ゲーム実況者のモリ君(課長とモリ君)さんに10月10日発売のシリーズ最新作『グランド・セフト・オートV』(GTAV)をプレイレビューしていただきました。■『グランド・セフト・オートV』プレイレビュー/モリ君(課長とモリ君)
ゲームを愛するプレイヤーなら一度は聞いたことであろうタイトル、ロックスター社の看板タイトル『グランド・セフト・オート』。
ナンバリングの数を増すごとに、そのセールスも飛躍的に伸び、新作『グランド・セフト・オートV』にいたっては発売初日で8億ドルという記録的な売上を記録している。
筆者にとって、『グランド・セフト・オート』シリーズは馴染み深いタイトルかというと決してそうではない。GTAVのリリースが近づいた頃にふと気になり、ようやく前作のGTA IVを手にしたのが初めて。
各方面で積極的なPR活動が行われている今、筆者と同じような心境、つまり「前から気になっていたけど、いきなり新作を買うのも何だから、手頃な値段になっている前作を楽しんでみよう。」なんて方も多いのではないだろうか。実際、とてもお得なGTA IVコンプリート・エディションも発売されている。
一般的にクセのあるゲームであることは間違いないし、「もし合わなかったらもったいないしなあ」という気持ちもわかる。が、しかしだ。結論からいうと「GTAVは買って間違いなし」のタイトルだ。ここは思い切って、旬のうちに最新作GTAVを手に取ることをおすすめしたい。
GTAシリーズおなじみのイラストがスライドするロードシーンを終えて、まず目にすることになるのは、過去の回想となる銀行強盗シーンだ。開始からものの数秒でプレイアブルとなり、強盗シーンを操作していくこととなるのだが、この時点でいっきに物語に引き込まれる。
ストーリーの謎の余韻を残しつつ回想を終えたところで、いよいよ本編のスタートだ。
本作の主人公マイケル・デ・サンタの独白……かと思いきや、カウンセラーとの診療のようだ。今や巨額の富を持ち、夫婦子供2人で暮らすマイケルだが、家族仲は最低で生活にも刺激はない。かといって、昔のように暴れまわる気力もなく……。いわゆる、冴えない中年像だ。
カウンセリングを終え帰路につくなかで、チンピラと思わしき2人の若き青年と偶然に何気ない会話を交わす。そう、そのうちの1人がもう一人の主人公フランクリン・クリントンだ。
本作は元より3名の主人公がいるとは知っていたが、まさかこういった展開で物語中の出会いをするとは思っていなかった……と感心していたら、いつの間にかフランクリンを操作するようになっている。
そう、すでに述べた3名の主人公は本作の特徴であるが、これらのキャラの切り換えも実にうまく演出されている。今のシーンのように、ストーリー上驚くほどスムーズに操作キャラが切り替わることもあれば、フリーミッションの最中は自由にキャラを変更することも出来る。それぞれの魅力的なキャラを好みで使うことも出来るし、スタミナ・体力等の数的パラメータでの差別化、さらには特殊能力(フランクリンの場合、車を運転中にスローモーションを発動出来る)も用意されており、シーン毎の使い分けも重要になっている。
さて、話をストーリーに戻すと、フランクリンとその相方・ラマーでいかにも高級そうな車をあっさりと盗み出してしまう。盗んだ理由はさておき、突如としてカー・ミッションが始まる。
GTAシリーズは広大なマップの中を自由に行き来できるというのが広く知られたところであるが、今回のメインマップのロスサントス及びその周辺はおよそ127平方キロメートルもあり、決して歩いてどうにかなるものではない。よって、車・バイク等の移動手段が常となる。となると、いかに気持ちよく走れるかがプレイする上で大事になるのだが、この点はとてもうまく調整されていると感じた。
各方面でよく言われているのが、前作との比較。前作での車の操作感はややとっつきにくく、障害物に対しても思った以上のシビアさがあった。うまく曲がれないとか、割と簡単に横転するなどが具体例だ。今作ではそのあたりがカジュアルにまとめられているので、もしレースゲームが苦手な人がプレイしてもストレスなく走らせることが出来るだろう。
最初のカー・ミッションをクリアしたのちフランクリンはいくつかのミッションをこなすのだが、奇妙なめぐり合わせでマイケルの息子をターゲットとして追うことになる。
この事件をきっかけに、自然発生的にマイケルとフランクリンは師弟関係となる。
若く血の気が多いながらもどこかに迷いを感じさせるフランクリンと、老いて意欲を失いつつもやはり満足していないマイケル。この2人の織り成す会話や間の取り方の面白さは、日本語訳のなかでも十分に感じられる。本作の日本語訳はとても丁寧に作りこまれている印象だ。
この2人が揃えば、普通の出来事も普通ではなくなってしまう。ヨットを盗まれて、ハイウェイでのカーチェイスから超人的なスタントを見せれば、奥さんを寝取ろうとした相手を追いかけた先で、家を丸々一軒破壊するなど、ロスサントスの日常は激しすぎるのだ。そんな無茶をしているうちに、250万ドルもの貸しを作ってしまったマイケル。手元にある手段はただ一つ。そう、“強盗”だ。
本作における“強盗”は、通常のミッションと比べると上位に位置づけられたものだ。まずはブリーフィングが行われる。突入手段を選び、手段に適したメンバーを雇う(ドライバー、ガンマン、ハッカー等)。必要な物品があれば、それらをミッションを通じて調達し、諸々の準備が整ったところで強盗ミッションがスタートする。
ちなみに、最初の強盗ミッションに入る際に「昔のメンバーに声をかけようか」という趣旨の会話が挟まれるのだが、そのなかに「リバティーシティの東欧の男はどうだったかな」といった台詞が入るなど、GTAファンをくすぐるエッセンスも入れられている。
このように手間がかかる分、強盗ミッションでの報酬は大きい。雇ったメンバーにはパラメータに比例して取り分を支払う必要があるが、それを差っぴいてもプレイヤーの手元に残る額は十分だ。また、何よりもミッション達成時の爽快感は別格だ。
だが当然ながら、こんな派手な事件を起こせば世間への影響も大きい。マイケルとフランクリンらが行った強盗事件の知らせを聞いたトレバー・フィリップスはマイケルとの接触を試みる。この男こそ第3の主人公、そして、マイケルとともに冒頭の強盗事件を起こしていたメンバーなのだ。
と、つらつらとストーリー序盤を書き連ねてきたが、ロスサントスにはアクティビティーという名のいわゆる遊び場が多数存在する。やけに多いテニスコートやダーツ、ストリップ、服飾店やらなにやら、目白押しである。ストーリーを進めればロードレースやトライアスロンなど、アクティビティーの数もより豊富になっていく。
また、ストーリーの本筋には直接関係のないサブミッションも数多く用意されている。
「今日はあまり時間がないから、サブとダーツだけにしておくか」なんてプレイも十分にありだ(アクティビティーによって、パラメータの成長も期待出来る)。
GTAシリーズが日本で注目され始めたときは、その暴力性や奔放な物語といったところがクローズアップされ、洋ゲーが持つ特性も合わさって、玄人が好むといった印象であった。しかし回を重ねるごとに、表現のリアリティやストーリーのシリアスさが加味され、作品としてのバランスが向上しているようだ。現時点でのその最高傑作が本作GTAVである。冒頭にも述べたように、今まで手にしてこなかった方々にもぜひプレイしてほしい作品となっている。
「人は毎日数多くのことを忘れるものだ」
これは、主人公マイケルの決まり文句だが、GTAVはそう簡単にあなたから忘れられはしない。気づけば、今日もロスサントスの地に立つあなたがいることだろう。
レビュアー:モリ君(課長とモリ君)『グランド・セフト・オートV』
プラットホーム:PlayStation 3/Xbox 360
ジャンル: オープンワールド
CERO:Z指定
発売日: 2013年10月10日
希望小売価格: 7,770円
開発元: Rockstar Games
発売元: Take-Two Interactive Japan
公式サイト:http://www.grandtheftauto.jp/
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