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プロデューサーってそもそも何をしているの?
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プロデューサーってそもそも何をしているの?

2014-03-09 14:30
    プロデューサーってそもそも何をしているの?

    今回は里見哲朗さんのブログ『BARNUM STUDIO』からご寄稿いただきました。

    ■プロデューサーってそもそも何をしているの?
    と、よく訊かれます。たしかに説明しづらい職業だと思います。
    説明しづらいだけで片付けてしまっては身も蓋もないので、ぼくが知っているのはアニメのプロデューサーだけですが、簡単にご説明していきます。

    まずアニメのプロジェクトでは大きくふたつのプロデューサー業務があります。アニメのオープニング/エンディングで流れるクレジットをご覧になるとわかると思うのですが、たくさんのプロデューサー表記がちりばめられています。最近だと十数人が多いのではないてましょうか。これをふたつに分類しますと

    エグゼクティブプロデューサー(企画)/プロデューサー/アシスタントプロデューサー/アソシエイトプロデューサー……

    アニメーションプロデューサー/ラインプロデューサー/制作プロデューサー……

    となります。

    後者は制作現場(つまりアニメ制作)の統括をしている制作チームのトップです。

    そして前者がいわゆる本来のプロデューサーです。

    では「本来のプロデューサー」とは何かというと、「投資と回収の担当者」です。ファンドならファンドマネージャーです。

    この頃アニメにおけるちょっと特殊な資金集めの例として挙げられることの多い「製作委員会方式」がプロデューサーの数を増やしていて、クレジットをながめていると混乱してくるのですが、たくさんいるプロデューサーは出資した企業の数と連動しています。

    よく見ると製作委員会を構成する企業の数とプロデューサーの数がだいたい同じことに気づくと思います(複数立てる企業があったり、担当を立てない企業もあるので厳密には違っていることもままありますが)。一応製作委員会の幹事会社も決めてあってそこがアニメ製作/制作の主導権を持っているのですが、各社出資の前提として希望する権利の独占的(もしくは優先的)な運用が保証されていますので、ファンドマネージャーに委託して終わりではありません。自分たちでうまく権利を運用して投資リスクを軽減させていくのです。そのため各社プロデューサーがクレジットされることになります。

    つまりアニメに投資した企業の担当者がプロデューサーで、この投資金額以上を回収する担当ということになります。回収手段はアニメプロジェクトの成功を目指すことと、自社の商品をたくさん売ることです。

    アニメビジネスの現状では、映像パッケージの占める割合が大きいことが多いので、映像メーカーの出資がもっとも多く、幹事をつとめることが多いです。

    ざっくり言うとエグゼクティブプロデューサーや企画でクレジットされているのがハンコを捺すひと(つまりアニメのセクションのトップか会社のトップ)で、プロデューサーが担当者、それをサポートするのがアシスタントプロデューサーやアソシエイトプロデューサーになります。

    社内的にはこのユニットで、委員会としては各役職の横の連携で投資と回収を目指して日々がんばっているのです。

    そしてアニメの特徴として「メーカーに製造機能がない」もしくは「スタジオに販売機能がない」というのが挙げられます。映像メーカーと呼ばれる企業にアニメの制作機能やインフラが(基本的に)ないのです。たとえば電機メーカーや自動車メーカーであれば自社で工場を持っているか提携先の工場があってそこで製造ラインを保有していますが、アニメの場合はその都度スタジオへ外注をします。

    アニメスタジオはその発注を受託して制作をします。

    資金面と制作面で製作/制作と言葉を切り分けているのは多分にそのためです。

    ……というのは別の話ですね。これはまた別の機会にでも。

    で、そんななかでどちらにも属さないぼくがどんなプロデューサーなのかと申しますと、製作側には制作づらを、制作側には製作づらをして反対側に連絡する係です。

    必要なのかと問われると別にいらないのですが、いたほうが円滑に物事が進むケースがあるということ(でご発注くださってるはず)です。

    そんなこんなでプロデューサーどころか肝心の自分の業務の説明もあいまいなままの弊社も、よくわからない業務内容にもかかわらず周囲のご愛顧に支えられて本日で丸11年、明日2月27日でなんと創業12年目に突入です。

    引き続きのご愛顧よろしくお願いします。

    執筆: この記事は里見哲朗さんのブログ『BARNUM STUDIO』からご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2014年03月06日時点のものです。

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