第46回衆議院選挙に大敗、3年3か月で幕を下ろすことになった民主党政権。いちブロガーの視点で大臣会見の模様をレポートしていますが、今回は枝野幸男経済産業大臣の2012年12月25日10時20分ごろに開かれた会見に参加してきました。
鳩山由紀夫政権のもとで事業仕分けの統括役を務め、行政刷新担当大臣に就任。菅内閣では官房長官になり東日本大震災では不眠不休の働きで「枝野寝ろ」とネットユーザーが心配されたのが記憶に新しいところ。野田内閣では失言で辞任した鉢呂吉雄氏の後を受けて経済産業大臣に就任し、関西電力大飯原子力発電所の再稼働を主導するなど、一貫して党・政府の中枢にあり続けました。
民主党の中でもキーマンである枝野大臣には12月25日に開かれる民主党代表選挙に質問が集中しました。それに対して「コミットしない」の一点張りで、誰に投票するのかを明かそうとはしませんでした。「代表選挙が記名投票にすべきというご意見があると思うが、(現状は)無記名投票。選挙に敗北したということを受け総合的に判断して、それが正しいと確信している」と述べ、時事通信社の記者が「自分で(代表選挙に)出ようとは思わなかったのか」と畳み掛けられても「一有権者として投票するが、それ以上はコミットしない」と繰り返しました。一方で、「民主党が国民から頂いた厳しい審判は、一人ではなく全体が受け止めるべきもの」と指摘するのを忘れませんでした。
また、未着工の原子力発電所についての質問がフリーランス記者から飛ぶと、「個人としても党としても着工してない原発は認めない」と述べる一方で、「選挙で自民党が勝って民意は示されている。自民党政権が始まる前にいろいろ言うのは間接民主主義制においては僭越」と語り明言を避けました。
私からは、「日本新党で当選された頃より政治不信の脱却を訴えてきたが、政権を取っても払拭されなかったことに対するご自身の分析は」という質問をしてみました。それに対して、枝野大臣は「政治不信という言葉よりも、”従来の政治風土からの脱却”と言っている」と訂正しつつ、「私自身は変化はしていないが、政治全体の古い政治風土からの脱却は充分な成果を挙げていない。このことについては忸怩(じくじ)たる思いを持っている」と認めました。
さらに、自身の今後の政治活動について問うと、「近代化路線からの脱却と富の再分配は一貫している。詳しくは本を出したので読んで頂きたい」と述べました。
終始、表情も変えずに淡々と質問に応じた枝野大臣。会見室には経済部・社会部の記者あわせて数十人が詰めていたのですが、どことなく冷ややかな空気。「コミットしない」と繰り返す姿勢に対して不満を漏らす記者の姿も多く見られました。
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