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今月のガケ書房の非売品:4匹の“ガケ家族”が生息する亀庭を覗きにゆく『ニホンイシガメ』
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今月のガケ書房の非売品:4匹の“ガケ家族”が生息する亀庭を覗きにゆく『ニホンイシガメ』

2014-05-11 09:00
    京都『ガケ書房』の非売品

    「書店・ブックカフェが選ぶ今月の一冊」は、店主におすすめの本(または商品)を紹介してもらうシリーズ連載だ。しかし、『ガケ書房』は店主の山下賢二さんが「この日のガケ書房」を連載中なので、店内にある商品以外のアイテムつまり“非売品”を語ってもらうことにしよう。

    ●まずは『ガケ書房』のレジカウンターに潜入
    京都『ガケ書房』のレジカウンターの中から店内を見渡す

    非売品の宝庫といえばやはりレジカウンターのなか。さっそく潜入して(注:お店の許可を得て)、連載を執筆する山下さんの視界を確認してみる。おお、なんだか水槽の中から外に出たような感覚……それに、カウンターの中に入るとふしぎと何かから“守られて”いるような感じがあるのも新鮮だ。

    京都『ガケ書房』の非売品 元・スタッフの手作り消しゴムはんこもカメ!

    そこに、お客さんがやってきた。レジのそばにいるだけで店員だと思われちゃうんだろうな……とか思いつつ、愛想良く接客する山下さんの背後でこっそりカウンター内を観察する。おや、なんだかカメが多いぞ。文鎮、消しゴムはんこ、フィギュアまで、カメ関連のアイテムがたくさんあるのはなぜだろう?

    「僕ね、カメがすごく好きなんです。えっ、好きな理由ですか? 水陸両用でタフだからですね。長生きするし、フォルムもすごくいい。特にいいのはニホンイシガメです。無地だけど背中の甲羅のグラデーションがちょっとずつ違うんですよ」。

    カメのことになると、山下さんの口調がいつになく熱を帯び始めた……!

    ●飼い始めて35年!!「こっちに来てほしいとは思わない」
    京都『ガケ書房』の非売品 亀庭のニホンイシガメ(ガリくん)
    ニホンイシガメ(Mauremys japonica)。日本全国に分布する固有種で、幼体のときはゼニガメとも呼ばれるらしい。山下さんが言うとおり、背甲の色は茶褐色、来褐色、灰色や黒に近い色などさまざま。「ちょっと神経質で臆病なところがある」性質なので、やや凶暴で生殖力の高い外来種・ミドリガメに追いやられて準絶滅危惧種にも指定されている。

    「イシガメは日本固有種なのに、ミドリガメに餌や生息場所を奪われてしまって……。そういうところもまた愛おしいんです。最もかわいいのはね、目ですよ、目。見てください。つぶらでめちゃくちゃかわいいでしょう?」。

    山下さんがはじめてのニホンイシガメ(ガリくん)を飼い始めたのは7歳のとき。かれこれ35年のつきあいになるという。家で飼育する場合、イシガメの寿命は通常は長くても20年ほど。このまま長生きし続ければギネスに載るかもしれない勢いだ。

    「小学生の頃なんて、水も換えてないし餌もちゃんとあげてないのに、ほっといても生きてきたんですよね。だから好きっていうのもあります。でも、こっちに来てほしいとかは思わないですね。むしろ来てほしくない。いい環境を与えて、気持ちよく振る舞っていてくれるのを観るのが好きなんです」。

    ●本屋にカメがいるのはちゃーんと訳があるのだ

    山下さんは、小学生の頃の夏休みには「餌をあげたらぱくっと食べるのを半日ずーっと見てた」らしい。「カメを見ているとね、いつでも7歳に戻れるんです」とまで言う。ほんまに、ほんまにカメが好きなんやなあ、と思う。山下さんとはいろんな話をしてきたけれど、こんなに優しい目をして「好き」という言葉を連発する彼を初めて見た。

    京都『ガケ書房』の非売品 亀庭が見える窓にはカメのプロフィール

    ガケ書房に住んでいる“ガケ家族”こと4匹のイシガメたちは、雑貨コーナーの窓ガラス越しに見える亀庭でのんびりと暮らしている。童心に帰ってしずかに観察してみよう。

    ●『ガケ書房』について

    店名:ガケ書房

    所在地:〒606-8286 京都市左京区北白川下別当町33

    電話:075-724-0071

    ウェブサイト:http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/ [リンク]

    ここにはその目的の本はありません。

    しかし目的外の面白い本があります。

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