今回は一般社団法人 大日本猟友会さんのサイト『目指せ!狩りガール』からご寄稿いただきました。
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■目指せ!狩りガール no.9 はじめての射撃練習見学。(目指せ!狩りガール)
ありちゃん:食べることが大好き、アウトドアもちょっと好きな会社員。ひょんなきっかけから「ハンター」を目指すことに。東京都内在住。カリタロー:狩りガール活動を応援するジビエ好きの犬。ありちゃんと一緒に勉強して、いつかカッコイイ猟犬になるのが夢。
だいぞう師匠:猟友会に所属している優しきオジサマハンター。自然のことにも詳しく、ハンター仲間として若者を育てています。
虎谷健(とらたに たけし)さん:「自然環境に寄り添えるハンターを増やしたい!」と狩猟体験を提案しているHug! Hug! Nature代表
『Hug! Hug! Nature』
http://hughugnature.net/
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ありちゃん:ありです。今までハンターさんのお話を聞いて、ますます狩猟への興味が増してきました!狩猟のためには射撃の練習が大事。安全のためには日ごろから銃に慣れておくことも大切とも教わりました。そこで先輩ハンターさんがどう腕を磨いているのか?実際に射撃場での練習を見学させてもらいました。
●これが射撃場?またもやありちゃんの想定外。
カリタロー:ありちゃん、着いたねー。今回は神奈川県にある伊勢原射撃場*1からお届けするよ。
*1:『神奈川県立 伊勢原射撃場 公式ホームページ』
http://www.isehara-shooting.jp/index.html
ありちゃん:うん、だいぞう師匠に紹介してもらったハンターの虎谷さんに射撃練習を見学させてもらうのだ。
虎谷健さん:こんにちはありちゃん!・・・と、犬くん?
ありちゃん:カリタローも特殊な交渉術で今回見学させてもらうことになりました。
※実際は射撃場内に犬を入れることはできません。
カリタロー:よろしくワン!あ、さっそく車からいろいろ出てきたね。
ありちゃん:わあ!銃のケースだ!パッと見、釣り道具みたい。
虎谷健さん:あはは、面白いところに感動しているね。
ありちゃん:はい、ずっと猟銃を持ったらどんなケースで持ち運びしようか考えているんです。
虎谷健さん:まったく知らない人が見るとゴルフクラブでも入っているように見えるけど、メーカー名が書かれているから、ちょっと知識のある人には猟銃ってわかるね。
ありちゃん:何が入っているのか、あまりわからないケースにしたいんです。猟銃を持っているってわかったら不安を感じる人もいるんじゃないかと思って。
虎谷健さん:確かにそうだね。車だけの移動なら他の人の目に触れなくていいんだろうけど。
ありちゃん:あと、色やデザインも気になりますね。アウトドアアイテムもオシャレなバッグが増えているし。コーディネートも楽しめる方がいいな。
虎谷健さん:それは女性らしい視点だね。
カリタロー:オシャレなケースが見つかるといいワン。
ありちゃん:射撃練習の時はほかに何を持って来ているんですか?
虎谷健さん:まずは、きちんと整備してきた猟銃だよね。その登録許可証も必ず携行。装弾も購入しておきますよ。あとは、サングラス、グローブ、防音のためのイヤーマフを持参。射撃競技の練習をする方は専用のベストも持って来ていますね。
ありちゃん:練習の服装はみなさんカジュアルな普通の服なんですね
虎谷健さん:はい、動きやすければいいと思いますよ。では行きましょう!
だいぞう師匠:持ち物や服装の準備。いずれありちゃんも経験することだから、いろいろ気になるようですね。虎谷さんは装弾を用意してきました。弾は射撃場で売っている場合もあるけれど、自分の猟銃に合ったものが揃っているかわからないので事前に購入しておく方がいいでしょう。装弾は種類やメーカーによって個性が出ることもあります。なるべく同じメーカーのもので練習を続けるといいですよ。あと、撃った時の衝撃をやわらげるため、ありちゃんにはベストの着用をすすめます。
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ありちゃん:なんだか立派なスポーツセンターみたい!きれい。
虎谷健さん:ここは特にきれいな施設だね。
カリタロー:ありちゃん、こっちで見学札をもらうんだって。ボクの首輪に着けてよ。
ありちゃん:はーい。意外に普通の事務所のようだよね。
虎谷健さん:こっちは空気銃の射撃場です。
カリタロー:学生さんたちが練習しているワン。女の子もいるね!
ありちゃん:そっか!射撃の部活があるんだね。もっと大きな音がするかと思ったけど、そうでもないんだ。ちょっとバッティングセンターを思い出すような音だね・・・。
虎谷健さん:今日見学してもらうのは、あちらのトラップ射撃場だよ。
ありちゃん:わ。半分が屋内で、何だかゴルフの打ちっ放しみたい。
カリタロー:ありちゃん、とにかく自分の知っている場所に例えようとしているね(苦笑)。
ありちゃん:実際に訪れてみて銃砲店のイメージ*2も変わったけど、ドラマで見るような地下の暗~い特別な場所を想像していたの。予想外にフツーのきれいな施設だよ!ってお伝えしたいのです。
*2:「no.6 狩りガールの強い味方「銃砲店」を紹介します。」『目指せ!狩りガール』
http://kari-girl.com/vol6.html#entry
空気銃の射撃場。屋内ですがとても明るい雰囲気です。
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数名の方が練習していたトラップ射撃場。
●いざ!トラップ射撃(の見学)へ。
虎谷健さん:はい、ありちゃんこれをどうぞ。
ありちゃん:耳栓?
虎谷健さん:見学の人もした方がいいよ。犬クンは……
カリタロー:あ、ボクはタレ耳でふさぐので大丈夫だワン。
ありちゃん:(でも、空気銃もそれほどの音じゃなかったし、実際の音も聞いてみたいから、まずはそのままでいいかな……)
虎谷健さん:でははじめますね。
「伊勢原射撃場でのトラップ射撃の様子 」 『YouTube』
こちらがトラップ射撃。音を聞いてみてください。
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http://youtu.be/9EFyA6N6_3o
虎谷健さん:「ハイッ!」(虎谷さんの合図でクレーが発射される)ズパアァァァァンンン………!!!!
ありちゃん:ひゃあ!これが射撃の音!!お、大きい音だった。やっぱり耳栓しなきゃ。
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だいぞう師匠:そう、最初はまず銃声の大きさにびっくりするよね、ありちゃん。自分の教習射撃の前に体験できて良かったかもしれませんね。
トラップ射撃とはクレー射撃の競技のひとつで、みなさんもオリンピックで見たことがあるかもしれません。散弾銃を手にした方はたいていこのトラップで腕を磨きます。
クレーと呼ばれる素焼きのお皿を手前から奥に向けて飛ばし(だんだん遠のく)、1ラウンドで25枚のお皿に挑みます。1枚のクレーにつき2発まで撃ってOK。ちなみに1発目は初矢(しょや)、2発目は二の矢(にのや)と呼びます。
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カリタロー:おおお、おつかれさまですワン。
虎谷健さん:おつかれさま!音はどうでしたか?
ありちゃん:ズドーンって響いて予想以上でした!空気銃とは全然違うんですね。ところで、あの「ハイ!」とか「ホイ!」とか言っていたのは何ですか?
虎谷健さん:あれはクレーを飛ばしてもらう合図です。各射台の前にマイクがあるんですよ。射手の好きな掛け声で合図を送ります。
ありちゃん:スコアは電光掲示板なんですね。ボーリング場みたいだ。
虎谷健さん:また例えたね(笑)。確かに。当たったら緑のランプで外れたら赤。すぐにスコアが反映されます。
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ありちゃん:あと・・・、クレーの動きが予想以上に早くて、全然見えませんでした(がっかり)。
虎谷健さん:見学者は後ろに下がっているせいもあるから、そんなに落ち込まないで。
ありちゃん:はい!その分、当たった時は気持ち良さそうだな?って思います。とにかく、みなさん集中して撃っている姿がカッコイイですね。
カリタロー:ホント、ホント!射手のみんなの構え方や狙う姿がそれぞれ違ったのも面白かった!
虎谷健さん:それぞれ個性があるでしょ?
ありちゃん:あと、あの煙がステキだった~。
虎谷健さん:???ああ!薬室から出る煙ね。
カリタロー:なんのこと?
虎谷健さん:上下二連銃などの元折銃は銃身と銃床を折るようなカタチで弾を装填するんだ。撃った後に散弾銃を二つ折りして銃身の薬室から薬莢を取り出す。その時に中から煙が出るんだよ。
カリタロー:そっか!花火みたいなニオイがしていたのには気がついたんだけど。
ありちゃん:ほのかな火薬臭はワタシも気付いた!
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●射撃と、獲物と、森のこと。
虎谷健さん:ここは休憩室。射撃に来ている方々とおしゃべりして情報交換することもありますよ。
ありちゃん:女性の方もいらっしゃいますか?
虎谷健さん:たくさんはいないけど、時々いますよ。年齢層も幅広いです。
ありちゃん:クレーを撃っている様子を見て、猟銃の威力を実感しました。これで獲物を捕らえるんだなって。
カリタロー:クレーが鳥のようにも見えたよ。
虎谷健さん:おお、さすが猟犬見習いだね。クレーはクレー・ピジョン(粘土のハト)とも呼ばれるんだ。昔は本物のハトを使っていたらしいよ。
ありちゃん:それ、練習じゃなくて本番ですね!実際に獲物を狙っているようなイメージを持つんでしょうか?
虎谷健さん:クレーでも獲物でも狙っている時はあまり何も考えずに集中しているかな。獲物はあらゆる方向に逃げるので、いろいろな練習をしておくと実猟で役立つと思いますけどね。
ありちゃん:やっぱり猟銃に慣れて、射撃の練習はしっかりしておきたいな。
虎谷健さん:そうだね。あと大切なのは銃の手入れ。実猟で使うと泥が付いたりするので、銃に慣れる意味でもしっかり手入れをするといいよ。
ありちゃん:ハイ!どんな猟銃を持つのかまだわからないんですが……。
虎谷健さん:銃砲店にも行ったみたいだから聞いたと思うけど、自分の体に合ったものを選んでね。初めて猟銃を持つ場合は散弾銃しか持てません。散弾銃でもシカやイノシシの猟をするためには、大物専用のスラッグ弾といわれる一発玉を使います。この弾の発射時の衝撃と音がとても大きい!
カリタロー:今日聞いた音もびっくりしたよ。
虎谷健さん:中には、スラッグ弾の衝撃にどうしても慣れることができず、狩猟そのものをあきらめてしまう女性ハンターもいるようです。体の小さな女性には男に見えない障壁が多いんだなぁ、と思いました。大物猟が大変なら、無理をしないでエアライフル(空気銃)による鳥猟から徐々にはじめてみるのもいいかもしれません。
ありちゃん:ワタシは散弾銃でがんばってみたいです!自分で仕留めた鹿肉料理をいただくのが夢なんです!
カリタロー:ワホ!そんな夢持ってたっけ?
ありちゃん:うん!最近特に思うんだ。森や畑を守るために捕獲した獲物でも、しっかり食べたいって。自分で仕留めたんなら特にね。
虎谷健さん:それは頼もしい!でも決して無理せず、狩猟に親しんでいってくださいね。ハンターデビューしたらご一緒しましょう。
ありちゃん&カリタロー:ハイ!ありがとうございます。
だいぞう師匠:猟期は冬。それまでのシーズンはハンターの練習期間です。この時期にしっかり練習することが、猟果や狩猟時の安全に関わってきますよ。
射撃場での練習にかかる費用の目安は、一日に4ラウンド練習するとして利用料が五千円ほど(入場料が1,000円前後、クレーは1ラウンド[25枚]で1,000円強)。装弾も4ラウンドで五千円ほど(クレー射撃専用弾150発)。射撃場ごとに価格のばらつきはありますが、だいたい一日一万円くらいで練習できるでしょう。
猟期以外も猟銃を置きっぱなしにするのではなく、練習の度にメンテナンスしたり、家の中で構えの練習したりしてほしいですね。
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使用されていなかった隣の射撃場に立ってみるありちゃん。射手の気持ちを感じられたかな?
ありちゃん:最初は銃声の大きさに驚いていたんですが、耳栓をしてからは射手の皆さんの構えや集中する姿に釘付けでした!自分も正しい構えで、慌てずに出来るよう練習したいです。
今回見学させてもらった虎谷さんは狩猟体験ガイドもされている方。せっかくなので狩りガールやその予備軍のみなさんに期待することを聞いてみました。
虎谷健さん:今、日本の農山村は鹿や猪が増えて大変に困っています。現在、田畑を荒らす獣を「有害鳥獣捕獲」として捕獲していますが、その際に獲られた獣の肉はほとんど活用されずに廃棄されています。奪った命を無駄にすることは、私たちハンターにとっても本意ではありません。できればおいしくいただきたい……。だから「鹿肉料理を食べたい」と思うありちゃんの気持ちはうれしいですね。
狩猟者は高齢化して人数も減っているので、狩りガールのみなさんにも期待したい。それと同時に、ハンターにならなくても狩猟に理解のある方が増えることを期待します!旅先やレストランで鹿や猪の料理を見つけたら積極的に注文してもらいたい。「自然と森を守ろう!」との思いをハンターと共有してもらえたらいいなと思います。
次回のありちゃんも初めての経験をするようですよ。お楽しみに!
次回10につづく!
執筆:この記事は一般社団法人 大日本猟友会さんのサイト『目指せ!狩りガール』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年06月24日時点のものです。
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