麻生太郎の野望

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

■麻生太郎の野望
「経済・マネー | 【金融スクープ】消費増税「毎年1%ずつ」最有力 麻生氏失言でスケジュール変更に」 2013年08月14日 『ZAKZAK』
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130814/ecn1308140730004-n1.htm

ナチス失言で麻生太郎の発言力が低下し、消費税増税がトーンダウンしたのではないかという話。消費税増税を声高に叫んでる中心は麻生太郎だけだと思うのだよね。

で、理由は、安倍晋三がアベノミクスで注目の的なので、「じゃあ、俺もなんか実績を」と考えて、財政健全化の旗印の担い手を買って出たのではなかろうか。そもそも麻生太郎は最初の頃「経済は学者の計算通りには行かない」みたいなことを言っていた。つまりアベノミクス(金融緩和)にあまり肯定的ではなかった。ところがアベノミクスがそれなりに成果を出してしまったので、慌てたわけだ。

まあ俺の邪推かもしれないけど、結構当たらずともと受からずの気がするんだよね。財政健全化に成功した実績をもって、次期総理の座を、と。正直麻生太郎ってあんまり物事を深く考えないタイプだよね…。「細けーことは、いいんだ」みたいな。

   *   *   *

もちろん消費税増税を唱えているのは麻生太郎だけではない。自民党の国会議員の中にもいるだろう。ただそれは、悲願だった消費税アップがようやく実現しそうなのに、このタイミングを外したら、またいつになるかわからないという不安というかトラウマからではなかろうか。

自民党って大平内閣(1978年)に端を発する消費税との戦いのようなものだよね。政権交代の遠因にもなった。まさに血みどろの戦い。

ようするに、いま必要だから消費税増税を強硬に主張しているのではなく、このタイミングを逸したらまたいつ実現できるかわからないから、主張している。その心配自体は正しいとは思うけどね。アベノミクスでデフレ脱却したとしても、経済が一本調子で成長していくとは思えない。景気回復が不十分だから消費税増税先送りとか言ってると、永遠にできない恐れは確かにある。

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そう考えると景気条項を外して、毎年有無をいわさず1%上げていきますよ、という案はわりといいように思えるんだけどね。ただその法案を可決するのにまた一苦労ではある。いくら与党が過半数でも、与党の中にも自分が「(新たな)消費税増税を可決した」という悪者になりたくない議員はいるだろう。

というか俺が議員だったら嫌。だってもう死ぬような思いをしてようやく消費税増税法案を成立させたのに、一度破棄してまたやり直しましょうってことだよね。「やめて~」と叫びが聞こえるよう。マスコミや国民からも叩かれるだろうし、その混乱で安倍政権が弱体化したら、他の政策の実現も危うくなる。そんなことなら、増税を決めても影響が出てくるのは来年以降なのだから、その前にさっさと他の政策を実行してしまおう、と。

まあ経済というよりも完全に政治の問題ですな。いや、政治の問題というよりも、もはや政治家のメンタリティの問題。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年08月15日時点のものです。

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