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未来に希望という話
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未来に希望という話

2014-03-27 16:00
    未来に希望という話

    今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ』からご寄稿いただきました。

    ※この記事は2014年03月12日に書かれたものです。

    ■未来に希望という話
    遠藤未希さんという方が南三陸町にいらっしゃいました。

    1986年生まれの彼女は3年前南三陸町の役場の危機管理課の職員でした。あの日地震が起きると、彼女は防災無線を通じて「大津波警報が発令されました。高台に避難してください」と津波がくる直前まで街に呼びかけ続け、そのままなく津波に呑まれて亡くなられました。ちなみに彼女は新婚で結婚式を目前に控えた身でした。

    「町を救った南三陸町の防災無線遠藤未希さん 」 『YouTube』

    (画像が見られない方は下記URLからご覧ください)

    http://youtu.be/M-neskB4FOc

    「未希」の名前は両親からの「未来に希望を持って生きてほしい」との願いを込めて命名されたそうです。当時経産省の官僚だった私でしたが、色々と日本の政治の根深い問題を体感するうちに、もう日本という国に将来性を感じられなくなり割り切って収入が良く将来性がある転職先を探していたのですが、この話を聞いて自分の人間としての薄さに恥じ入り、人生を考え直そうと思ったのが私の転機でした。

    あれから3年たったわけですが、私は依然として日本の未来に希望を持てずにいます。端的に言えば政府の持続可能性に疑問符がついているからです。毎年30?40兆円規模で政府の借金を拡大させて社会保障をファイナンスする現状の日本の方式は、もって東京オリンピックまでの話で、このままではその後の破綻・混乱は避けられないでしょう。国民の金融資産は1500兆円で、政府の借金は1100兆円を越えているのですから、少し考えれば分かる話なのですが、政治家はそれを言ったら票が取れないし、国民とてそのような厳しい現実を見つめたくない、というのが現状なのでしょう。

    しかしながら本来政治の役割というのはそのような災害が来ても、混乱が起きないようにきちんと事前に対策をとることにあるような気がします。例えば現在の年金制度の試算は年金積立金の運用利率が4.1%というめちゃくちゃな想定で行われているわけで、コレまでの実績を考えると我々の世代が現在想定しているような水準で年金を受け取れる可能性は事実上ないように思えますが、これに真正面から向き合うのが本来の政治家の役割のように思えます。実際の政治とのギャップは大きい。

    いつかのタイミングでこういった問題が社会に大きな揺らぎを起こすのはほぼ間違いないと思われるので、その時までに言論活動を続けて警報を出し続け、他方で電力業界周りで運用利回りが高くリスクが低い投資商品をつくる、というのが私なりに遠藤未希さんに報いる生き方と思っております。

    未来に希望を

    ではでは今回はこの辺で。

    執筆: この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ』からご寄稿いただきました。
    寄稿いただいた記事は2014年03月26日時点のものです。

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