したので、国について何が重要なのか判断してやっていく。

    --政権で「間違った」ということは?

    SPEEDIについてはもっと早く把握してある段階から非難の参考にすべきだった。結果として私や官房長官のところに上がってくるのに時間がかかったのは政府としては申し訳なく思っています。

    --小沢一郎氏について

    (枝野氏の発言を受けて)確かによく分からない(笑)。自分の権力が最大限の状態を維持したい人。あとは全部手段。そういう人です。細川護煕政権の時に消費税の引き上げを中心で決めた人が今度は絶対反対とか、そういう例が山のようにある。判断基準は政策ではなくて自分の政治的影響力を上げるためにはどのような発言をすればいいのかということ。傾向は分かっていたけれどこれほどひどいとは思わなかったですね。鳩山由紀夫政権が始まる前の日に、政調を廃止すると言い出した時にはびっくりしました。私も岡田君(克也・元副総理)も反対したんです。400人の国会議員の中で内閣に入れるのは70人。政調会がなくなるということは政策議論をする所がなくなる。小沢さんにとっては、330人を完全に自分の手の中に握るため。普通ならば「何で政調会をなくしたんだ」ということでも自分の影響力を最大限維持するためだと考えると、これほど分かりやすい人はいないんです。

    --朝鮮学校無料化を支持したのはなぜか?

    朝鮮学校を無料化するのではなく、高校の授業料を無料化するというのが我が党の方針。その中に朝鮮学校や各種学校の資格も入れていました。それだけを外すことはしなかった。そういうことです。

    --鳩山さんに一言

    ご本人も「宇宙人」という言葉を割りと好んでいますが、私なんかは自分のことを割と常識人だと思っているのですが、やっぱり鳩山さんは「宇宙人」ですよね(笑)。

    ●枝野元官房長官「自民党は嘘と言われないようにごまかすのがうまい」

    --政権を失った理由は?

    官僚の常識が国民の非常識なのではということで「信用できる政府を作る」ということが民主党政権だった。官僚おまかせ政権と見られたことが失望の理由なのではないか。

    --政権で「間違った」ということは?

    SPEEDIに限らず与党になった瞬間に何があるか分からないわけだから、危機管理の時に政治の中枢に情報が上がってくるかどうかということをまず最初に検証しておかなければいけなかった。情報がない時に使っているのかときいて「使っていない」と嘘をつかれたわけですから。だけどどういうルートでどう上がっていくのかというプロセスをおさらいして、足りないところがあったら変えないといけなかった。何か起きた時の責任は与党の責任になるのだから、情報集約の仕組みについてはもっと細く詰めてチェックしておけばというのは、忸怩(じくじ)たる思いですね。

    --普天間の問題はどうか?

    あえて言えば、外交がマニフェストと受け止められたことが間違いだった。狭い意味でのマニフェストは「いつまでに必ずやります」という事と、「こちらの方向でやります」というマニフェストがある。外交はそもそもが相手があることで、いつまでに必ずやりますというのはすべきでないし断言できない。そのことが整理できていなかった。 

    --マニフェストが甘かった点は?

    いつまでにこれを「やれます」「できます」といっても国会に通るかどうかは分からないわけです。そうしたところまで分析出来てなかった。抽象的には「できる」と思ってやったが、国会でどれくらいの時間ができるのか(分かっていなかった)。あとで役所でつめるのにも時間がかかった。特に国会についてはプロセスについてはもっと緻密にやらなければならなかった。 

    --自民党のすばらしさは?

    自民党が素晴らしいところは一種批判なんです。嘘と言われないようにごまかすのがうまいよね、と。選挙の時はTPP反対を叫んで支持を集めたけれど、公約には国益に反することはダメだと書いてあったから、ちょっと見るとTPP反対に見える。こういうのがうまいなと。これは本当に褒めていてどうすれば国民の皆さんに伝わるのかということを考えている。同じやり方を真似してはいけないけれど、これは謙虚に学ばなければならない。

    --小沢一郎氏について

    分からない人。何をしたいのかとにかく分からないという一言に尽きます。

    --朝鮮学校無料化を支持したのはなぜか?

    要するに高校の単位の中に、例えばインターナショナルスクールをはじめとして、従来の形式上は朝鮮学校を含めて全部一緒なんです。実は政治的には外した方がいいと思っていろいろ考えたんですが、なかなか朝鮮学校だけを外す理屈を組み立てられなかった。外せば裁判になれば負けるという話。政治的に得だからいずれ何年後の裁判に負けても外すという選択はあったかもしれない。逆にインターナショナルスクールを全部外すのか、という話になる。

    --鳩山さんに一言

    政治家に対する評価は50年くらい後にはじめて固まると思います。そう意味では(私は)近くにいただけに、どうコメントしても客観性がないと思います。

    --官房機密費について。使途を公開しなかった理由は?

    ルール化しようと思ったんです。全部を全面公開したら機密でなくなってしまう。これだけは官房長官の引き継ぎがないんです。そうすると、いろいろな時期に国民との税金を使わせて頂いても相手との関係だけに、表に出せないなというものがあって。どうすればルール化できるのか、というところで、政権が安定していなかった。二年間継続できる官房長官がいて、公開するルールが作れるということです。

    --原発の放射能汚染についての公開の問題は?

    私のところに来た事実関係の情報は全て公開しています。原子力については全員が一致する見解はありませんが、基本的には東京の全体としての放射線量は避難をお願いする状況でなかったし、避難を検討する段階ではなかった。客観的に見てその判断は間違ってないと思っています。

    --原発は必要か否か?

    できるだけ早くやめたいと思っています。

    ●長妻元厚労相「ネットで威勢のいい発言が目立っているのは気になる」

    --マニフェストが甘かった点は?

    期待値が高すぎたというのはあったと思う。与党になって同じことをいえるか。政権交代前の時代では先鋭的に政府を追求する。中の情報を整理に分析するのではなく、マニフェストで大風呂敷を広げることになったという反省はあります。

    マニフェストを作る時に財務省にアドバイスをもらっていたんです。ですが、具体的なプロセスについては意見交換がなかった段階のマニフェストだった。今後は緻密な検証をもってプロセスも用意してやっていかなければいけないと思います。

    --自民党のすばらしさは?

    官僚主導から政治主導ということでは、自民党は政権についているのが長いので、官僚について熟知している秘書や党職員が大変多い。そういう情報がないと政権を運営できないということでは、自民党以外が与党になれないということになる。我々も野党でも情報を取っていかないといけないと思います。

    --自分の担当したところでのミスは?

    主婦年金の追納問題は、社会保険庁に匿名のアンケートをしたのですが、専業主婦がもらいすぎているという問題が明らかになって、委員会でも議論をして、厚生労働省の通知で解決できるとしてそのような処置をしましたが、その後国会で問題になり、それが法律でやるべきだと指摘されて、国会でやるべきだと反省をしています。

    --政権内で、失敗したという部分は?

    大きな課題というのは、内閣に入っている方は情報をよく分かっている。与党には情報格差が非常に大きい。与党としてもサポートしたいけれど術がない。与党の内閣が入っていない議員。もっと内閣にいる時にやっておくべきだったと思います。

    --自民党がすばらしい点は?

    最大のところの一つは、(民主党には)厚生労働省にも他の役所にも手足がいない(が自民党にはある)。自治体の組長さんのほとんどが自民党。国全体の政治勢力は自民党が占めている。地方自治体の一つ一つを変えていくのは10年以上の話になってくる。そういう意味では自民党が積み上げてきた力です。

    --小沢一郎氏について

    経世会の政治ビジネスモデルを継承している主流のこれまでの政治手法だと思いますが、まず結束優先で、そのためには政策を変えるきらいもあるのではないか。やっぱり政治モデルを超えたスタイルが確立されていないというのが課題だと思います。私とはちょっと感覚が違う政治家だと思います。

    --鳩山さんに一言

    一緒に旅行に行かせてもらえばもっともありがたい人だと思いますけれども、この道を進むとするとてこでも動かんというところが方向性の弱いところがある。非常に勇気のある方だと思う。私を閣僚に抜擢したわけですから。

    --これからの年金について

    若いフリーターの人に15000円の国民年金が払えないから、老後苦しくなったら生活保護を受けるという考え方は間違っているのかどうなのか、と質問されるのが一番切なく危機を感じる。無年金低年金の問題や非正規雇用の300万人の方が国民年金や国保に入らなければならないというヨーロッパ諸国では考えられない状況になっている。我々は年金を一元化して、その税金を何十万円も貰っている人にも税金の補助が入っているので、低年金の方にシフトして受給額に上乗せするという制度を提唱している。この問題を解決すべく自民党を巻き込んで法案を通していきたい。

    (厚労省は財源がなくなると言っているが?)これは「100年安心プラン」と言って、途中で破綻することなく続くんですが、例えばお小遣い程度の低年金や無年金の方が発生するというのが、果たして年金と呼べるのか。確かにカネは持ちますけれども、私は役割を果たせないと思っています。自民党は三党協議に前向きではありませんが、なんとか前に進めたいと思います。政権交代のたびに年金制度が変わるというのは不幸な話です。

    --アベノミクスについて

    エール大学の浜田宏一教授も「壮大な実験」だと言われているわけですが、私は3つの副作用、放漫財政・バブル再来・格差拡大があると申し上げている。野党の立場で国が誤らないようきちっとチェックをしていく。バブルは私も経済部記者で経験したが、崩壊過程は本当に悲惨です。ロストジェネレーションで就職氷河期になります。バブルは絶対に起こしてはいけないというのが、人類の知恵なので、きちっとやっていきたいと思います。

    --ニコニコ動画で自民党が人気なのはどう考えているのか?

    私にも明確には分かりませんが、多少右傾化の話が世の中に流れてネットでもけっこう出ている。核兵器で武装するシミュレーションだとか国防軍だとか。今戦場体験と戦争体験というものがあるんですが、戦場に行った日本国民は最年少でも85歳くらいになられていて、多くの方は亡くなられている。10年前ならば「こういうきなくさい話はとんでもない」という声が大きなうねりになって社会現象になったのだが、今は音なしというか、そういう雰囲気がある中で、かなり威勢のいい発言が目立っているというのが私にとっては気になるところです。

    --生活保護をはじめとする、社会保障のバランスの問題は?

    生活保護の不正受給については、犯罪ですから我々の政権でも取り締まりを強化する対策をして、今も継続した法律が自民党政権から出てきています。それとは別に、生活保護を貰うべき方が貰っているということについては最後のセーフティーネットですので、他の制度とはまったく違います。このセーフティーネットがいい加減な議論でほころびをみせては、最後に死が待っているということになりかねないので、慎重な議論が必要になる。生活保護を受けずに頑張っている方に対しても、低所得者への対策は住宅手当の拡大などいろいろやっている。今年8月に戦後最大の生活保護の切り下げがあるが、生活保護を受けている方でなくて、最低生活水準も下がるので、生活保護を受けていない低所得者の方も切り下がります。これは格差が拡大するのでおかしいのではないかということで、国会でも大きな時間をかけて取り組んでいます。

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