表はスマホ裏はデジカメ。謎デバイスGalaxy S4 Zoom使い込みレビュー

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■表はスマホ裏はデジカメ。謎デバイスGalaxy S4 Zoom使い込みレビュー

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液晶画面側だけを見るとどこからどう見てもGalaxyでしかないのに、ひっくり返すとまんまコンパクトデジカメという異形のキワモノ新機種「Galaxy S4 Zoom」。Android搭載のデジカメというだけならCOOLPIX S800cがありますし、GalaxyでということであればGalaxy Cameraもあります。それらと何が違うのか?Galaxy S4 Zoomは実際デジカメとしてどうなのか?

思わずぽちってしまいバリバリ使い始めましたので、ちょっとばかり使用感をレビューしてみたいと思います。

●スマホとしてのGalaxy S4 Zoom
まずは「スマホとしての」使い勝手から。

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普通に持って画面だけ見ているとほんと普通にGalaxyです。先代(正確にはモデルが違うようなので先代と言っていいのかよくわからないのですが)Galaxy Cameraは実は手に持ってみると「うおっ」と思わず声が出てしまうデカさだったのですが、S4 Zoomは手になじむサイズで、持ち歩いていても苦にはなりません。スマホとしては結構重い(208g)のですが、厚みも含めてサイズ感が「コンパクトデジカメ」なので脳がそういうものだと認識するのか、そこまで重いとは感じません。またカタログスペックとしては「S4」という名と裏腹にGalaxy S4からはだいぶ見劣りするらしい(実はこのへんあんまり興味ないのでよく知らない)とはいえ、触っている限りでは様々な動作に機敏に反応し、非常に快適です。少なくともこれまで使っていた初代Galaxy Noteよりも快適(OSのおかげもあるのかな?)。ただLTEに対応していないのは2013年の今としてはちょっと痛いかな(これもまあそれほど困るかというと実際のところはそうでもない)。

大きさ・重さはジーンズのケツポケットに入れての携帯に問題ないレベルです(入れたまま座ったりしちゃだめですよ)。自分は生活習慣上「ケツポケットに入らないものは結局持ち歩かなくなる」ので、この「ケツポケ圏内」でネット接続デバイスとコンデジが共用できる、というところに魅力を感じた次第。

実際この運用をしてみると、デジカメ部がでこぼこしているので、ケツポケットからの取り出しに引っかかりがありスムースに行かないことが結構あります。慣れると思いますが、そこはちょっと減点ポイント。

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でこぼこといえば…スマホのようにS4 Zoomを持つと、レンズの部分が絶妙な位置にあり、こんな感じで指にレンズを引っかけて持つようになります。安定して落としにくいんだかレンズが邪魔なんだか微妙なラインではありますが。

総じて、「常時携帯して、普通に3Gで自由にネットに繋いで、スマホとして使う」ことにはさすがGalaxyというか特に大きなストレスはありません。むしろ快適。先述したように「LTE」や「ポケットからの取り出しで引っかかる」といった些末な点はありますが、ほとんどの場面で実に快適な「最新スマホ」として使えます。そのあたり、でかすぎ(Galaxy Camera)や3G繋がらない(COOLPIX S800c)など、そもそもそのままスマホ相当として使うことがあんまり想定されていなかった今までのデバイスと大きく違うところだと思います。まずAndoridスマホとして、ちゃんと使える。自分はデータ通信契約なので使っていませんが、電話もできます。この見た目で!

あ、ちなみに購入時の状態では言語で「日本語」が選べませんが、ここ(Galaxy S 4グローバル版を日本語化する方法)*1の手順そのままで日本語化できました。Galaxy S4 ZoomはAndroid 4.2.2なので、古いADBを使っている人は最新版をダウンロードしてきましょう。

*1:「Galaxy S 4グローバル版を日本語化する方法」 2013年05月05日 『juggly.cn』
http://juggly.cn/archives/86324.html

●デジカメとしてのGalaxy S4 Zoom
さあ、それではデジカメとしてのS4 Zoomはどうでしょう。

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ちゃんと三脚穴もあります。購入時はこの穴に蓋がしてあるのですが、引っ張って取るとねじ穴が出てきます。この、「三脚穴もあるけど、購入時にはふさいである」というのがこのデバイスの性格をちょっと象徴しているのかなあと思います。「Galaxy S4」Zoom、という名前も含めて「まずはスマホ」という立ち位置。

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レンズは沈胴式で、カメラアプリを起動するとすっと伸びます。写真は最大ズーム時。

電源投入で強制的にカメラアプリが起動…といったことはなく(設定は可能)、あくまでも「カメラアプリを起動した時」にカメラになります。ただズームリングを回すことでカメラ専用のランチャが起動したりといった「カメラを使いやすくするための工夫」はありますし、どこでもシャッター長押しするとカメラがぱっと起動するので「すぐカメラとして使うのに困る」ことはあんまりありません。

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レンズは広角端が換算24mmから光学10倍ズーム(F3.1~F6.3)。常に携帯する「お散歩カメラ」としては広角24mmの画角は結構おもしろいと個人的に思っている*2のですが、それだけでなく24mmから10倍ズームで好きなところが使えるってのはハッキリ言っておいしい。この写真はそれぞれ広角端・望遠端ですが、これだけ寄れるとさすがに何でも撮れる感があります。

*2:「ソニーNEX-5の16mmパンケーキレンズを使い倒す」 2010年06月07日 『MobileHackerz』
http://blog.mobilehackerz.jp/2010/06/nex-516mm.html

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センササイズは1/2.3ということであまり大きくはなく、被写界深度や高感度・ダイナミックレンジなどはいまひとつ。そのあたりNokiaのお化けカメラ搭載スマホPureViewシリーズと比べるちゃうと弱い(あれも欲しいなー)。それでも10倍ズームの望遠端でぴっと狙うとしっかり「スマホらしからぬ」写真が撮れます。

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…「『狙うと』『スマホらしからぬ写真』」と微妙な表現をしましたが、実際Galaxy S4 Zoomを「カメラとして」画質評価をするとちょっとしんどいところがあるのは事実。レンズは若干暗く周辺流れなどありますし、仕上がった写真は細かく見ると独特の「塗り絵」感があります(画像エンジンがあまりこなれてないのか等倍で見ると結構細部が潰れている)。これは暗所撮影で顕著で、かつ感度もあまり高くないのもあって屋内での子供撮影はちょっと気を使います。いまどきの日本メーカーの「とりあえずシャッター切ればだいたいきれいに撮れる」コンパクトデジカメを脳裏に置いて「コンデジ」をイメージするとちょっとギャップがある感じです。印象としてはちょっと前の普及帯コンデジ、くらいでしょうか。

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絞りは開放か内蔵NDフィルタかけるかの2択で、そのため絞り優先やシャッター速度優先といった撮影モードはありません(そもそもシャッター速度/絞りの組み合わせが選びようがない)。ただマニュアルモードやEVシフト、感度設定などはできるのでコツを掴むと結構いろいろ狙った絵が撮れるようになります。

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それでも画質が気になるのは「細部を見た時」なので、等倍で眺めたりしなければぱっと見た範囲ではちゃんと撮れます。いままでここに掲載した作例を見ても問題ないですよね?(でもこれらも拡大して見ると結構アラがあります)なので、気合い入れて写真撮るような時はともかくスナップカメラとして使うぶんには特に不満はありません。ていうか、気合い入れて写真撮るような場面では別にデジカメ持っていけばいいってだけの話ですね。

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…とまとめるとデジカメとして全然いいとこがないような感じになっちゃいますが、そこはそれ。Galaxy S4 Zoomの最大のメリットは「これがデジカメではなくスマホと同体であること」です。その一点がすべて。普段肌身離さずスマホを持っているネットジャンキーにとって、その使い勝手はそのままでカメラが10倍ズームつきになる…これなのです。

ちょっと子供と散歩する。そんな時にまでいちいちデジカメ持って行くのは面倒だな…と今までもスマホのカメラ撮ったりしてましたが、そこにズームがつくとこんなに便利になるか!いろいろ写真撮れるようになるか!という感じです。今まで内心無自覚にあきらめていた「もうちょっと寄りたい」が実はちょこちょこあったんだなあと思い知らされました。

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そして、このデバイスがネットワーク常時接続、かつAndroid機であることのすばらしさ!写真撮ってそのままインテントでツイート*3することももちろん自然にできるし、Galaxy S4 Zoomにはdropboxクライアントがバンドルされており(そしてdropboxの2年間の50GB増量がついてくる)標準状態で撮った写真がざくざくと自動的にdropboxに同期されていきます。

*3:「Androidのインテント機能はすごい」 2010年07月09日 『MobileHackerz』
http://blog.mobilehackerz.jp/2010/07/android.html

カメラ自体がそこそこちゃんとスナップに使えるカメラであることもあり、日常撮った写真が何もしないまま同期されてるこの快感!そして「日常的に持ち歩いているスマホ」だからこそ「既に習慣として常時フル充電状態」なのでバッテリー管理を考えなくていい、というのもあります。(逆説的ですが、たまにしか使わないデジカメのほうが充電を『めんどくさい』と感じてしまう。この感覚わかります?)

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というわけで「デジカメとしてのGalaxy S4 Zoom」は「カメラの画質はデジカメとして見るといまひとつなところはあるが、このデバイスの真価はそこではない」「常時携帯デバイスとして見れば常用に足る充分な画質であり、その上で今までのスマホでは撮れない使い方がいっぱいあるのでとても便利」といったところ。スナップカメラとしてかなり良い出来と言えます。

ちなみに、この見た目なので当然(「カメラじゃないのに写真撮られる警告として」携帯カメラでは必ず鳴る)シャッター音は標準で消せます。これも「飯カメラ」として使う時には便利ですね。

●Galaxy S4 Zoomユーザ必携!とっても便利なアイテム

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Galaxy S4 Zoom、このあまりにもデジカメ然としたたたずまいを見ると本当に普通にカメラとして使いたくなるのですが、実はある場面でちょっと困ります。実はこれ、

デジカメではなくスマホなので角が丸みをおびており、立てて置こうとしても自立しないのです。カメラをテーブルなどに置いてセルフタイマーをセットし、記念写真を撮る…よくある光景だと思いますが、Galaxy S4 Zoomを使って同じことをしようとすると自立しないのでハマるのです(セルフタイマー自体はもちろんあります。暗所撮影用の2秒セルフもあります)

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そこで便利なのがこれ、tiltpod*4。三脚ネジのところに丸みのついたアタッチメントを装着しておくと、台座部分についている磁石にくっついて安定し、自由に角度設定ができるようになるアイテムです。

*4:「カメラスタンドに早変わり!「tiltpod for コンパクトデジタルカメラ」 チルトポッド(デジタルカメラ用)」 『amazon』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0094AZPSY/

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アタッチメント部は常時装着しておいても邪魔にならないサイズで(実際つけたまま「スマホとして」扱っても全く邪魔に感じません)、台座部分はストラップとして持ち歩けるようになっているので、このデバイスの真髄である「常に持ち歩く」ことを邪魔しない、常に同時に持って行けるデザインになっています。そう、これがとてもいい。他の小型三脚はどうしても「別に持つ」感覚があったり常時装着しようとするとスマホとして携帯するのに難があったりするので、ここが両立できるのはすばらしいです。

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実際にこれを使ってS4 Zoomを立てるとこんな感じ。

S4 Zoomは重量があるため、規定の三脚穴位置だと支えきれず微妙に横に傾いたりするのですが、そこは写真のようにストラップを下に敷くことで水平を作れます。ただ自立させるだけではできない自由な角度での設置が可能になるだけでなく、動画を見たりする際のスマホスタンドとしてもそのまま使えるのでまさにS4 Zoomにベストマッチといえます。

というわけで「底面が丸みを帯びているので自立しない」というのも「まずはカメラというよりスマホ」というS4 Zoomの立ち位置を象徴している話ではあるのですが、そこはそれ、tiltpodを組み合わせて使えばスマホとしてもより便利になるという便利アイテム。おすすめです。

●どこで買えるの?

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Amazon*5、1shopmobile*6やEXPANSYS*7などで買えます。私はEXPANSYSで買いましたが、朝にぽちったら翌日には届いてました(FedEx配送)。便利な世の中になったものです。

*5:「Samsung Galaxy S4 Zoom (White ホワイト) SIMフリー 海外携帯」 『amazon』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00DSR62KY/

*6:「Samsung Galaxy S4 Zoom (White)」 『1shopmobile.com』
http://www.1shopmobile.com/catalog.php/1shopmobile.com/ct/pd2187443/Samsung_Galaxy_S4_Zoom_White_

*7:「検索結果: "s4 zoom"」 『EXPANSYS』
http://www.expansys.jp/s.aspx?search=s4%20zoom

執筆: この記事はMIROさんのブログ『MobileHackerz再起動日記』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年07月23日時点のものです。

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