野党勢力率いる反政権デモ隊が首都キエフ中心部を掌握したと伝えられるウクライナ情勢。日本はマスコミ(特にテレビ)がオリンピック一色なため、なかなか情報が入ってこないのが困りものだが、海外メディアは比較的扱いが大きく、さまざまな衝撃映像を送ってきてくれている。

20日には治安部隊がデモ隊に向かって狙撃を始め、少なくとも100人とも言われる死者を出した。負傷者の側で「メディーック!」と叫んでいる人もいたりして、まるで戦場である。

しかし、デモ隊側もやられてばかりではない。催涙ガス、火炎瓶、パチンコから原始的な投石まで、手近な武器で治安部隊に対抗。そして極めつけは巨大な投石機だ。彼らが拠点としている独立広場にあった木材の山から適当な角材を寄せ集めて、巨大な投石器を作ってしまったのだ。なんというDIY精神!

これは正確には『トレビュシェット』と呼ばれる攻城用兵器で、14世紀頃のヨーロッパの攻城戦で多用されたタイプ。テコの原理とおもりを利用して、石や火炎弾を放物線状に放って城壁と城内を攻撃した。

デモ隊はこの投石機を使って、ガレキや爆竹、火炎瓶などを治安部隊に向かって投げつけた。実際どれほど効果があったのかは定かでないが、デモ隊は意気軒昂。22日には大統領府を占拠し、日本でもリアルクシャナ様として人気のあるティモシェンコ元首相を解放したとの情報も入ってきた。

だが、東部に逃れたヤヌコビッチ大統領は依然として辞任の意向を示しておらず、過激な民族主義勢力が独立広場で幅を利かせたままの状態は続いている。ロシアと欧州が綱引きをする古くからの“火薬庫”から、まだしばらくは目が離せそうにない。

一方、警官隊は大盾を構えたファランクスで応戦。映画『トロイ』とか『300〈スリーハンドレッド〉』でこんな場面見たことある! しかし、デモ隊の散開白兵戦術には効果が薄いようだ。

画像とソース:news.com.auより引用

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