今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました
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■「タバコ」を考える・・・子供の喫煙(中部大学教授 武田邦彦)
タバコより他に肺がんの原因があるのではないか?という論文が、世界ではタバコの害にもっとも厳しいイギリスで出版され、ある雑誌からインタビューを受けた。日本人が言っても信用しないが白人がいうと信用するという後進性がまだ日本に残っているようだ
ともあれ、科学(学問)というのは心に先入観を持たず、冷静にデータを見て、常に「これまでの考えに誤りがないか?」と自問自答することにある。その意味で「禁煙学会」のように方向性を持った学会は学問をするところではないことがわかる。
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://getnews.jp/img/archives/2013/10/k.jpg
このグラフはもっとも基本的なデータで、喫煙率が下がるようになってすでに40年も経ち、肺がんは増える一方だから、禁煙運動側も少しは考えなければならないだろう。それに加えて、腺がん、扁平上皮ガン(喫煙に関係があって減っている肺がん)などのタバコとガンの種類を考えても、また女性(喫煙率は変わらないのに肺がんは急増している)と男性の関係を見ても、「タバコが肺がんの主な原因」とは到底、考えられない。
だから、社会でタバコを禁止するという激しいやり方ではなく、タバコを吸う人にマナーを求めるというのが妥当であるというのが私の考えだ。そのマナーとは、
1) 呼吸器が弱い人がいるので、他人の前でタバコをできるだけ吸わない、
2) 赤ちゃんや子どもにどのぐらいの影響があるかはまだデータとしてハッキリしていないので、「危険側=慎重に考える」で大人は配慮すること、
3) 吸いすぎるとCOPD(閉塞性肺疾患)になるので、程度問題を考える事
だろう。当然と言えば当然で、お酒でも「飲んで絡まない、飲んだら運転しない、少年に飲ませない、過度に飲むとアルコール依存症になる」など嗜好品には程度問題が大切だからだ。
特に、今回、タバコを愛飲する人に注意を促したいのは、「赤ちゃんへの影響は明瞭ではない」、「20才以下の喫煙は問題が起こる可能性がある」ということを良く理解して欲しいと言うことだ。科学には不明なことがある。不明なときにはそれがデータでハッキリするまで慎重に対応することが大切だからだ。
執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年10月16日時点のものです。
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