2013年6月7日10時20分頃、中央合同庁舎第4号館で開かれた山本一太内閣府特命担当大臣の記者会見が開かれました。席上では、科学技術総合戦略や野中広務元官房長官の中国での発言、橋下徹大阪市長の八尾空港でのアメリカ軍オスプレイ飛行訓練の提案に関する見解と並んで、閣議決定された知的財産政策に関する基本方針についても言及されました。閣議決定の内容は、記者向けに資料が配られました。関連する大臣の発言とともにご紹介します。
※詳細な大臣発言・質問・議事録は、内閣府ホームページにてご確認下さい。
●「知的財産政策に関する基本方針」についての山本大臣の発言要旨
「平成14年に(小泉)総理による知的財産立国宣言があって、これにより知財基本法が制定されました。平成15年の知的財産戦略本部が設立され、知財先進国に追いつく追い越すを目標にしていました。それから10年、気がついてみれば新興国がどんどん台頭して、国際知財競争も激化しています。アップルとサムスンの競争や対決はご存知の通りです。他方、日本はコンテンツ国内市場の伸び悩んでまして、2005年に13兆円だったものが、2010年に12兆円。コンテンツこそ成長戦略の源になるものなのに、今非常に厳しい状況」と現状認識を示した山本大臣。
知的財産戦略本部で決定した『知的財産政策ビジョン』では、理念に「このままではコンテンツ知財の競争から脱落してしまうという危機感をにじませた」といい、「他国からユーザーやイノベーション投資を呼び込む魅力ある知財システムの構築」「我が国の知財システムをアジアなど新興国のスタンダードとする」「創造性と戦略性を持ったグローバル知財人材を継続的に輩出する」を今後10年で目指す目標と定め、「知財で世界のリーダーシップを取る」としています。
知財政策の基本方針は、これまで知財戦略本部の決定だったものが、今回は閣議決定。「担当大臣の強いわがままで閣議決定をさせて頂いた。それくらい私たちは知財戦略が大事だと思っていますし、内外に対するメッセージになると思っています」と強調します。
また、企業の海外での活動を支援する知財システム構築や中小・ベンチャー企業への知財マネジメント強化支援、デジタルネットワーク社会に対応した環境整備に並んで、「コンテンツを中心としたソフトパワーの強化」が柱の一つと明言。
中でも、先日取りまとめが発表されたクールジャパン推進会議にも触れ、「稲田大臣のクールジャパン、しっかり後押ししていきたいですし、コンテンツ立国、特にクールジャパン立国であると稲田大臣を中心にして総理にも発信してもらいたい。相当前にブログで書いて、みんなにお願いしている」と力説しました。
●参考資料
「知的財産政策に関する基本方針」(閣議決定)について 2013年06月07日『知的財産戦略推進事務局』[リンク]
http://bit.ly/19O9wuY「知的財産政策ビジョン<2-1>」2013年06月07日『知的財産戦略本部』[リンク]
http://bit.ly/194kmOw「知的財産政策ビジョン<2-2>」2013年06月07日『知的財産戦略本部』[リンク]
http://bit.ly/11oqcT0
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