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AV女優になった人達の話
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AV女優になった人達の話

2014-04-02 14:00
    AV女優になった人達の話

    今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ』からご寄稿いただきました。

    ■AV女優になった人達の話
    「裸心」*1っていう本を読みました。売れっ子AV女優になった人達のインタビュー集です。名著だと思います。

    *1:「裸心 ─なぜ彼女たちはAV女優という生き方を選んだのか?─ [単行本(ソフトカバー)]」 黒羽 幸宏(著) 『Amazon』
    http://www.amazon.co.jp/裸心-─なぜ彼女たちはAV女優という生き方を選んだのか?─-黒羽-幸宏/dp/4087806103

    何人か元AV女優の友達がいまして(今は音信不通なのですが)、何となくその人達が何を考えてるか知りたくて2年前くらいにブックオフで買ってからほったらかしにしていたのですが漸く読んでみました。ざくっと読んでみての感想はこんな感じ。

    ○ このデジタル化の時代にAVに出るっていうことはかなりの覚悟がいるはずなのだが、必ずしも皆がデビュー前にその重みを知って出演したわけではない。とは言え遅かれ早かれ家族が地元や職場で「あの人の娘さんってAV出てるんですって」と後ろ指を指されるようになったり「アイツAVでてるらしいぜ」と陰口を叩かれて友達が自分を避けるようになったりといった人間関係でその重みを知ることになり、皆何らかの宿痾を背負って生きていくことになっている

    ○ 一方でAVという仕事に関しては皆真剣に覚悟を持って取り組んでいて、自分から選択して業界に飛び込んでいる。親の反対を押し切って出演したケースも多い。ていうかAV業界は女優側が供給過多で競争が激しすぎてよっぽど真剣にやらないと生き残れない。

    ○ 多くの場合社会に居場所がなくてAV業界に飛び込んで、結果として業界の「あったかみ」に居心地の良さを感じてかつ潰しがきかない仕事であることもあり、そのまま業界に身を置きたがるようになるが最終的には売り上げが落ちてくると業界側から引退を通告される。

    ○ ちなみに上記の「居場所が無い」というのはあくまで本人の感覚の問題で、家庭環境が恵まれているケースや裕福な家庭環境で育ったようなケースもある。あくまで「居場所があるかないか」というのは本人の感覚の問題。

    ○ みな過去を背負いつつも表面上は明るく生きている。ただ結婚は憧れながらも諦めているケースが多い。とはいえAVに出たことを後悔しているというわけでもない。(自己肯定の問題かもしれないが)

    なんだか自分の知り合いのことを考えても当てはまるところが多く合点がいった。彼女らはみな後ろめたさを感じつつも「この業界にはプロ意識を持った人が多い」だとか「自分を求めてくれるファンがいる限り続けたいと思った」だとか自分の仕事に関しては一種の誇りのようなものをもっていた。他方で自分たちに向けられる世間の目も良く理解していて「私の人生は潰しがきかないから」だとか「結婚したいけど、家庭を持つことを考えると恐い」だとかいうようなことを言っていた。ある時「お前そんなに後ろめたいならAV業界から離れろよ。パソコンの使い方くらいなら教えてあげるから。」といったら

    「私にはAV辞めたら何にも残らないんだよ、私を受け入れてくれるほど社会は優しくないんだよ。みんなAV見てくるくせに。それがうさみには分かる?アンタだってきれいごと言ってるけど私と付き合えるの?」

    と言われてぐうの音も出ずにその場から退散したことを思い出す。確かに社会なんてそんなもんだわな。一線を越えて裏に行ってしまった人はなかなか表には復帰できない。それは「どうせ私なんて受け入れてもらえない」と思っている本人の問題でもあると思うのだけれど。良くも悪くも自分の決断で選んだ人生なら最後までその人生と見つめあって生きていくしかないから、社会のせいにしていじけてもしょうがないのだけれどね。。。。。何となく自分で言ってて自分の身にもしみる。。。

    個人的には「職業に貴賤無し」と思っていて市場に確かなニーズが会って、それに応える彼女らは社会に取って必要な仕事をしていると思うのだけれど、それと彼女らが引退後も含めてずっと社会に受け入れられるかどうかは全くの別問題な訳で、表社会と裏社会(別に犯罪を意味しているわけではない)の間に厳然と存在する壁というものを感じました。表があれば裏があるのはしょうがないし、両者が交わらないのもまたしょうがない話で、それを取り繕っても何の意味も無いわけで。

    ではでは今回はこの辺で。

    執筆:この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログ』からご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2014年04月01日時点のものです。

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