三越の包装紙と結婚祝いののし紙のお話

今回は『三越』からご寄稿いただきました。

■三越の包装紙と結婚祝いののし紙のお話
「華ひらく」という名を持つ三越の包装紙は、愛され続けて半世紀以上。
その誕生のエピソードと、三越のラッピングに込められた想いをご紹介します。

●Point01 日本の百貨店で初めてのオリジナル包装紙
戦前、百貨店の包装紙といえば地味なハトロン紙が主流。三越でも、新築予定の新館を描いたり、干支をデザインしたりと、その時々の話題を取り入れた包装紙を作ってはいましたが、いわゆる定番の包装紙は用意していませんでした。クリスマス用に「百貨店のシンボルとなるようなオリジナルの包装紙を作ろう」という話が持ち上がったのは、戦後間もない1950年。「戦後の暗い世相に光を」との考えによる、日本で初めての試みでした。

三越の包装紙と結婚祝いののし紙のお話

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●Point02 猪熊弦一郎画伯のデザイン画を受け取ったのはアンパンマンの生みの親!
包装紙のデザインを手がけたのは、猪熊弦一郎画伯。「華ひらく」と名づけられたデザインは、画伯が千葉の犬吠埼を散策中、海岸で波に洗われる石を見て、「波にも負けずに頑固で強く」をテーマにしようと考えたことから生まれました。包装紙のデザインを画伯に依頼し、出来上がった作品を受け取りにいったのは、当時三越宣伝部の社員だった漫画家、やなせたかしさん。抽象的なデザインの赤い切り抜きが白い紙にテープで仮止めされただけのデザイン画には、やなせさんも驚いたものの、商品を包んでみるとそれこそ花が開いたようにぱっと明るくなるのを見て「さすが猪熊画伯」と感心したそうです。

三越の包装紙と結婚祝いののし紙のお話

猪熊弦一郎画伯による原画

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●Point03 三越のシンボル、信頼の証として愛され半世紀
その後、やなせさんの手で「mitsukoshi」のロゴが書き入れられ、現在に至るまで半世紀以上もの間、三越のシンボルとして愛されてきた「華ひらく」。他の百貨店がそれぞれオリジナルデザインの包装紙を使い始めたのも、三越がこの包装紙を使い始めてからのことでした。斬新でありながらシンプルで、包むものを引き立てるデザインは、今や三越の代名詞的存在。結婚祝いについても、この包装紙で丁寧にお包みして、三越が培ってきた伝統や信頼とともにお届けしています。

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●Point04 のし紙はどんなものを使う?
結婚のお祝いには、10本の水引で結んだ「結び切り」ののし紙を使用します。「結び切り」は一度結ぶと引っぱってもほどけないことから、重ねて起きては困る、一度きりでよいことがらの際に用いられる形式。また、様々な解釈がありますが、10本の水引は、5本と5本の2色の水引をあわせて10本にすることから、新郎新婦両家が一つにまとまることを意味するとも言われます。なお、表書きは『寿』とし、水引の下段に贈る人の名前を入れるのが一般的です。

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執筆: この記事は『三越』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年10月15日時点のものです。

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