今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ(土曜定休)』からご寄稿いただきました。
■相談する人を間違えるのは致命的なんじゃないか ~身の回りのキカザル~
いつも借りてる共有オフィスで、アルバイトの学生がとある伯父さんに「マーケティングで食べていてきたいんですけど、就活するにあたって色々とご相談に乗ってください。これからマーケティングの業界どうなりますかね。」というような相談を持ちかけていた。その伯父さんは、マーケティング業界で有名な某著名外資系化粧品会社出身の60歳前後のフリーランスの男性。学生としてはその人の実績を見込んで指南役と仰いでるんだろうけど、横から聞くと「日本は~でアメリカは~」とか「オレはアメリカで学んで~」とかいった話ばかりしている。そりゃアンタ達の時代はアメリカが勢い良かったんだから当たり前の話だろ、ってところで、端的に言えば「自分は上手く時流に乗ることが出来た」って言う話をしているに過ぎない。その人がこれまで経験して来たことの延長戦を話しているのであって、本質的には未来を述べている訳じゃないんじゃなかろうかと。
そんなことを思って「あの人もう引退間際で最前線にいる訳じゃないんだから、他の人に話も聞いてみたら?」と言ってみたのだけれど、その学生はその人の実績なり成功体験なりにとらわれて、全然聞く耳を持たずといったところだった。些細な例だけれど、こんな話は日本中どこにでもある気がする。特に役所関係ではその傾向は顕著で、「20年~30年前に○○というプロジェクトを成功させた」というような人が未だに重鎮としてのさばってる。多分その人の実績を以てして色々と頼ってるんだろうけど、大抵その手の人が手がけたプロジェクトはあまり上手く行かない。
よく考えてみれば当たり前の話で、これからの変化というのは最前線でその変化を味わっている人じゃないと感じられるはずが無い。引退間際で、日経新聞とプレジデント読んで「これだから日本は」とか「これだから今の若者は」とか言ってる人に先のことが分かるはずが無い。坂本龍馬に勝海舟がいたように、自分も含め経験の浅い若者にとって自分を引き上げてくれる指南役が不可欠なことは間違いないけれど、だからこそ指南役というのは慎重に選ぶべきなんじゃないかと思う。少なくともその指南役というのは、引退間際のロートルじゃなくて最前線でバリバリ活躍している人じゃないと、逆に経験論に頼った誤った指示を連発して有害無益なんじゃなかろうか。
でも実績を重視する思考をする人に何を言っても意味が無いんだけどね。そういう人達って本質的に「自分で考える」ということをせずに、誰か「凄い人」の権威にすがりたがってるだけだから、情報に対する感度が鈍い。そうやって「過去の凄い人」にとらわれて未来を見誤っていくんだろうな~。そんなわけで、自分で考えられないってことは不幸だ、ってことを感じた日でした。学生のみなさんはくれぐれもロートルを指南役を仰ぐようなことはやめておきましょうね(ハート)
ではでは今日はこんなところで。
執筆: この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ(土曜定休)』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年06月04日時点のものです。
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