土屋ガロンと嶺岸信明による日本のコミックをベースにし、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞したパク・チャヌク版『オールド・ボーイ』。筆者の個人的人生ベスト10に入るほど大好きなこの超傑作が、ついにリメイク。スパイク・リー監督が韓国版のテーマとドラマの骨格を受け継ぎつつ、多様なディテールを大胆に塗りかえ、原作とも韓国版とも異なる結末を新たに創出したハリウッド版『オールド・ボーイ』が6月28日(土)に公開となります。
本作の主人公ジョー・ドーセット(ジョシュ・ブローリン)は、酔っぱらったある夜突然拉致され、理由も分からぬままTVだけが置かれた見知らぬ部屋に監禁されます。ジョーが監禁された年月はなんと20年間。謎の部屋での辛く長い生活の様子を、監禁されていた1993年から2012年の20年の間に社会で起こった出来事とあわせた、20年分の“監禁”ポスター画像が解禁となりました。
※全ての画像がご覧になれない方は(http://getnews.jp/archives/554078)をご覧ください。
ひたすら単調に流れる時間に精神を蝕まれ、絶望のどん底でもがき苦しみ、遂には監禁部屋からの脱出と自分を陥れた相手への復讐を決意していく様子に、9.11同時多発テロ(2001年)、ハリケーン「カトリーナ」による自然災害(2005年)、オバマ大統領就任(2008年)など、各年に起きたビッグニュースが合わさることで、20年という歳月がいかに重いものなのかが一目瞭然。
主人公ジョーを演じたジョシュ・ブローリンも、苦悩と絶望の極限状態での一人芝居について深く考え始めると、頭の中が疑問と不安でいっぱいになったといいます。「監禁部屋のシーンでは、7~8分間連続して撮影した。俳優として、自分でまず中身を埋める。そのうちいくつかは役に立ってくれと願う。そしてその瞬間を生きる。スパイクは何もかも本当に起きているような雰囲気を作り出してくれた」と監督との撮影について語っています。
また、長期にわたって監禁される体験の本質を理解するため、冤罪で収監されていた元死刑囚たちと率直に話をしたり、見た目においても肥満体型から筋肉質の体型まで体重をコントロール。全力で役作りに臨んだ気迫が、ポスターでの表情の変化からも感じられます。
『オールド・ボーイ』
1993年10月8日、広告代理店重役ジョー・ドーセットの人生は、はてしない悪夢にのみ込まれた。真夜中の街をさまよっていた彼は、泥酔して意識が混濁するなか、見知らぬ一室に閉じ込められてしまったのだ。何者かの監視下に置かれ、ひたすら単調に流れる時間に精神を蝕まれる絶望の日々。理由も分からない監禁生活がついに20年目に突入したある日、ジョーは突然外界に解放された。監禁中に妻殺しの汚名を着せられたジョーは、休む間も惜しんで猛然と動き出す。愛娘ミナとの再会を果たす前に、何としても自分を陥れた男を捜し出し、復讐を成し遂げねばならないのだ。やがて彼の前に姿を現した犯人は、あらゆる人間の良心を捨てた冷酷非情な男だった……。
6月28日(土) 新宿バルト9他全国ロードショー。
監督:スパイク・リー(『インサイド・マン』)
撮影:ショーン・ボビット(『それでも夜は明ける』)
出演:ジョシュ・ブローリン(『ノーカントリー』)、エリザベス・オルセン(『GODZILLA』)
シャールト・コプリー(『第9地区』)、サミュエル・L・ジャクソン(『アベンジャーズ』)
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