米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者による、国家安全保障局の監視活動の暴露が波紋を呼んでいます。このたび、市民のプライバシーを侵害しかねない行為がまた明るみに。米郵政公社(USPS)が郵便物を撮影・保存し、司法省が監視プログラムの一部に組み込んでいると関係者が証言しました。『ワシントン・ポスト』などが報じています。

USPSと司法省が11年間行っているとされる監視プログラム。その内容は郵便物の外側にある情報(名前、住所、差出人住所、消印など)を撮影・保存するというものです。昨年だけで1600億通もの郵便物が対象に。

元FBI捜査官は「情報の宝庫だ」と証言し、捜査官が召喚令状を出すきっかけにもなったと打ち明けました。なお、監視プログラムは、郵便物の中身までは及ばず、外側の情報は誰でも簡単に閲覧できることから、憲法違反に当たらないとみられています。

監視プログラム開始の契機は2001年、炭疽菌入りの封筒がメディア関係者や上院議員に送り付けられ、5人死亡・17人負傷の惨事を招いた事件。以後、プログラムは極秘扱いでしたが、今春に発生したオバマ大統領とニューヨーク市のブルームバーグNY市長に猛毒のリシン入りの封筒が送り付けられた事件の捜査中、FBIの言及で明るみになりました。

刑事告訴状によると、リシン入りの封筒を追跡していたUSPSの調査担当者は監視プログラムを利用したとのこと。汚染された封筒が送られる前後の郵便物の画像に写っていた差出人住所からテキサス州在住のシャノン・リチャードソンを容疑者に絞り込み、彼女の逮捕につなげました。

凶悪事件解決の一助に成り得るUSPSを利用した監視プログラムですが、裁判所による令状や許可を必要としないことから、「見境の無いやり方だ」「プライバシーの侵害では」と困惑や反発の声が上がっています。

画像: USPSトップページのキャプチャ

https://www.usps.com/

※この記事はガジェ通ウェブライターの「綾瀬 新」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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