違憲の意見(弁護士 壇 俊光)

今回は壇 俊光さんのブログ『壇弁護士の事務室』からご寄稿いただきました。

■違憲の意見(弁護士 壇 俊光)
非嫡出子の相続分規定を違憲とする判断がでたようである。久々の法令違憲である。

早速HP*1にあがっている。

*1:「検索結果詳細画面」 『裁判所』
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83520&hanreiKbn=02

全員一致の意見のようである。

最高裁の判断は、時代とともに合理性が変遷したということのようであるが、子供の相続分を人質に親に自省を求めるなど許されない。そんなものは、民法起草時から同じである。

正直、平成7年の合憲判断があまりにもチキンだっただけであるが、問題は、それだけではない。

実は、日本は、2008年の第5回報告で、国連自由権規約委員会から、非嫡出子相続分規定の撤廃を勧告*2されているのである。

*2:「自由権規約委員会 第94回会期 ジュネーブ 2008年10月13日-31日 規約第40条に基づき締約国より提出された報告の審査 自由権規約委員会の最終見解」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/pdfs/jiyu_kenkai.pdf

裁判所から補足意見で指摘され、国連から指摘されても、政府はなんともせずに、今回の違憲判決に至ったのだから、駄目駄目である。

ちなみに、国際自由権規約委員会は、他にも取調の可視化等様々な指摘をしているが、対応したという話はとても少ない。さらに駄目駄目である。

結局、最高裁が判断しなければ、中世と言われるのである。

執筆: この記事は壇 俊光さんのブログ『壇弁護士の事務室』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年09月13日時点のものです。

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