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死体と武器の合成人間が大活躍するナチスのぶっとびホラー映画『武器人間』。異彩すぎる声優陣による吹き替え版を収録したBlu-ray&DVDもついに発売。

劇場公開時より更に“武器人間フリーク”が増えた今、今作を手がけたオランダのリチャード・ラーフォースト監督に電話インタビューを敢行しました。

監督の意外な“ジブリ好き”や、“熱を出しながら撮影していた”などの裏話が色々聞けましたよ。意外とイケメンな監督の写真の数々とともに、どうぞお楽しみください。

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■リチャード・ラーフォースト監督 電話インタビュー[ホラー通信]
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――『武器人間』のBlu-ray&DVDがついに日本でもリリースされました。今作はカルト映画のファンに限らず観られていて、「“武器人間”がカッコイイ!」という反響がとても大きいですよ。

監督:日本の皆さんに気に入ってもらえるとは夢にも思わなかったよ! ヨーロッパでは日本の感性やスタイルがとても高く評価されているからね、これはとても光栄なことだよ。

――“モスキート”はカッコイイですし、“プロペラヘッド”や“ポッドマン”はとてもキュートですね。

監督:この映画ではキャラクターがとても大事だと思っていて、『ヘルレイザー』の“ピンヘッド”のような、作品を引っ張っていく力のあるシンプルでユニークなキャラクターをつくりたかったんだ。“モスキート”はとくにこの作品の象徴的なキャラクターになったんじゃないかな。

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[画像:映画『武器人間』より モスキート]

――武器人間のデザインってどれくらい考えましたか?

監督:100体くらいかなぁ。でもその50%はゴミみたいなやつ(笑)。残りの50体のうち、12体を最終的に採用したよ。

――そのボツ案教えて下さい(笑)。

監督:ボツの方を(笑)!? もうあらゆる組み合わせやデザインを考えたよ。“変身する武器人間”も考えたけどうまくいかなかった。とにかくCGを使わないで、人間がスーツを着て演じられるデザインに絞ったから、実現できないものも多かったんだよね。

――撮影中の印象的なエピソードってなにかありますか?

監督:教会で、あらゆる武器人間が出てきて逃げ惑う兵士に襲いかかるシーンがあるだろう。あの撮影日は一日しかなかったんだけど、実はあの日スンゴい具合が悪くて熱も出てた(笑)。そんななかあんな醜い武器人間たちに囲まれて撮影していて、「もっとふつうの職に就けばよかった」と本当に思ったね! でも最終的にいいシーンに仕上がってよかった(笑)。

――私もあのシーンは素晴らしいと思います(笑)。ご覧になった方も、「あのシーンは怖かった」という反応が多かったですよ。

監督:へへへ、よかった。皆さんの反応を劇場で観たかったな。

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[画像:映画『武器人間』より カレル・ローデンが演じたヴィクター博士]

――監督は以前、「キャラクターは自分のなかでどんどん出来あがる」とおっしゃっていました。映画のなかのヴィクター博士も、感性の赴くまま次々と武器人間を作っている感じがします。監督ご自身の創造性がヴィクター博士のキャラクターに投影されてるのでしょうか?

監督:あはは。完全にそうだね(笑)。ヴィクター博士を演じたカレル・ローデンの影響もあるよ。彼もとても創造的な人で、現場ではアドリブも多くやってくれたし、僕もそれを採用していった。僕のクローンのような彼とヴィクター博士を作り上げていったよ。

――ヴィクター博士のやっていることはとても残酷ですが、一方で“戦争を終わらせる方法”を模索しているという特異なキャラクターでしたね。

監督:僕は戦争のなかでは“ヒーロー”も“悪”もないと思うんだ。戦争の“善悪”は状況に左右されるものだから。そこで、単に邪悪な“悪者”をつくるのではなく、ヴィクター博士は“いいことをしようとするために残酷なことをしてしまう”というキャラクターに仕上げているんだ。彼の発想はクレイジーだけどね!

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[画像:撮影中のラーフォースト監督]

――日本では『武器人間』の吹き替え版を、日本人なら誰もが観ているような家族向けアニメの声優さんが務めることになったのですが、いかがですか?

監督:本当? 驚いてイスから転げ落ちそうになったよ(笑)。娘たちが日本のアニメをよく観てるから、きっとその声優が出てるアニメも知ってるだろうな。調べてみるよ!

――お子さん、日本のアニメお好きなのですね! 監督ご自身は日本の作品はお好きですか?

監督:あんまり詳しくないけど、日本の映画やマンガは好きだよ! 『AKIRA』から始まって、『鉄男』『鉄男 II BODY HAMMER』。肉体とテクノロジーを融合させるセンスがとってもユニークだよね。あとは『攻殻機動隊』に、『フリクリ』『デスノート』、それに『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』……。

――えっ、ジブリお好きなんですか?

監督:好きだよ! 夢見心地な雰囲気と、予測不能な展開が好き。ディズニーのようにはっきりと善悪が決まっていなくて、誰しもがグレーなところもいい。それに哲学的なテーマを持っている。ひとつの世界を探求して見せていく、そういうところが好きだね。

――それは意外でした。日本の作品以外でお好きな作品や影響を受けた作品はありますか?

監督:クローネンバーグの『スキャナーズ』『ヴィデオドローム』にはすごく影響を受けているね。『スターウォーズ』も。特にいちばん影響を受けたのはジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』かもしれないな。
デザインスクールで学んでいた時に、僕の作った作品は「変わりすぎている」と言われ、評価されなかった。でも、そういったイマジネーションの豊富な作品を観て、初めて「自由な発想でものをつくっていいんだ」ということに気付かされた。「自由に作っていんだ、みんな作ってるじゃないか!」とね。

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[画像:撮影中のラーフォースト監督]

――デザインスクールに通われていたんですか?

監督:グラフィックアートの学校に行ったあと、美術学校にも行った。1年目はとても評価されたけど、2年目からは退学間近だったね(笑)。美術学校の映画の課題で、学校側はもっと知的な作品を要求していたんだけど、僕はあえてゾンビ映画を作った。学校とは合わなかったんだな。その後はオランダ徴兵制最後の年に徴兵されたんだけど、3ヶ月で退役させられた。退役して本当に良かった(笑)。

――おそらく『武器人間』以外にも沢山アイデアがあふれていることと思いますが、今後どんな作品を作る予定ですか?

監督:今は3つのプロジェクトが進行しているよ。1つめは、『武器人間』のようなエネルギーを持った作品だが、もっと高い予算のものだ。2つめは、まったく違う趣の作品だけど“反物質”を扱ったもの。3つめはブラジルで撮影予定の“変身物”なんだ。どれもビジュアルがキーになった作品になる予定だ。ちなみに、POVの作品はないよ!
そして最後にもう一つ、オランダと日本とアメリカの共同制作で作品を作ることが出来るかもしれないんだ。これが実現するといいなぁと思っているよ。

――実現したら是非日本にいらしてください!

監督:へへへ、是非ともそうしたいね!

『武器人間』ブルーレイ 1枚組 BRSBRS-80350 4743円(税別)

『武器人間』DVD  1枚組 TSDDTSDD-80350 3800円(税別)

発売元/販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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(C)2013 MPI MEDIA GROUP

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武器人間 Blu-rayジャケット

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